公明党が連立解消を表明し、戦略の練り直しを余儀なくされている自民党。高市総裁への批判の声が党内から出るなか、両院議員懇談会が開かれました。
党内の突き上げに高市総裁は?
公明党との連立解消について、自民党内では様々な声が上がっています。
13日、自民党の鈴木俊一幹事長は「連立を継続するよう努力をしたが、連立解消を通告されてしまった。誠に残念」と話しています。
自民党は、14日午後3時から両院議員総会・懇談会を開催。高市早苗総裁が、公明党の連立離脱の経緯を説明しました。
連立解消に高市総裁周辺では「保守派の中には『公明党を切ったほうがむしろプラスだ』という人もいる」という声がある一方で、不満の声も出ています。
12日、野田聖子衆院議員はSNSで「今回の自民党トップの人たちは(自公連立に)アンチの発言が多かった」と投稿。12日、船田元衆院議員もSNSに「『総総分離』、すなわち総理と総裁を分離する案もある」「高市総裁に一度退いていただき、政権構想の立て直しを模索すべき」と書き込んでいます。
高市総裁は、この3連休は赤坂の衆院議員宿舎で対応を検討。13日にSNSを更新し「皆様が人事を進めて下さって感謝にたえません。人数が少なくなった自民党では、全員に役職に就いて頂かなければ追い付かない現状です」と公明の離脱には触れず、党内結束を呼び掛けました。
幹事長代行に萩生田光一氏を起用したことへの批判に、先手を打ったのかもしれません。
国政選挙での影響は?
今後の国政選挙には、どんな影響があるのでしょうか。
10日、公明党の斉藤鉄夫代表は「自民党との国政選挙における選挙協力はいったん白紙にいたします」と表明しました。
これまでの自民党と公明党の選挙協力は、自民党は比例で公明党に投票するよう支持者に呼び掛け、公明党は大半の選挙区で候補者を立てず、自民党候補への支援を呼び掛けてきました。
公明党の選挙協力がないと、自民党にとって厳しい選挙がさらに厳しくなるといいます。
さらに12日、公明党の斉藤代表はフジテレビの番組で、野党候補と個別に選挙協力する可能性について言及しています。
注目の国民・玉木代表の動きは?
続いて、野党の動きを見ていきます。
12日、立憲民主党の野田佳彦代表は街頭演説で「大同団結すれば、選挙しなくても政権交代が可能。政治生命をかけて、命を懸けて挑戦したい」と発言。総理大臣指名選挙での野党候補の一本化に向けて立憲、国民、維新の3党首会談を呼び掛けました。
これを受け13日、国民民主党の玉木雄一郎代表は「党首会談は受けたい。ただ実のある中身にするため、幹事長レベルでどういったことを協議するのか前さばきが必要」だとして、3党党首会談を実施する前に安全保障政策やエネルギー政策などの政策の一致が不可欠だと指摘しました。
14日に、立憲、国民、維新の3党の幹事長がが会談します。
一方で、国民民主は野党だけでなく与党にも接近。13日、玉木代表は自身のSNSに「玉木雄一郎、そして国民民主党は首相ポスト狙いで基本政策を曲げることは断じてない」と投稿。自民・公明とも、今週中に幹事長会談を開くよう榛葉賀津也幹事長に指示しました。
ただ、玉木代表に対し、国民民主などの支持母体である「連合」の芳野友子会長は「国民の連立入りは容認できない」として、自民との連携に否定的な考えを示しています。
また13日、維新の吉村洋文代表は出演したテレビ番組で「立憲と国民で一度話をしてみて、それが本当にまとまるのであれば、我々も真剣に話は聞きます」と、様子見の構えを見せています。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年10月14日放送分より)