政治とカネ「そんなことより」定数削減？　高市総理発言を野党追及　上限超える寄付も

　3日、国会では高市早苗総理大臣と小泉進次郎防衛大臣がそれぞれ代表を務める政党支部に上限を超える寄付があったことを野党が追及しました。また、高市総理は党首討論での「そんなことより議員定数の削減」と発言したことについて釈明しました。

政党支部に上限超える1000万円寄付

高市早苗総理大臣

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高市総理
「いずれかがより大切であるというような、優先度合いを示す趣旨でないことは言うまでもございません」

　3日の国会で、高市総理の発言に大きなヤジが飛びます。

　発端は、2024年分の政治資金収支報告書。高市総理と小泉防衛大臣がそれぞれ代表を務める自民党の政党支部が、750万円しか寄付できない企業から1000万円の寄付を受けていました。

2024年分の政治資金収支報告書

立憲民主党　吉田忠智参院議員
「そもそも政党支部を通じて、事実上一議員が一企業から1000万円もの献金を受けることについて、どのように受けとめていらっしゃいますか？」

「不適切であるとは考えておりません」

高市総理
「政党支部は政党の支部として、政党の政策の周知を図るなど政党活動の一翼を担うとともに、政治資金規正法に基づき規約等を策定し、その定めるところに従って団体として活動するものと認識をしております。このように政党支部は議員個人とは異なる別の主体であり、そのような政党支部を支持する企業団体から寄付を受けること自体が不適切であるとは考えておりません」

小泉防衛大臣
「政党支部は議員個人とは明らかに異なる別の主体であって、その政党支部を支持する企業・団体から寄付を受けること自体が不適切であるとは考えておりません。大切なことは献金を受け取った議員や政党支部が、国民の皆様に対する説明責任をしっかりと果たしたうえで、個々の政治活動に全力を尽くすことだと考えております」

「何が説明責任果たすだよ」

　政治資金規正法で寄付の上限は企業の資本金額などによって決められていて、2社の上限は750万円でした。

政治資金規正法

　高市総理の事務所は“企業規模を誤認した”、小泉防衛大臣は“企業の資本金額を知らなかった”として共に上限を超えた250万円分は返金しています。

「そんなことより」定数削減？野党追及

　また浮上した「政治とカネ」の問題。先月26日の党首討論でも…。

立憲民主党　野田佳彦代表

立憲民主党　野田佳彦代表
「（石破前総理は）自民党の政党支部のいわゆる企業・団体献金の実態を解明するように指示をされたそうだが、それ今どうなっていますか？」

高市総理
「企業・団体献金のあり方につきましては、自民党はどちらかといえば草の根活動を支える事業者に支えられていることが多くございます。労働組合に支えられている政党もありましょう。それぞれに政党の有り様、成り立ちが違う。そういうことでございます」

野田代表
「いつまで実態も把握できないような政党支部が、私は企業・団体献金など受け取るべきではないと改めて思います」

「そんなことより」という発言

高市総理
「支部の数、そして実情の調査を行っていますが、それを御党にお示しするという約束であるとは思っておりません。これは党内の議論でしっかり役に立てるということで、本日、新たな決定をしたわけでございます。そんなことよりも、ぜひ野田（元）総理、定数削減やりましょうよ。これは私の心残りでございます」

　この時に高市総理が発した「そんなことより」という発言が「国民から政治改革を軽視しているのではないかと批判されている」と追及されると…。

立憲民主党　吉田忠智参院議員

吉田議員
「裏金問題の解決より、議員定数削減の方が大切なのか？」

「急いで話題を転換する際に申し上げたもの」

高市総理
「ご指摘の私の発言ですが、党首討論の残り時間がなくなるという寸前の時に、どうしてもひと言でも申し上げたかった定数削減の問題に、急いで話題を転換する際に申し上げたものでございます。私にとりまして、国民の皆様に信頼されるような政治資金のあり方を追求することと、身を切る改革である議員定数削減を追求することは、どちらも大切なことであり、いずれかがより大切であるというような優先度合いを示す趣旨でないことは、言うまでもございません」

　ただ、議員定数の削減の議論はハイペースで進んでいます。