高市早苗総理大臣の台湾有事に関する国会答弁に反発する中国が連日、対日批判を繰り広げています。両国の関係が緊迫する中、中国にある日本大使館は17日、現地に住む日本人に対して安全対策を講じるよう注意喚起をしました。
日中交流イベント次々中止
「高市総理は中国人民の感情を深く傷つけ、中日人的交流の雰囲気を深刻に損ねました」
17日も非難を繰り返した中国政府。
「李強首相は日本の指導者と会談する予定はありません」
22日から開催されるG20サミットで、「日中首脳会談の予定はない」と異例の予告を行いました。
李強首相と直接会談し、落としどころを探るプランを描いていた日本側。外交政策に暗雲が立ち込めています。
「汚い首は斬ってやる」とSNSに過激な投稿をした薛剣駐大阪総領事。21日に広島市で予定されていた日中友好行事について中止にすると17日、広島県に連絡を入れました。
影響は民間交流にも。
「(中国側から)やむなくフォーラムおよび世論調査の延期を決定いたしましたと」
日中両国の相互理解を深めることを目的に、2005年から続いていた「東京ー北京フォーラム」が延期になりました。年内に開催されなければ、初めての中止となります。
「尖閣の時の2012年の時をはるかに上回る、強いメッセージがあるんだということを我々は受け止めざるを得ないと思っています」
「安全の確保を」日本大使館
日本への「旅行の自粛」や「留学の検討」を呼びかけるなど、対抗措置を強めている中国政府。
「団体旅行を多く取り扱っていますが、週が明けて日本行きの旅行にかなり多くのキャンセルが出ています。今後、日本向けのプランは、ほぼすべて中止になるでしょう」
中国人観光客が大幅に減った場合の損失について、野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストはこのように話します。
17日夜、中国にある日本大使館は、在留邦人に対し「現地の習慣を尊重し、言動や態度に注意する」ことや「大勢の人が集まる広場や多くの日本人が利用すると思われやすい場所は可能な限り避ける」など、安全確保に努めるよう呼びかけました。
外務省幹部中国側と会談へ
先月末の習近平主席との会談からわずか3週間で、誰がこれほどまでに日中関係が悪化すると想像できたでしょうか。
事態の沈静化を図るべく、外務省の幹部が17日、北京に到着しました。
「(Q.一言頂けないでしょうか)…」
金井局長は18日、中国外務省の幹部と会談する予定で、高市総理の答弁について「これまでの日本政府の立場を変えるものではない」と伝えたうえで、大阪総領事のSNS投稿について、抗議するものとみられます。
(「グッド!モーニング」2025年11月18日放送分より)









