高市早苗総理の台湾有事にまつわる答弁で日中関係が悪化した。
中国のSNSで投稿された動画は「火遊びをする者はいずれやけどする」というメッセージと共に、爆弾を持った高市総理に似せた女性が船から落ちるというもの。また、高市総理を名指しし、爆薬の上に座ってマッチに火をつける画像も拡散された。さらに、中国国営メディア「新華社通信」のサイトでも「軍国主義」と書かれた亡霊と握手をする高市総理の風刺画や、鏡に映る軍服姿の高市総理など、風刺画を次々と掲載した。
高市総理の答弁に対して、薛剣(せつけん)駐大阪総領事はSNSで「その汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない(※現在は削除)」と批判した。
中国政府は、日本への渡航自粛を呼びかけ、日本産水産物の輸入を事実上停止した。この措置は日本国内に影響を与えている。丸ウロコ三和水産の山崎和也社長は「輸出の再登録など準備を進めていた。今の状態は逆戻りになる。今後は中国に対する販売は、少なくみて仕事を進めるしかない」と語った。
一方、中国では日本からのホタテを待ち望む声も。日本料理店「東也」店主の谷岡一幸さんは「ホタテを皆さんに届けたいと心待ちにしていたが、取引先からは日本に返されてしまったと聞いた。我々にとっては、来年事業を継続できるかどうか死活問題」とその苦境を明かした。
日本側は、事態の沈静化を図るべく、日本外務省アジア大洋州局の金井正彰局長を北京に派遣した。しかし、ここでも問題が起きた。『両手をポケットに入れ、激怒している中国側に対して謝る日本側』に見えるシーンが拡散。中国のSNS では「舎弟が組長に挨拶しているみたい」「大国の風格があって、かっこいいですね」といったコメントが見受けられた。実はこれ、日本の局長が通訳に耳を傾けたとされる場面で、日中間での調整がないまま撮影されたものだという。
また、中国からの渡航自粛受け、日本の観光業にも打撃を与えている。以前ABEMA的ニュースショーで取材した大阪・西成で民泊を経営する大阪華商会の林伝竜オーナーは「600件くらいキャンセルされました。99%中国人です」と語る。さらに、「こんなに大勢の中国人が来なかったら、もう旅館業がみんな困っている。誰が悪いか良いか、僕は判断できない。政治の話は何も言えないけど、ただ(日中)仲良ししてほしい」と日中関係の改善を願った。
高市総理は(21日)、日中関係に関し「戦略的互恵関係の包括的推進という大きな方向性を確認した。こうした考えに一切変わりはございません。政府の立場は一貫している」と語った。
これに対し中国外務省の毛寧(もうねい)報道局長は「日本が戦略的互恵関係の発展を望むなら、誤った発言を直ちに撤回すべきだ」と反応している。
今後、レアアースの輸出禁止など中国のさらなる対抗措置への懸念が広がっている。しかし、問題の発言以降も高市内閣は高い支持率を維持しており、国民は高市総理の勇ましい強硬姿勢を支持しているようにも見える。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
