自民党と日本維新の会の連立政権が誕生する見通しです。
10月21日、高市総裁が初の女性総理に選ばれる公算が大きくなりました。
一方で、自民・維新の連立政権の火種についても見ていきます。
■維新 閣外協力「自民と是々非々」連立合意が大詰め
10月21日、臨時国会が召集されます。
総理大臣指名選挙が行われ、次の総理大臣が選ばれます。
維新は10月19日、常任役員会を行いました。
役員会で、吉村代表と藤田共同代表に自民との連立判断が一任されることが決まりました。
維新の幹部によると、自民と維新は食料品の消費税の廃止は、継続協議。
企業・団体献金の廃止は、2027年9月までの実現を目指し協議することで折り合いがつきました。
自民と維新は10月20日にも、連立政権の合意書に署名する見通しで、
高市総裁が初の女性総理に選出される公算が大きくなりました。
「与党に入るが、大臣などは出さずに、自民党と是々非々でやっていく。ダメなことはダメと言いますから。フリーハンドの立場を保つためには、私は閣外の方がいいと思う」
維新は当面、閣僚は出さず『閣外協力』とする考えです。
高市総裁が総理になった場合、日本維新の会の遠藤国対委員長を総理補佐官に起用する方向で調整しています。
「我が党と自民党が確たる信頼関係でつながっているかといえば、まだ希薄。自民党がこの先約束したことを本当にまじめにやってくれるか、少し距離感を持った上でお付き合いをしていく」
「ポスト狙いの連立だと思われたくない」
■議員定数削減 連立の「絶対条件」浮上のワケ
『議員定数の削減』について見ていきます。
「維新の原点は、議員定数削減。例えば衆院であれば、500人いるので、1割の50人。定数削減は国会議員が腹をくくったらできる」とモーニングショーで発言しました。
国会議員の定数を1割削減する法案を年内に成立させることを求めています。
日本維新の会の関係者によると、国会議員の定数削減については、衆院の比例代表を削減の対象にすることで調整していて、衆院の小選挙区や参院については対象にしない見通しです。
自民党執行部は、受け入れる方針を示しているということです。
「企業・団体献金の協議が進まないから、定数削減の話に持っていくのはすり替えだ」と話しています。
「政治とカネの問題については、我が党と自民党が言っていることは対極の関係。決して我々はあきらめていません。ただ、これが一朝一夕でできるかというと、時間はかかると思う。優先順位で言えば定数の削減」としています。
■公明 連立離脱で自民の議席減?自維『選挙区競合』も
自民党と日本維新の会が連立した場合、火種となるのが『選挙区の競合』です。
公明党の離脱で、自民党は議席を大きく減らす可能性があります。
自民党は前回の衆院選・小選挙区で、132議席で獲得しました。
JX通信社の試算によると、公明と連立していなかった場合、単純計算で52人が落選していた可能性があるということです。
主に東京の8選挙区、神奈川の6選挙区、埼玉の5選挙区などで当選者が入れ替わっていた可能性がありました。
この公明票はどこへ行くのでしょうか。
衆院選直後は自民党が191、立憲民主党が148議席を獲得していましたが、
公明党が連立離脱していた場合、
自民党が52議席減った139議席にとどまり、立憲民主党が39議席増え187議席、比較第一党になっていたという計算になるという事です。
自民党と日本維新の会が競合していた選挙区です。
前回の衆院選で、自民党と日本維新の会の候補者が戦った小選挙区は、全国で145選挙区あります。
前回の参院選で、同じように自民党と日本維新の会の候補が戦った1人区は滋賀、奈良、和歌山の3選挙区です。
大阪選挙区です。
前回の衆院選で、全19選挙区で日本維新の会が全勝。
一方、自民党は15人擁立しましたが、全敗しました。
自民党の大阪府連が本部に申し入れです。
「府民の声を代弁できる状況を何らかの形で作る必要がある」として、国政選挙で自民党として候補者を擁立するべきと鈴木幹事長に要望しました。
大阪落選組の声です。
「選挙区調整なんてどうせできないからガチンコで戦えばよい」
「正直、維新と組むのが嫌で高市さんに投票した人も多い」と話しています。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年10月20日放送分より)