政治

報道ステーション

2025年10月16日 01:23

政策合意すれば高市氏に…自民×維新あすから“連立協議” 野党3党は隔たり埋まらず

政策合意すれば高市氏に…自民×維新あすから“連立協議” 野党3党は隔たり埋まらず
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駆け引き、綱引き、多数派工作。総理大臣指名選挙を見据え、15日は、事態が目まぐるしく動く一日でした。

15日午後4時過ぎ、野党3党の党首が、一堂に会しました。この会談を持ちかけたのは、立憲民主党の野田代表です。

衆議院 会派別の議席数

公明党が自民党との連立を解消したいま、野党第1党の立憲と、第2党の日本維新の会、第3党の国民民主党が組めば、自民を上回り、決選投票で政権を奪える。これが、野田代表が描いた青写真です。

維新・国民の両党

この構想に、維新・国民の両党は、基本政策の一致がなければ、共に政権は担えないと返してきました。

3党首の会談は、カメラが出た後、非公開で1時間近く、行われました。

会談後、玉木代表は、こう述べました。

国民民主党 玉木雄一郎代表
国民民主党 玉木雄一郎代表
「結局、少数与党として、やっていくことがベース。仮に、私が内閣総理大臣に選ばれたとしても、その内閣が政権運営が、厳しい状況になると、正直、思った。野田代表は、だいぶ近づいたと言うが、私は、依然、隔たりがあると。(Q.立憲と隔たりを感じたのはどこか)この瞬間も自衛隊や米軍が、わが国を守ってくれています。その運用を決めている法律やガイドラインが、憲法に違反しているという主張を変えないところ。(Q.何パーセントぐらい立憲との合意の可能性)数字で表すのは難しい。14日よりは15日の方が良くなった。まだ行くべき道は遠いな」

3党の話し合いは、いったん、幹事長レベルまで戻し、16日以降も続けることになりました。

立憲民主党 野田佳彦代表
立憲民主党 野田佳彦代表
「私は粘り強く。政治とカネの問題にけじめをつけたと言い切っている政治勢力が、政権に居座り続けることは、絶対に許しちゃいけない。あきらめないでいきたい」
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高市総裁も、他党との会談に乗り出しました。

野田代表

野田代表と約20分、会談しました。

玉木代表

続いて、玉木代表。高市氏は、ここでは率直に協力を求めたそうです。

自民党 高市早苗総裁
自民党 高市早苗総裁
「私の方からは、来たる首班指名でのご協力をお願い申し上げました」

そして、野党の連携でネックになっている“基本政策の一致”を持ち出しました。

自民党 高市早苗総裁
自民党 高市早苗総裁
「国民民主党と私ども、非常に基本政策が近い。一致点の多い政党だと思うので、さまざまな場面で共に力を合わせて、やっていきたいと。(Q.総理指名選挙への協力を呼びかけ、手ごたえは)それは、何とも申し上げられません。同じような政策を、スピーディーに進めたいのであれば、一緒に、責任を担っていただきたいという旨も申し上げました。(Q.玉木代表はどんな反応を)それは玉木代表からお聞きください」
国民民主党 玉木雄一郎代表
国民民主党 玉木雄一郎代表
「基本政策においては、正直、高市総裁、自民党とかなり重なるところがあるなと」
合意事項の未達成が懸念

ただ、幹部同士で合意した『年収の壁』の引き上げなどが、十分、遂行されていないことが引っかかっています。

国民民主党 玉木雄一郎代表
国民民主党 玉木雄一郎代表
「せっかく一致しているところが多いのであれば、公党間の約束をまずきちんと果たして、信頼関係を醸成し、その先のさらなる連携強化にいきませんかとお答え申し上げた」
吉村代表

そして、高市総裁が最後に向き合ったのが、維新の吉村代表です。

衆議院 会派別の議席数

仮に、野党の足並みがそろわず、自民と維新が一本化して総理指名に臨むとなると、衆議院では231議席となり、過半数まで2議席に迫ります。

会談を終えて、高市総裁は、こう述べました。

自民党 高市早苗総裁
自民党 高市早苗総裁
「本音ベースで首班指名のご協力、一緒に政権を担う連立含みのご協力をお願いしたいということを、率直に申し上げました」

そして、16日から早速、政策協議を始めると明らかにしました。

自民党 高市早苗総裁
自民党 高市早苗総裁
「副首都構想については話をしました。両党で政策の協議体をしっかりとつくってやっていく。来年の通常国会あたりを目指して、やっていけたらと」

