28日、アメリカのトランプ大統領は、日本の経済界トップらを招いた夕食会を開きました。
経済界トップらと夕食会
28日、日米首脳会談で高市早苗総理大臣とトランプ大統領は、「レアアースなどの重要鉱物での協力」と「戦略的投資や関税合意の着実な実施」に関する共同文書に署名しました。
そして28日夜には、この共同文書にある「投資」に関連したアメリカ政府主催の夕食会が開かれました。
50人を超える規模で行われたこの夕食会には、日本側からはトヨタ自動車の豊田章男会長やソフトバンクグループの孫正義会長兼社長をはじめ、商社、金融、航空など80兆円の対米投資に関心を示す企業が集まり、トランプ大統領とともに投資案件の具体化を進める姿勢を強調しました。
夕食会に先立って行われたセレモニーでは大企業のトップを次々と壇上に呼んで、トランプ大統領と握手を交わす場面もありました。
日米が進展をアピールする背景には、投資案件が思うように進んでこなかった現状があるといいます。
7月、日米両国は約80兆円の対米投資枠を設けることで合意しました。ただ、それから3カ月が経過しましたが、現時点で決まった案件はないといいます。
28日に経産省が発表した対米投資先の候補には、「エネルギー」「AI向け電源開発」「AIインフラの強化」「重要鉱物」などが挙げられています。
自動車、農産物の追加購入も
対米投資とは別に、アメリカの自動車や農産品を追加購入する動きも出てきています。国内産業への影響はどうなるのでしょうか。
今年4月、衆議院予算委員会で、当時総理だった石破茂氏がトランプ大統領と電話会談した際、「日本でアメリカの車は1台も走っていないじゃないか」と不満を告げられたといいいます。
今回の日米首脳会談の会場となった迎賓館の前には、日本政府が公用車として購入調整中だという、アメリカ「フォード・モーター」のピックアップトラックと、アメリカの工場でつくって日本に逆輸入した「トヨタ」車が並べられていました。
朝日新聞によると、日本はフォード「F-150」を100台から200台購入する案を検討していると複数の政府関係者が明かしたといい、アメリカからの輸入を増やす姿勢をアピールする狙いもあるといいます。
また、大豆やコメなど農産物の追加購入も議論になっています。
現在、中国がアメリカ産大豆の輸入差し止め措置をとっており、アメリカにとって自国産大豆の販路拡大が喫緊の課題となっていました。そんななか、ラトニック商務長官が赤沢亮正経済再生担当大臣(当時)に、大豆などの追加購入を求めたといいます。
コメについては「ミニマムアクセス米」と呼ばれる無関税での輸入が義務付けられている枠について、年間約77万トンとしていますが、日米関税協議では「ミニマムアクセス米」の枠内で日本がアメリカ産のコメの輸入を大幅に拡大することで合意していました。
28日の日米首脳会談のワーキングランチでは、アメリカ産のコメを使用した料理が代表団に提供されたといいます。
韓国、中国との首脳会談の行方は?
トランプ大統領は29日に韓国で米韓首脳会談を行う予定ですが、韓国との関税交渉は難航しているようです。
28日、トランプ大統領は拉致被害者の家族に「できることはすべてやる」と話していましたが、米朝首脳会談の可能性はあるでしょうか?
トランプ大統領は29日午前11時半すぎに、韓国・釜山に到着しました。この後、李在明大統領と8月末以来2回目となる首脳会談を行います。
また、日本から韓国に向かう機内で記者団から北朝鮮の金正恩総書記と会談を行うか問われたトランプ大統領は「分からない。彼らは会いたがっていると思うし、私も会いたいと思う。でも今は中国に集中したい」と述べたということです。
そして、30日午前に行われる米中首脳会談にに先立ち、25日から26日にかけてマレーシアで、アメリカと中国の閣僚級の貿易協議が行われました。
出席したアメリカのベッセント財務長官はアメリカメディアのABCニュースのインタビューで、中国側がレアアースの輸出規制を1年間延期する代わりに、アメリカは100%の対中関税の発動を見送る方向だと話したといいます。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2025年10月29日放送分より)







