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2025年10月13日 16:00

自公連立崩壊の衝撃 次の総理は誰に?想定される『3つのシナリオ』

自公連立崩壊の衝撃 次の総理は誰に?想定される『3つのシナリオ』
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26年にわたる自民党と公明党の協力関係に終止符です。

次の総理は誰になるのか?

想定される『3つのシナリオ』について見ていきます。

■自公連立崩壊 選挙協力も白紙 それぞれの本音

10月10日、自公党首会談が行われました。
会談は1時間半行われ、公明側から連立離脱を伝え26年の協力関係に幕を下ろしました

公明党が求めたのは『企業・団体献金』の規制強化案です。
自民との連立協議で、お金の流れを透明化するため、受け皿を『政党本部』『都道府県連』に限定するよう求めました

自公党首会談で高市総裁は、
少なくとも3日間、時間が欲しい」と話したということですが、
公明側はその場での回答を求めました。
自民党幹部です。
「誠意を見せれば、3日は待ってくれると思っていた。これは想定外だった
公明党の斉藤代表は、自公党首会談後に、
国政選挙における党同士の選挙協力は、いったん白紙。我が党が擁立する衆議院小選挙区候補への自民党からの推薦は求めない。自民党候補への推薦も行わない」と話しました。

公明党は、次の衆院選小選挙区の一部に候補を擁立せずに撤退する方針で検討に入ったということです。

支持母体である創価学会の組織力を比例代表と当選見込みの高い選挙区に傾ける狙いがあります。

選挙への姿勢について、公明党の西田幹事長です。
「公明党らしさを出して『比例公明』をいかにして増やすかに、より注力することは間違いない。発想を変えたのは事実

一方の自民党です。2024年10月の衆院選で、小選挙区で132議席を獲得しました。

自民党への影響です。
JX通信社の米重克洋さんによりますと、
小選挙区の各選挙区で、自民候補から公明支持者の票がなくなると、
次点の野党候補に抜かれる選挙区が出るということです。

単純計算で、52人が落選する可能性があります。

高市総裁の周辺は、
保守派の中には『公明党を切った方がむしろプラスだ』という人もいる」
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■次の総理は誰に?『自民+野党の一部が連立』のシナリオ

公明党が連立から離脱したことで先行きが分からなくなっているのが、次の総理大臣です。
3つのシナリオを見ていきます。

総理大臣指名選挙とは、まず衆参両院で1回目の投票を行います。
そこで過半数を取った人がいれば総理大臣に指名されます。

過半数に届かない場合には、上位2人で決選投票が行われます。
ここで多く票を取った人が総理大臣に指名されます。

衆参で指名が異なる場合、両院協議会で議論を行い、それでも意見が合わなかった場合は衆議院の議決が優先されます。

3つのシナリオです。

シナリオ1、『自民+野党の一部が連立』
高市総裁は公明党との連立解消が決まった後、会見で、
出来る限りのことはしたい」と話しています。

シナリオ2、『政権交代』
立憲民主党日本維新の会国民民主党が一本化した場合、国民民主党の玉木代表を野党統一候補にする案が出ています。

シナリオ3、『自民 単独少数与党』
野党がまとまらなければ高市総理になります。

シナリオ1を見ていきます。

自民党と野党の連立はどうなのでしょうか。

当初、高市総裁の側近は、
「連立の相手は国民民主」と言い切っていました。
しかし、自公連立解消を受けて、国民民主党の玉木代表は、
国民民主の数を足しても過半数にいかない。これまでの自公に我々が加わるかどうかの議論はほとんど意味がなくなった」と、自民との連立には慎重な姿勢を示しました。

ハードルもあります。

国民民主党の支持母体である、日本労働組合総連合会(連合)が連立入りに反対しています。

連合の芳野会長は、
「野党の立場で与党と対峙することがとても重要だ」と自民党との連立に対し牽制しています。

こうした事態を受けて自民党が、日本維新の会と接触です。

朝日新聞によりますと、自民党執行部は、新たに日本維新の会に接触し、連携を呼びかける方針です。

日本維新の会の藤田共同代表は、自民党との連立について、
「正式に連立の話があれば、真摯にお話をお聞きする」と話しています。
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■国民・玉木氏を総理に?野党統一『政権交代』のシナリオ

シナリオ2、『政権交代』について見ていきます。

立憲民主党は政権交代も視野に入れています。

立憲民主党の野田代表です。
政権交代はめったにないチャンス。目の前に野党が頑張ればできるかもしれないのをみすみす逃すというのは、責任ある政党の態度ではない。色々なものを乗り越えて、知恵を出し合いたい」と政権交代に意欲を見せます。

立憲民主党が野党一本化に動きます。

10月12日、野田代表は、10月13日にも、日本維新の会と国民民主党に党首会談を呼びかけると表明しました。

立憲民主党の安住幹事長は、
「主要な野党で統一候補を考える検討をしたい。その際、わが党の野田にはこだわらない」としています。

立憲民主党と国民民主党です。

立憲民主党の野田代表は、
「『玉木総理』有力」としています。
一方、国民民主党の玉木代表は、
「基本政策が違う。現在の立憲とは組めない」としています。

立憲民主党と国民民主党には、原発などのエネルギー政策や安全保障、憲法改正で政策に相違があります。

立憲民主党と日本維新の会です。

立憲民主党の野田代表は、
「(統一候補は)藤田さん(維新共同代表)も対象」としています。
一方、日本維新の会の吉村代表は、
「立憲と国民民主で話がまとまるなら真剣に考える」と慎重です。
公明党の斉藤代表は、
「総理指名で『高市早苗』と書くことはできない。一回目は『斉藤鉄夫』。決選投票では『斉藤鉄夫』か『棄権』」と話し、自民党や野党には投票しない考えです。
政治ジャーナリストの田崎史郎さんです。
「今後、立憲と国民民主の政策合意ができるか。できれば野党政権の可能性。自民党がそれを阻止するためには、公明か維新の協力取りつけが必要
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■野党まとまらず『自民 単独少数与党』のシナリオも

シナリオ3、『自民 単独少数与党』について見ていきます。

無所属議員の存在です。
衆議院には、かつて民主党や日本維新の会に所属していた無所属議員7人でつくる、有志・改革の会という会派があります。

国民民主党の玉木代表です。
「安定政権が一番いいと思うが、今後は少数与党の状況が常態化すると思う。こういう多党化の時代に入ったということは、その中でどうやって知恵を出していくか、工夫していかないといけない
テレビ朝日政治部の千々岩官邸キャップです。
『多党化の時代に入った』という見方が、ここ1年多く聞かれるようになった。国民の多様な声を反映させる意味ではメリット。しかし政治の安定性という意味では懸念も

(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年10月13日放送分より)

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