政治

報道ステーション

2025年10月11日 01:39

【報ステ全文】公明党による連立離脱 決裂の理由と余波は?斉藤鉄夫代表が生出演

【報ステ全文】公明党による連立離脱 決裂の理由と余波は?斉藤鉄夫代表が生出演
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26年にわたる関係にピリオドです。

自民党の高市総裁と公明党の斉藤代表は10日午後、連立維持をめぐって、約1時間半にわたって会談。しかし、協議は決裂しました。

公明党 斉藤鉄夫代表
公明党 斉藤鉄夫代表
「首班指名で『高市早苗』と書くことはできない」

斉藤代表は連立からの離脱を通告しました。

公明党 斉藤鉄夫代表
公明党 斉藤鉄夫代表
「このたびの自民党の回答は『基本的にはこれから検討する』という誠に不十分なものでありまして、極めて残念です。(Q.萩生田氏が幹事長代行に就任したが、公明党の判断に与えた影響は)今回の我々の判断には、影響しておりません。しかしながら、その秘書である方が、略式起訴されたということ、それに対して、明確な説明なり、全容解明に向けた動きが、まったくなかったこと等については、我々、ご指摘申し上げたところでございます」

3日前に行われた1回目の自公党首会談。この場で、公明党は自民党の“政治とカネ”を特に問題視。連立継続の条件として裏金事件の真相解明と、企業団体献金の受け皿を大幅に絞りこむ案を受け入れるよう迫っていました。

公明党 斉藤鉄夫代表
公明党 斉藤鉄夫代表
「(Q 企業・団体献金規制について、自民党は具体的な案はなかった。協議を継続する選択肢もあったが、なぜ、きょう離脱に踏み切った)企業・団体献金の規制強化をする案は、今回、言い出したわけではありません。自民党は、いつも『検討する』『検討する』『検討する』と。今回の連立政権協議にあたっては、こういう過去の経緯も含めて、新総裁として決断していただきたいと申し上げてきました」

これに対し、高市総裁は、こう述べました。

自民党 高市早苗総裁
自民党 高市早苗総裁
「まず、そもそも本日の党首および幹事長による会談でございますが、前回、火曜日にお目にかかりました折には、木曜日、昨日ですけれども、公明党のほうで“地方の声を聞く”と。その結果について、話をする、お伝えをすると。そういう申し出に基づいて開催したものでございました」
意見交換

公明党は9日、国会議員や地方議員らを集めた会合を開き、連立協議について意見交換を行っています。高市総裁は、その結果を聞く場だと聞かされていたというのです。

自民党 高市早苗総裁
自民党 高市早苗総裁
「しかしながら、本日、公明党からは、政治資金規正法の改正に関する公明党案について、この場で、賛否を示すように求められました。私どもからは、私たちの自由民主党は、ご承知のとおり、党内手続きが必要です。総裁と幹事長だけで、この場で、特に議員立法の法律案の細部の内容についてまで、お答えできるものではないと。この場で、私1人で判断する、2人だけで判断することはできないので、党内に持ち帰って協議をして、手続きにのっとって、速やかに対応したいとお返事を申し上げました。来週にも、もう一度、協議を開きたいとの旨でございます。しかしながら、先方からは、“それは具体的な回答ではない”と。一方的に連立政権からの離脱を伝えられました」

公明党の不満は、いまに始まったことではありません。
2015年に成立した安保法制や2019年の消費税の増税をめぐる議論など、自民党が公明党との関係を重視しないかのような態度を取り続けたことで、党内では長年にわたって不満が蓄積し続けていました。

9日に報道ステーションに出演した高市総裁は、こう話していました。

自民党 高市早苗総裁
自民党 高市早苗総裁
「連立を解消するという話は、直接、うかがっておりませんし、自公連立を基本として考えたい。それは私の願いです」

突然の自公連立崩壊に、石破内閣の閣僚は。

小泉進次郎農林水産大臣
小泉進次郎農林水産大臣
「この26年間、自公という枠組みの中で、さまざまな政策実現に、ご尽力、ご努力をいただいた。そのことに対する感謝と、敬意を表すべきだと思います。公明党が、一貫してずっと言ってきたことは、選挙協力も含めた関係性の構築は、基本的には人物本位だと。今後も連立の外であったとしても、人物本位での関係性は、続いていくところは続いていくと思います」

