経済に力を入れる高市内閣で10日に初会合が開かれる「日本成長戦略本部」では、どのような方向性が示されるのでしょうか。番組では、会議の民間議員に選ばれたキーパーソンを直撃しました。
「企業の貯蓄を戻す」戦略とは
責任ある積極財政を掲げ、一時的に「国の借金」が増えることをいとわない姿勢の高市早苗総理大臣。問われるのは、金の使い方です。
外資系のクレディ・アグリコル証券で、チーフエコノミストを務める会田卓司氏。今、注目されている人物です。
高市総理が経済・財政政策の新たな司令塔と位置づける日本成長戦略本部。この会議の民間議員に先週、抜擢(ばってき)されました。
高市政権で何が変わるのでしょうか。番組が直撃しました。
1990年代のバブル崩壊後、日本経済は低迷し「失われた30年」とも言われてきました。会田氏がこの原因だと見ているのが「企業の貯蓄率」です。
貯蓄率の推移を見ると、1980年代は「マイナス」。つまり企業は借金をして経営している状態でした。しかし1995年を境に「プラス」に転じると、企業は金を使わず、ため込み続ける状況が続いています。
そのため、高市政権では企業が投資したくなる環境づくりを目指すといいます。そのキーワードが「高圧経済」です。
「高圧経済を目指す」戦略とは
会田氏によると、これまでの政権は需要と供給の差を表す「需給ギャップ」がゼロに近づくと、財政や金融を引き締めてきました。しかし、それではその後に景気が悪化してしまい、企業のマインドを変えるところまで至りませんでした。
そこで、高市政権は「需給ギャップ」の需要が2%ほど上回るまで、財政と金融のアクセルを踏み続けることで、企業に投資を促す“ショック療法”を狙うといいます。
「(Q.(日銀は)利上げしている場合ではない?)ゆっくり利上げをしていく必要があると思います。早く利上げしては投資を抑制してしまうので、それは慎むべきだと思います」
ただそうなると、さらなる「円安」や「物価高」を招く可能性があります。しかし、会田氏は日本経済が強かったのはバブル崩壊前の1ドル150円ぐらいのころで、むしろ今の為替レートは心地よい水準だといいます。
そのうえで実質賃金が上がり、生活が楽になるまでは、積極財政で家計を支える必要があるといいます。
会田氏が参加する日本成長戦略会議は、10日に初会合が開かれる予定です。
(「グッド!モーニング」2025年11月10日放送分より)