維新にとって、現状は、『副首都構想』に反対していた公明党が連立を去ったことで、ハードルが下がっているともいえます。

日本維新の会 吉村洋文代表
日本維新の会 吉村洋文代表
「(Q.副首都構想については、具体的に高市総裁からどんな話が)人気のある政策ではないかもしれないけど、僕は絶対に必要なことだと思っています。高市新総裁も『同じ考え方です』と。(Q.政策協議でまとまれば、首班指名で『高市早苗』と書く)その考え方で結構です。政策協議が、きちんと合意がまとまれば、そういうことになると思います」
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◆次期総理の座をめぐって自民党と立憲民主党が、国民民主党、日本維新の会という2つの“固まり”を引っ張り合う構図が続いていましたが、事態は動いたようです。

改めて、構図を説明します。

次期総理の座をめぐって

総理になるには、1回目の投票で過半数を得るか、決選投票で最多の票を得る必要があります。

【自民党】
維新と組むと231。過半数まであと2票となります。国民民主と組むと223となります。さらに、維新が加われば258となり、過半数を超えます。

【立憲民主党】
立憲・維新・国民民主、3つの野党が連携すると210。過半数には届きませんが、自民の196を上回り、決選投票で野党から総理が選ばれる可能性が高まります。

各党党首が会談
吉村代表

15日は、各党党首が会談を重ねましたが、自民・高市総裁と会談した維新・吉村代表から踏み込んだ発言が出ました。吉村代表は「強い熱量と共に、熱い思いをよく理解した」と述べました。16日から自民と政策協議を開始。まとまれば『高市早苗』と総理指名選挙で書くと明言しました。

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◆政治部官邸キャップの千々岩森生記者に聞きます。

千々岩森生記者

(Q.高市総裁と維新との会談、連携に向けて大きく進展したというのは間違いないようですね)

千々岩森生記者
「いま焦点は、一気に維新にあたる形となっています。ポイントは、総理指名選挙を見据えて、具体的な政策協議が始まると。それも16日午後3時というところまで具体的にセットされました。非常にスピード感のある動きです。 もう一点は、吉村代表が、協議で合意すれば、総理指名選挙で『高市早苗』と名前を書くことまで明言したことです。協議の前から、ここまで具体的なゴールを口にするのは、異例と言っていいと思います。当事者間では、すでに一定のゴール、何らか見えているんじゃないか。そんなことまでうかがわせる動きと言えます。仮に、維新が高市さんの名前を書くのであれば、連立を組む可能性も見えてくるわけです。ただ、維新の幹部は『16日の協議で政策をパッケージで自民党側に示す。パッケージごと飲めるかどうかだ』と話していて、ハードルは決して低くないと強調しています」
千々岩森生記者

(Q.ここまでカギを握るとみられていた国民民主党は、どのような姿勢なのでしょうか)

千々岩森生記者
「まず、国民民主とほかの野党との関係は、依然、距離は開いたままです。 玉木代表、立憲民主党については、やはり安全保障政策で『隔たりがある』、憲法改正でも『隔たりがある』と繰り返しました。一方で、玉木代表は、自民党・高市総裁との会談のあとには『基本政策で、かなり重なるところがある』と前向きな発言をしていて、14日も指摘しましたが、玉木代表の軸足は、現状、立憲よりは自民党側にあると感じさせるものでした」
千々岩森生記者

(Q.野党一本化を目指している立憲民主党としては、ある種、厳しい状況に置かれたと言って良いでしょうか)

千々岩森生記者
「そうですね。立憲としては、国民民主、維新との3党協議を16日以降も続ける。うまくいけば、近く、再び、党首会談に持ち込みたい考えです。 15日の流れを見ると、自民党側が一歩リードしているように見えますが、立憲の安住幹事長も『ここからがドラマの始まりだ』と言ってますので、まだまだ紆余曲折がありそうです」
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