2014年から公明党がポストを得てきた国土交通大臣。

中野洋昌国土交通大臣
中野洋昌国土交通大臣
「斉藤代表にしっかり、この協議の結果をゆだねると、一任をしているので、斉藤代表が出した結論を、我々はしっかり受け止めて、公明党として、一致団結して、進んでいくということだと」

石破総理が10日夜、取材に応じました。自民党の企業・団体献金の改革に対する姿勢が連立離脱につながったことを問われると、こう述べました。

石破茂総理
石破茂総理
「いま、私自身、自民党の総裁ではございませんので、党と党とのお話について申し上げる立場にはございません。これは禁止よりも公開をずっと申し上げていましたし、それは公明党さん、斉藤代表との間でも、いかに透明性を高めていくか、お話はさせていただきました」

連立離脱後の自公の関係は、今後、大きく変わりそうです。

公明党 斉藤鉄夫代表
公明党 斉藤鉄夫代表
「国政選挙における党同士の選挙協力は、いったん、白紙。わが党が擁立する衆議院小選挙区候補への自民党からの推薦は求めません。自民党候補への推薦も行いません。(Q.政府自民党との向き合いは閣外協力か)閣外協力ではありません」
自民党 高市早苗総裁
自民党 高市早苗総裁
「『例えば、総裁が私でなかったら、連立離脱はないのですか』『総裁が変われば、また連立協議はあるのですか』と。『それは、今回の総裁選挙で誰が選ばれても同じです』と。(Q.公明党以外の野党との連携の可能性)いま申し上げられることは、何もございません」

公明党の斉藤鉄夫代表に聞きます。

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連立離脱を通告“すれ違い”なぜ

公明党 斉藤鉄夫代表

(Q.高市さんの一方的に離脱を告げられたという受け取り方を含めて、なぜ連立を離脱したのか。その1番の理由とともに教えてください)

公明党 斉藤鉄夫代表
「昨年、衆議院選挙、そして今年の参議院選挙と与党は大きく負けました。私は今回の参議院選挙の敗北を受けて、全国いろいろな方に総括という作業のなかで、お話を聞いて回りました。そういう中で、やはり与党、特に自民党の不記載問題にかかわる『政治とカネ』の問題が、ボディーブローのように効いている。
公明党の支持者は、その地域の自民党の候補者を推薦し、その方の友だちに向かって自民党に代わって説明をして理解を求めていかなきゃいけない。そういうことをずっとやってきて、結果として敗北した。そういう中で、自民党の『政治とカネ』に関する姿勢を徹底的にしてほしい、徹底的に改めさせてほしいと、こういう要望を聞いてきました。まさに選挙の総括でも、この点が公明党にとっても、そして自由民主党にとっても、国民の信頼を得るまさにポイントであると総括をしたところです。そのうえで今回、連立政権協議ということになりました。
まずこの『政治とカネ』の問題について、特に不記載の問題に対して、新たに出てきた問題もある。そこに対して真摯な真相究明の姿勢があるのか。そして『政治とカネ』の問題の根本にある企業・団体献金の禁止について、我々は実は1年前から自民党さんに、これは国民民主党と公明党の共同素案ですけれども、企業・団体献金を認めるにしても、受け皿を絞る提案をさせてもらってきました。そういう提案について今回、この連立協議でしっかり結論を出していきましょうと。それがいま我が党の支持者が、我が党員が、自民党と連立政権を続けていく基本的な条件です。
高市総裁が総裁に選ばれた初めの日から、そのことは申し上げ、前回の第1回目の政権協議のとき1時間半かけて、この問題で結論出してくださいと。1年前から議論しています。ちょうど1カ月前には、石破総理でしたけれども、石破・野田・斉藤3党党首会談で、この問題について立憲民主党もこの規制案に下りてくるから一緒に議論しようと。自民党としても検討するとおっしゃっていた。今回の連立政権協議で、私たちも連立政権を続けていく、その条件として答えを出してくださいと1週間前から申し上げてきたところです。
そういう意味では、今回も、今後総裁として検討を指示すると、こういうお答えでは…
きのう全国から集まってきて、今後の連立政権を維持するのか、維持しないのか。企業・団体献金に対して、また不記載問題に対しての自由民主党の基本的姿勢にある、そこを問いただす。問いただして明確な答えがなかったら、もう妥協すべきではないというご意見が大きかった。それを受けて、きょう言ったところです。一方的に通告したわけではありません。ずっと前からこの問題を提起してきて、今回の連立政権協議で答えを出さなければもうギリギリもう最後ですよと、こういう思いで我々お話をしてきたところです」
公明党 斉藤鉄夫代表

