28日、日米首脳会談が行われました。その後、横須賀のアメリカ軍基地を訪れた高市早苗総理大臣は、トランプ大統領から「近しい友人となった」と紹介されました。
そして夜には、トランプ大統領がアメリカ大使公邸に、日本の経済界のトップらを招いて夕食会を開きました。
経済界を代表する経営者 続々とアメリカ大使館へ
28日午後5時半過ぎ、東京・港区のアメリカ大使館前に厳戒態勢のなか現れたのは、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長。信号待ちの間、にっこり笑顔を見せました。
さらに、ユニクロなどを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長、トヨタ自動車の豊田章男会長の姿も。日本経済界を代表する経営者が続々と、アメリカ大使館の中へ入っていきます。
行われていたのは、アメリカ側主催の夕食会。これまでトランプ大統領は来日した際、総理と夕食を共にしていましたが、今回は日本の経済界トップらを招いた夕食会を開催。ただ夕食を共にしたというだけではなく…。
「私たちとは顔見知り、ソフトバンクのマサさん。アメリカでの大規模電力インフラの構築、設計、開発に250億ドル(約3兆7000億円)を投じます」
すでに決まったことかは分かりませんが、日本企業がアメリカで行う投資をラトニック商務長官が発表。その後も次々と…。
「東芝も大規模電力モジュールや変圧器に最大250億ドル(約3兆7000億円)を投じます。三菱電機は発電機、送電網、データセンターなど発電システム設置に300億ドル(約4兆4000億円)を投じる予定です」
トランプ大統領は関税の圧力が功を奏したと、自信満々にアピールしています。
「関税と(去年)11月5日の大統領選挙のおかげだ。関税は大いに効果を発揮した。きょう、総理と署名した歴史的な貿易合意でみんな大儲けして、雇用も生んでもらいたい」
日本企業側の受け止めについて経団連の筒井義信会長は、こう話しました。
互いに安倍元総理について言及
夕食会では、日本からアメリカへの投資を重視する姿勢をみせたトランプ大統領。その一方で、高市総理就任後初めて行われた日米首脳会談は、両首脳と安倍晋三元総理の繋がりを強く印象付けるものでした。
「Mr.President. Welcome back to Japan(大統領 日本におかえりなさい)」
28日午前9時半過ぎ、トランプ大統領を笑顔で出迎えた高市総理。日米両国の国旗の前で行われた写真撮影中、トランプ大統領から話しかけられた高市総理が、トランプ大統領の腕に肩をポンポンと当てるそぶりをし、うれしそうな様子を見せる場面も。
会談は予定より少し遅れて開始。その理由は…。
「開始が遅れまして、失礼いたしました。今トランプ大統領の部屋で野球を見ておりました。1対0でドジャースが勝っています」
ホワイトハウスが公開した写真には、二人が笑顔でテレビを見ている様子が。会談の冒頭では、互いに安倍元総理について言及しました。
「安倍元総理に対する長きにわたる友情に感謝しております。また昨年末に安倍昭恵夫人を歓待いただいたことにも感謝を申し上げます。実は、安倍元総理からはよくトランプ大統領のダイナミックな外交について話を聞いていました」
「安倍晋三元総理は、私にとって非常にすばらしい友人だった。彼は、私たちが会うずっと前から、あなたのことを高く評価していた。だから、あなたが総理に就任したことは、まったく驚きではないし、彼も非常に喜んでいることだろう」
高市総理は、会談にあたりトランプ大統領に松山英樹選手のサイン入りゴルフバック、金色のゴルフボール、そして、安倍元総理が愛用していたパターをプレゼントしました。
「これは安倍昭恵夫人から『晋三が使っていたパターです』と」
トランプ大統領が好きなゴルフ関連のプレゼントで、安倍元総理の“ゴルフ外交”を踏襲した高市総理。
さらに、こんなプレゼントもありました。「ジャパンイズバック」と書かれたキャップです。
「ジャパンイズバック」は高市総理が総裁選で使っていたキャッチフレーズですが、安倍元総理も外交の場で使っていた言葉でした。
