自公連立解消から1週間足らず。政権維持を目指す自民党と政権交代を掲げる野党、次期総理は誰の手に――。
自公連立離脱を受け、野党の動きが活発化している。
国民民主党の玉木代表は10日、「公党の代表として内閣総理大臣を務める覚悟はあります」と総理大臣就任への意欲を改めて表明するも、パートナー候補の立憲民主党に対して、13日のSNSで「自ら政策を変更すべきです。立憲民主党にこそ政権交代の覚悟、本気度が問われています」とSNSに投稿した。
挑発された立憲民主党の野田代表は13日、「話をよく聞いたうえで、我々の考えを説明したい。理解してもらえるかどうかをやってみたい。我々も、もしかすると、政策を一字一句変えないわけでもない。のりしろを持って交渉をしたいとは思うが、党内が納得するやり方にしなければいけない」と述べた。
その歩みよりの第一歩として14日に行われた3党幹事長会談。そこで決まったのは3党党首の会談である。
立憲民主党の安住淳幹事長は「ここまで来るとあとはそれぞれの代表の判断だ。党首の方から党首間の会談のあとに指示があると思う、だからそれを待ちたいと思う」と語った。
そして、野党へと転身した公明党は連立解消以降、積極的なメディア露出を展開。地上波7回、BS3回、ネット4回と多くのメディアに出演している。一方、窮地に立たされている自民党の高市総裁は「今、自民党の総裁にはなったけど総理にはなれないかもしれない女と言われている、かわいそうな高市早苗でございますが、ただこういうときも諦めません」とコメント。15日には立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の党首とそれぞれ会談し、総理指名選挙にむけて戦闘体制に入った。
“高市総理”誕生→「単独過半数のハードルが高く」?

「選挙ドットコム」の「支持政党別 野党連立内閣への期待」という全国調査の結果によると、国民民主党の支持層の約6割が高市内閣に期待していることがわかる。
なぜ玉木内閣ではなく高市内閣なのか。その背景について報道ベンチャーの「JX通信社」 の米重克洋代表取締役は、以下のように分析する。
「立憲の支持層では玉木内閣への期待が、高市内閣への期待よりも高いことがヒントだ。立憲民主党の支持層は『非自民』『政権交代』『アンチ自民』の意識が強いため、玉木氏を中心としてでも野党中心の政権ができることに意義を見出している。一方、国民民主党の支持層は『手取りを増やす』や『103万の壁』など政策実現に期待をしているため、高市氏中心の内閣で良いと。玉木氏自身が立憲とは政策がずれていると言っているため、国民民主党の支持層に不安を与えていると思う」(米重克洋、以下同)
一方で野党がまとまらず“高市総理”になった場合、次の選挙で自民党にどのような影響が出るのだろうか。米重氏は「自民候補から公明支持者の票がなくなると、次点の野党候補に抜かれる選挙区が出る。単純計算で52人が落選する可能性がある」と述べる。
「これは予想ではなく、過去に起きたことのデータの分析。去年の総選挙で自民党は132の小選挙区を取っていたが、公明票がなかったら52人通っていなかったかもしれない。高市氏が内閣を作ることができたら国民民主や参政などの支持層から支持を取り戻せるかもしれないが、前より52人分も低い発射台からスタートしなければならないため、公明党が抜けた穴を埋めるのでやっとだ。解散総選挙をして単独過半数を圧倒的に取るようなことは、ものすごくハードルが高くなったと思う」
また臨時国会までの注目ポイントを以下のように語る。
「立憲民主党、国民民主党、日本維新の会の3党が連携するのかどうかが、大きなポイントだ。すでに一部の報道では、日本維新の会は自民党と協力するのではないか言われている。実際はわからないがそうだとしたら、高市氏の公算が数の上で高まることになる」
(『ABEMAヒルズ』より)