先日、参議院議員の泉房穂氏は、会派に属さない議員が、専門分野であっても「特別委員会」に入れないルールについて指摘した。
【映像】「AI得意なのに入れない」安野貴博氏が訴える様子(実際の映像)
「例えば、『チームみらい』の安野貴博代表の場合、特別委員会には所属できない状況『デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会』があるにもかかわらずだ。もったいないことだと私は思う」(泉房穂氏のXより)
こうした国会の運営ルールを変更することはできないのか。『ABEMA Prime』では専門家が解説した。
■会派とは

チームみらいの党首・安野貴博氏は、「今国会からAIに関する特別委員会が始まり、議論に入って貢献したいと思いつつ、チームみらいは1議席政党なので、会派を組むことができない。会派を組むことができない人は、委員会への参加資格がないということになり、そもそも希望も出せない状態になっている。そういう意味で、自分の得意分野に参加できなくて歯がゆい」。
そして「最近になって1人会派の無所属の方々がやや増えてきたっていうこと、あとは求められる専門性も50年前と比べると、どんどん変わってきている中で、徐々に出てきたような問題なんじゃないかなと思う」と語った。
そもそも会派について、泉氏は「実際の国会は政党ではなく、会派で動いている。会派の議員数で質問時間などを割り振る。正式なルールがあるわけじゃなく、法律ではない。先例集に書いてあり、昔からやっていることだ。例えば、会派を結成するには2人以上の議員を要すると書いてある」と説明。
政策研究大学院の教授、増山幹高氏は、「会派は規則でもなんでもないが、100年の議会の歴史の中で、基本的には議員たちみんな自己主張の強い方々だから、そういう人たちが勝手に喋ったりできないように、グルーピングをして運営をしていくことを根本にしようという、先例を積み重ねて今に至る」と補足した。
■現状を変える可能性は?

こうした現状を変える可能性については、「今のところ、会派の活動を規定するのは、極力避けたいのが、議員や議会関係者たちの総合的な理解だと思う。議員の活動を法で縛るのは“けしからん”という考え方だ。議会での議員の活動を縛らないような形で、先例の積み重ねで対応していくのが議会の考え方なんだろうと思う」とした。
(『ABEMA Prime』より)
