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2025年10月28日 16:35

トランプ大統領 約6年ぶり来日も…異例の総理主催夕食会“開催なし”の理由

トランプ大統領 約6年ぶり来日も…異例の総理主催夕食会“開催なし”の理由
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 日米首脳会談に臨んだ高市早苗総理大臣。トランプ大統領との人間関係の構築、安全保障が会談の焦点になっています。

トランプ大統領、陛下に“敬意を払った振る舞い”

 27日、トランプ大統領を一目見ようと、皇居前には大勢の人の姿がありました。

天皇陛下と笑顔で握手を交わし、英語で挨拶
天皇陛下と笑顔で握手を交わし、英語であいさつ

 大統領専用車「ビースト」から降り立ったトランプ大統領。天皇陛下と笑顔で握手を交わし、英語であいさつ。陛下に促され面会の場へ。

陛下に敬意を払った振る舞いを見せた
陛下に敬意を払った振る舞いを見せた

 写真撮影ではスーツのボタンをとめていたトランプ大統領。普段、要人と会う際にもボタンをとめず、前を開けたままの状態が多いトランプ大統領ですが、今回は陛下に敬意を払った振る舞いでした。

 宮内庁によると、トランプ大統領は面会の冒頭、安倍元総理との信頼関係に触れたうえで、“新しい総理のもとで日米関係をさらに強化していきたいです”と話し、陛下は“訪日が日米の友好関係をさらに強化することになることを期待しています”と話されたということです。

懇談は、およそ30分間行われた
懇談はおよそ30分間

 懇談はなごやかな雰囲気でおよそ30分間行われ、トランプ大統領は別れ際に「サンキューベリーマッチ。グレートマン、グレートマン」と言いました。

訪日記念 星条旗カラーにライトアップ

 天皇陛下と面会する2時間半前、トランプ大統領を待ちわびる人たちが集まった羽田空港。

右手で握りこぶしを作り登場したトランプ大統領
右手で握りこぶしを作り登場

 紺色のスーツに金色のネクタイ、右手で握りこぶしを作り登場したトランプ大統領。来日はおよそ6年ぶりで、第2次トランプ政権発足後初めてとなります。

 木原稔官房長官が出迎え、トランプ大統領の耳元で何かを伝える様子も。

最大1万8000人態勢で警備を強化
最大1万8000人態勢で警備を強化

 3日間の滞在に備え、都内は朝から厳戒態勢に。警視庁は、特別警備本部を設置。最大1万8000人態勢で訪問先や主要な駅などの警備を強化。

 去年7月、トランプ大統領が狙撃された事件も踏まえ、周囲のビルの屋上への要員配置や外階段の閉鎖など、テロ対策にも力を入れています。

東京の空を移動
東京の空を移動

 空港に到着後、トランプ大統領は大統領専用ヘリへ。東京の空を移動。そして、警察車両を先頭に、トランプ大統領の車を警備する車列は20台以上。大統領専用車「ビースト」は、銃弾などから内部を守る装甲の厚さが20センチだといいます。

高市総理は、トランプ大統領へのコメントを投稿
高市総理は、トランプ大統領へのコメントを投稿

 高市総理は自身のXを更新し、トランプ大統領へのコメントを投稿。

「トランプ大統領、ようこそ日本へ!あすお会いし、偉大な日米同盟を一緒に一層強化していくための議論ができることを楽しみにしています」
星条旗カラーにライトアップされた、東京タワーやスカイツリー
星条旗カラーにライトアップ 東京タワーやスカイツリー

 トランプ大統領の訪日を記念して、東京タワーやスカイツリーなどが星条旗カラーにライトアップ。高市総理も写真付きで紹介しました。

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総理主催の夕食会開催なし その理由は?

