衝撃の自公連立解消から注目を浴びている公明党。話題になっているYouTubeチャンネル「公明党のサブチャンネル」について、“キーマン”に聞いた。
60年以上続く国政政党のチャンネルにもかかわらず、過激なサムネが並ぶチャンネルでは「国会議員の給料を晒す」や「公明党の定例記者会見が壊滅的に面白くない」という自虐ネタなど、“タブー”に切り込む内容の動画が公開されている。
今年1月に開設し、チャンネル登録者数18万人以上、総動画再生回数は3000万回を超える、まさに大人気チャンネルである。
しかし再生回数が増えたとしても公明党への支持につながっているのか。連立離脱で影響力の低下が懸念される中、こうしたサブチャンネルの役割や今後の公明党の存在感について、党の中央幹事・伊佐進一氏に聞いた。
公明党、今後の選挙戦略は?

動画投稿を始めたきっかけについて伊佐氏は以下のように語る。
「『公明党ってどの議員に聞いても同じことしか言わないし、金太郎飴みたいで気持ち悪い』『公明党ってタブーがあって近寄りがたい』というような意見を頂いたが我々としては、聞かれたら何でも答えるし、もっとオープンにしたいと思っているため、それならあえて自分から、皆がタブーと思っていそうなことをさらけ出していこうと、始めた」(伊佐進一氏、以下同)
動画に注目が集まる一方で、連立離脱により公明党は選挙において厳しい状況に置かれている。ニュース番組『ABEMAヒルズ』コメンテーターで日本大学 危機管理学部教授/東京科学大特任教授の西田亮介氏は次のように指摘する。
「これまで両党は『選挙区は自民党で比例は公明党』という住み分けをしてきた。この住み分けがなくなるのだとすると、公明党はどうやってこれまでの影響力を確保していくのか。中央の政策に対して影響力があるということが公明党への信頼の証しになっていたところがある。野党になるというときこれから議員の数をどうやって増やしていくのか、あるいは維持するのか、という面ではなかなか難しい状況に思われる」(西田亮介氏)
これに対し伊佐氏は次のように話す。
「公明党の役割を定義し直さなければならないと思っている。我々は26年間、自公政権の中で多かった役割は『調整』だ。自民党と野党の隔たりがあるときに、公明党が真ん中に入って調整することが多かった。今後、おそらく日本の政治で1つの政党が一強になることはないと思う。政策実現をするためには、多くの党が調整して決めていかなければならない。今までずっと(調整の)知見を蓄積してきた公明党が、調整の要のようなところで力を発揮していきたいと思っている」(伊佐進一氏)
解散総選挙はいつ?

とはいえ、気になるのはやはり解散総選挙の時期だ。西田亮介氏は次のように予想する。
「遅くとも来年の夏までにはあるのではないか。臨時国会が行き詰まる可能性もあり得る。議員定数削減は成立するかわからず、参議院で過半数に達していない状況だ。予算は衆院の優越があるが、通常国会後半で重要法案が通りにくくなった場合には、与党側の失点と捉えられやすい。また、国民の審判を受けていないため、どこかで総選挙をやらないといけない。先延ばしはできないし、するべきでもないと思う」(西田亮介氏)
一方で伊佐氏は…。
「我々としては常に最速の状況を考えて準備をしなければならないと思っている。最速であり得るのは、今回、維新との関係で政治が1歩前に進む、新しい女性総理の下で雰囲気も変わる、という状況だ。この臨時国会を乗り越え、年末にでも解散総選挙を打ってくる可能性はあると思う」(伊佐進一氏)
(『ABEMAヒルズ』より)