「Ladies&Gentlemen Japan is back(みなさん、日本は戻ってきました)」(2013年)
キャップには、両首脳のサインがあります。
この日、トランプ大統領にプレゼントを贈ったのは、高市総理だけではありませんでした。
安倍元総理の妻・昭恵夫人。自身のアート作品をプレゼントしました。
ホワイトハウスの報道官によると、高市総理は会談の際、トランプ大統領をノーベル平和賞に推薦することを表明したといいます。
「タイとカンボジアの停戦に成功し、トランプ大統領はまずアジアの平和に貢献されました。それから先般の中東における合意の実現も、これはかつてない歴史的偉業です」
会談後、両首脳は関税合意を進めることやレアアースなどの重要鉱物での協力に関する文書に署名。その後、北朝鮮による拉致被害者家族と面会しました。
「拉致問題については常に念頭に置いている。なぜならそれは、安倍晋三元総理と始めたことだからだ」
東京・横浜をクルージングするかのように横須賀基地へ
28日午後、最初に予定されていたのは、米軍横須賀基地での大統領演説。高市総理は、トランプ大統領と共に横須賀基地へ向かうため、都内にあるヘリポートへ移動。
窓越しに手を振るトランプ大統領。高市総理が到着したおよそ13分後、ホテルを出てヘリポートへと向かいます。
緊張感が高まる都心上空。閉鎖された高速道路を走る長い黒塗りの車列。周辺の道路は、トランプ大統領の移動に合わせて閉鎖され、厳戒態勢が敷かれていました。
そして、トランプ大統領と高市総理を乗せた「マリーンワン」が離陸しました。その様子は、テレビ朝日本社からも見ることができました。
横須賀基地へ真っすぐ向かうと思われたマリーンワン。しかし、神宮球場と国立競技場の上空を飛び、横須賀基地とは反対方向へ飛んでいきます。
さらに、3機のヘリが連なって飛行するマリーンワン。
そして、トランプ大統領と高市総理を乗せたマリーンワンは、東京・横浜の上空をクルージングするかのように、横須賀基地へと向かっていきました。
マリーンワンは、35分ほどで米軍横須賀基地へ。停泊する原子力空母「ジョージ・ワシントン」に着艦しました。
マリーンワンを降りたトランプ大統領は高市総理の背に手をやり誘導するなど、親密ぶりがうかがえます。さらに演説では、こう話しました。
「彼女こそ勝者だ。“我々は近しい友人”となった。平均株価は史上最高値を更新したということは、私たちがちゃんとやっているという証しだろう」
“近しい友人”と紹介されると高市総理は満面の笑みを浮かべながら拳を突き上げ、聴衆に向けてグッドサインも。
「日本史上初の女性総理大臣だ!」
終始、高市総理は笑顔を見せていました。
トランプ大統領の訪問 大きな期待を寄せる人も
厳戒体制が敷かれるなか、横須賀市民は…。
トランプ大統領の訪問に、大きな期待を寄せる人もいました。
「(Q.横須賀に来るって聞いた時は、『よし』って思いました?)いや、うれしいですよね。横須賀に来ていただけるっていうこと自体がね。そもそも」
「(Q.さらに立ち寄ってくれたらなんて…)本当ですよね。そしたら最高ですよね」
ハンバーガー好きとして知られるトランプ大統領。2017年と2019年に来日した際には、ハンバーガーを食べる姿も話題になりました。
「トランプさんね、ハンバーガーとかお好きだって聞いてますから」
「(Q.もうすぐやってきますけど、期待しますか?)期待してましょう」
米軍横須賀基地近くのハンバーガーショップには、アメリカ歴代大統領の名前がついたハンバーガーがあります。
「トランプバーガー」は、トランプ大統領の辛口発言をトウガラシの一種、ハラペーニョで表現したピリ辛バーガー。見た目もこの通り、トランプ大統領にそっくり!?で大人気です。
今回は横須賀でハンバーガー、サプライズもぐもぐは、あるのでしょうか…。28日午後5時20分ごろ、トランプ大統領を乗せたマリーンワンは横須賀市から離陸しました。
「横須賀に来たんだからね、お声がかかればすぐに作りに行ったんですけど」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年10月29日放送分より)