 日米首脳会談の際、交流を深めるために重要なポイントになっているのが食事会です。

 関税交渉でトランプ大統領と向き合ってきた赤沢亮正経産大臣が、トランプ大統領の好みを明かしていました。

トランプ大統領の好みを明かした赤沢経産大臣
トランプ大統領の好みを明かした赤沢経産大臣
赤沢経産大臣
「部屋に入ってお話をしたら、最初に聞いてくれたのは『赤沢さん何飲む?』って聞いてくれたんです。私は『コーヒーありますか』と聞いたら『コーヒーもあるしダイエット・コーラもある』って。『ダイエット・コーラで』と」

 ダイエット・コーラ好きで知られるトランプ大統領。大統領執務室に注文ボタンを設置するほどです。

赤沢経産大臣
「ダイエット・コーラが出てきて、ここに置かれてですね。交渉した」
2019年は…
2019年は…

 2019年、前回の来日時には、当時の安倍総理が昭恵夫人と共にトランプ大統領夫妻を「炉端焼き」でおもてなししました。

安倍晋三総理大臣(当時)
「炉端焼きをゆっくりとリラックスをしながらさまざまなことについて議論を行いたい、意見交換をしたいと思います」(2019年)
トランプ大統領
「ありがとう。素晴らしい時間。素晴らしい滞在となった」(2019年)

 しかし、今回は総理主催の夕食会は開催されません。その理由について、政治部・千々岩森生官邸キャップは次のように話します。

政治部・千々岩森生官邸キャップ
政治部・千々岩森生官邸キャップ
「これまでの総理大臣がやってきたようなおもてなしを日本側も狙ったと思いますけれども、大事な最後の夜、2日目の夜、何をするかというと、日本にいるのにアメリカ政府が主催して夕食会をやるんです。日本の名だたる企業ですね、トップが集まります。トランプさんが何よりも重視してる日本からアメリカへの投資、貿易、新しい投資を打ち出していく。その場にしたいというのがトランプさんの狙いなんです」

安倍元総理を意識した外交の狙い

 日本への移動中、大統領専用機「エアフォースワン」の中で取材に応じたトランプ大統領。

「エアフォースワン」の中で取材に応じたトランプ大統領
「エアフォースワン」の中で取材に応じたトランプ大統領
トランプ大統領
「高市総理は私の友人、安倍晋三元総理の偉大な盟友で友人だった。日本とアメリカにとって本当に助けになるだろう」

 高市総理と安倍元総理は非常に親しく、考え方も近かったと指摘。このことが、日米にとって有益になると語りました。

 安倍元総理がトランプ大統領と親交を深めるために行っていたことがあります。

安倍元総理がトランプ大統領と親交を深めるために行っていたこと
安倍元総理がトランプ大統領と親交を深めるために行っていたこと

 2016年の大統領選後の会談では、金色のゴルフクラブをプレゼント。翌年、トランプ大統領が初来日した際には、「ドナルドと晋三 同盟をより偉大に」とメッセージが刺繍されたゴルフキャップを贈りました。

“ゴルフ外交”を通じて親密な関係を築いた
“ゴルフ外交”を通じて親密な関係を築いた

 2019年には、青木功氏を交えて千葉でゴルフ。「ゴルフ好き」という共通点を生かし、“ゴルフ外交”を通じて親密な関係を築いていました。

 今回、高市総理は、安倍元総理が生前に使っていたゴルフクラブや、石川県金沢市の金箔を使ったゴルフボールを贈るといいます。

「会う前から人間関係の構築ができているのが実情」
「会う前から人間関係の構築ができているのが実情」

 トランプ大統領と親密だった安倍元総理を意識した外交の狙いとは…。

政治部 千々岩官邸キャップ
「高市総理としては、自分は安倍総理の後継者なんだという立場をぜひともトランプ大統領に分かってもらいたい。高市総理が自民党の総裁選に勝った直後から、『高市早苗さんという人は、あなたの盟友の安倍元総理の後継者ですよ』と、こういう話を日本のアメリカ大使館を通じてホワイトハウスに打ち込む。すでにトランプ大統領の頭の中では、高市総理大臣というのは晋三の後継者なんだと、トランプさんは分かっている。会う前から人間関係の構築ができているのが実情」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年10月28日放送分より)

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