自民党と日本維新の会は20日、連立政権の合意書に署名する見通しであることが分かりました。維新からは当面閣僚は出さず、閣外協力の形をとることになります。
自民・維新 連立政権20日合意へ
「もし僕が玉木さんだったら、責任も一緒に取って『やります』と言う」
連立交渉のキーマン、日本維新の会の吉村代表は18日朝、国民民主党の玉木雄一郎代表に連立参加を検討するよう呼び掛けました。
「すごいチャンスですよ。年収の壁178万円への引き上げを期待している方も多い。『対決より解決』だと言うなら、ここで勝負かけないと…。総理大臣にはなれないかもしれないが、約束したこと(政策)は実行できる。なぜ勝負をかけないのか」
ちょうど同じころ、玉木氏は、長崎県で街頭演説を行っていました。
「玉木総理大臣は消えてしまいましたが、もうちょっと待ってくださいね」
そんな玉木氏に…。
「本当に政策を実現したいんだったら、僕は、総理大臣の可能性が消えても、まず政策を実現する」
ただ、これまで自民党と連立を組んできた党は、公明党以外、ほぼ消滅の憂き目にあってきました。
「(党の)消滅のリスクはあり得る。そのリスクを負ってでも日本のために挑戦すべきだ」
吉村氏が認めるように、自民との連立は大きな賭けです。しかし、ついに連立政権の合意書に、20日、署名する見通しであることが分かりました。
これで高市総裁が初の女性総理に選出される公算が大きくなりました。
閣外協力判断「自民は甘い組織ではない」
ただ、前途は多難です。維新の内部に、連立に反対する声が根強くあるのです。
「一定数、造反は出るだろう。『連立』と言われて『はい、そうですか』と素直に受け入れられる議員ばかりではない。まずは自民が維新の主張をどこまでのみ、きちんと履行できるかを見極めないといけない」
維新からは当面、入閣せず、閣外協力の形で連立を組むことになりました。
閣僚を出し、国会で矢面に立つ覚悟を示すべきだという声に…。
「閣僚を出すのが覚悟なのか。僕は違うと思っている。大臣になりたいわけではなくて、政策実現のためにもっとも有効な方法はなにかという判断で考える」
閣外協力について、日本維新の会の松井一郎元代表はSNSに「ここは様子見、自民党はそんな甘い組織ではない。これまで連立を組んだ党はすべて絡め取られて終了」と投稿しています。
大臣を出さない「閣外協力」となりますが、総理補佐官には、維新の遠藤国対委員長が起用される見通しです。官邸と国会のパイプ役を担う狙いがあるとみられます。
衆院比例50人削減対象「死活問題」
自民と維新の新たな連立政権。しかし、維新が求める強気な要求「議員定数の削減」は自民ばかりか、他の政党にも波紋を広げています。
「社民党にとっても本当に死活問題です。身を切る改革というけれども、民主主義を切る改革です」
維新の求める削減対象は、衆議院の比例代表50人。自民党執行部は受け入れる方針を示しているということです。
ただ、小選挙区で落選、比例で復活した議員や、比例を主戦場にしている政党にとっては死活問題となります。
(「グッド!モーニング」2025年10月19日放送分より)