(Q.これは、多少意地悪な質問かもしれないが、高市さんは保守的な政治信条への強い方でいらっしゃる。これが仮に新総裁が小泉さんだったら、急にこのような連立離脱ということになったのでしょうか)

公明党 斉藤鉄夫代表
「今回、先ほど申し上げましたように参議院選挙の敗北を受けて、その総括にこの点を書かせていただきました。ですから、誰が新総裁になられても、同じような態度で臨みました」
公明党 斉藤鉄夫代表

(Q.それは小泉さんがやっても変わらない)

公明党 斉藤鉄夫代表
「変わらない」
公明党 斉藤鉄夫代表

(Q.これから自民党との関係はどうなっていくのでしょうか。仮に高市さんが新総理になったら、斉藤さんのことは、野党の党首と呼んでいいのですか)

公明党 斉藤鉄夫代表
「はい、連立政権に参加してないので野党という立場だと思います。そのうえで、これまで26年間、積み重ねてきた信頼関係はございます。また一緒に準備してきた法律や予算案もあります。そういうものについてはきちんと責任を取りたいと思っておりまして、賛成すべきものには、賛成する。協力すべきものは協力する。こういう姿勢、また、そのほかの件については、是々非々で臨んでいきたいと思います」
公明党 斉藤鉄夫代表

(Q.斉藤さんにはちょっと酷な言い方かもしれないが、与党として、政治の安定にこれまで貢献をされてきました。しかし離脱となりますと、与党の責任を放棄する。政治とカネの問題についても、自民党を説得できなかった。そういう意味で言うと、斉藤さんの離脱によって日本の政治が不安定化してしまうということについて、ご自身が責めを負う部分もあるのではないでしょうか)

公明党 斉藤鉄夫代表
「日本の政治を安定化させるためには、まず国民の政治に対する信頼を取り戻さなければ、安定はないと、このように思います。その努力をしていきたいと思いますし、今回の参議院選挙の敗北を受けたその総括では、私たち公明党が中道改革の軸になる、このように総括をいたしました。中道というのは真ん中という意味ではなくて、人間が中心。イデオロギーではなくて、人間が中心のその幸福を求めていくのが、中道主義の政治の結集の軸になる。これが私たちがこれから求めていく政治姿勢だということを今回の参議院選挙の総括に書かしていただきましたけれども、そういう形で国民の皆さまからの信頼を得、政治を安定させていく。数合わせだけの安定ではなくて、本当の意味の理念を伴った政治の安定を目指して、公明党が中心になって頑張っていきたいと思います」
公明党 斉藤鉄夫代表

(Q.自民党との協力関係、自民党にとっても非常に痛手である一方で、公明党も党の存続の危機ぐらいに自民党との協力がなくなれば痛手になりますが、そこはもう覚悟のうえということですか)

公明党 斉藤鉄夫代表
「もちろん、今回、覚悟のうえです」
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