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2025年12月16日 16:00

“ブラック霞が関” 国会答弁作成が「一番の負担」高市政権の官僚の働き方に変化は?

“ブラック霞が関” 国会答弁作成が「一番の負担」高市政権の官僚の働き方に変化は?
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2025年の『新語・流行語大賞』に高市総理の「働いて働いて…」という発言が年間大賞に選ばれ、総理周辺の働き方が注目されています。

国会を支える官僚たちの働き方は長時間労働などで『ブラック霞が関』とも言われていますが、高市政権になってどんな変化があったのか見ていきます。

■“ブラック”要因は『答弁作成』 高市総理に届ける独自ルール

高市総理の言葉が流行語に選ばれました。

働いて 働いて 働いて 働いて 働いてまいります

10月4日、自民党総裁に選ばれた後の演説での言葉が、新語・流行語の年間大賞に選ばれました。

働き方が話題になったこともあります。

午前3時に公邸入りして、その日の予算委員会に向けた勉強会を行いました。

一方で、高市総理は日曜日に集まった報道陣に向けて、
皆様の方は、ワーク・ライフ・バランスを大事になさってください」と声をかけました。

この言葉に不安を感じた人もいます。

内閣府、30代の官僚です。
『皆様』に自分達が含まれているのか?と思った」

官僚が“ブラック”と言われる要因についてです。

官僚の業務についてです。

20代の官僚は、
一番大きな負担なのは国会の答弁作成」だと言います。

答弁作成の流れです。
国会での質問は、議員から省庁側に事前通告されます。
事前通告された質問に対する大臣等の答弁資料を官僚が作成します。
複数の上司に決裁をとり完成させますが、終電以降になることも多いといいます。

その後、内容について官僚が答弁する大臣等へレクチャーします。
資料が完成してから数時間後の、翌朝に行われることもあるといいます。

高市総理の答弁資料の場合、官邸関係者によると、
「午前3時に公邸入りして物議をかもしたこともあり、高市総理は宿舎で作業することが増えた。そのため官僚は、夜、宿舎に資料を持っていく」ということです。

高市総理に資料を届ける際のルールです。

ボックスに資料を入れた合図として、インターホンを鳴らすといいます。
ある官僚が午前3時に届けた時には、高市総理は起きていたといいます。

変わった点、変わらない点について、官邸関係者です。
 「高市総理は自分で資料を読み込むタイプで、本当に必要なポイントだけ秘書官が総理の耳に入れる。レクが少ないので官僚側の負担は軽い。それでも『日付が変わる前に帰れればラッキー』程度
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■答弁作成で『100%タクシー帰宅』官僚の実態

農水省の若手官僚の実際の生活です。

国会答弁を担当するとほぼ100%終電後にタクシーで帰ることになり、翌朝は、午前9時半には出勤するということです。

12月15日の午前1時半ごろです。
官僚たちが働く霞が関のビルは、複数の部屋に明かりがついていました。

各省庁のタクシー代の年間支出です。
防衛省は2億4730万円。
財務省は2億399万円。

内閣府の20代の官僚です。
日によっては朝6時くらいまで答弁の準備が終わらないことがある。答弁の作成完了が深夜になるとそこから印刷や資料組みなどで、量によってはプラス1〜2時間はかかってしまう」
背景について、農水省の若手官僚です。
「答弁を完成まで持っていくことが一番大変。ちょっとした表現の違いで伝わり方が変わるから細かい所までチェックが入る。多くの上司に見せないといけない

結果、“ブラック”な労働環境になってしまいます。

内閣府の30代官僚です。
「残業が常態化して家事・子育てに参加できず、家庭の理解が得づらい。個人のプライベートな時間はないことを前提として、仕事と家庭・子育てのどちらかを犠牲にしないといけない状況

年間の超過勤務時間です。

2024年は376時間。
2023年は382時間でした。

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■進む官僚離れ『働き方』『待遇』理由に相次ぐ早期退職 ・転職

官僚離れが進んでいます。

採用10年未満の国家公務員総合職、いわゆる『キャリア官僚』の年間退職者です。
2014年度は66人でしたが、
2023年度は203人と過去最多となりました。
10年で3倍強となっています。

官僚の人気転職先です。

転職支援サービスのエリートネットワークによると、
1位は、日本のシンクタンク・調査会社。
2位は、日本の金融機関。
3位は、財閥系事業会社の本社管理部門。
4位は、プライム市場に上場する事業会社。
5位は、外資系を含むコンサルティング会社です。

転職する理由です。1つ目は『働き方』です。

霞が関で勤務し、キャリア官僚だった男性は、シンクタンクに転職しました。

男性は、
「深夜早朝に及ぶ答弁作成作業などの国会対応、部署間での仕事の押し付け合い、その他、膨大な雑務への対応など目の前の本質的でない『作業』で手一杯となり、若手職員には勉強や政策を考える時間などほとんどない」といいます。

転職する理由です。2つ目は『異動』です。

霞が関で勤務し、キャリア官僚だった女性は、インターネットインフラサービス企業へ転職しました。

女性です。
「定期異動であらゆる部署を転々とする。仕事を通じて、自分の中に蓄積していける専門性がないことに危機感を覚えた

転職する理由です。3つ目は『待遇』です。

霞が関に勤務するキャリア官僚の男性は、石油開発企業へ転職しました。

男性です。
「中央省庁での勤務は家族との時間やプライベートを犠牲にする働き方を強いられる場面が少なからずある。一方で給与を含めた待遇面が見合っていないと感じていた

早期の退職を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。

元・経産省の官僚で、官僚時代に新しい霞ヶ関を創る若手の会を立ち上げた朝比奈一郎さんです。
調整業務を極力減らしてリサーチなど政策立案に使う時間を増やし、専門性を重視した育成を進めることで官僚の仕事の魅力も高まる」
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■若手官僚 脱ブラックへ提言 2年たった現状は…

2023年、若手官僚の有志らは国家公務員の働き方をめぐって、国会業務の効率化を求める提言書を当時の河野国家公務員制度担当大臣に提出しました。

なぜ提言をしたのでしょうか。
職員の離職防止・負担軽減とともに、業務効率化により捻出できたリソースを喫緊の社会課題解決に向けた政策立案・遂行に充てるべき』ということです。

提言の内容です。
・委員会の開催日程の決定早期化、
・質問通告等におけるファックスの利用撤廃、及びペーパーレス化の促進、
・議員事務所とのやりとりにおけるオンラインツールの積極的活用
などです。

提言から2年がたった現状について、若手官僚の有志で現役官僚の占部昭裕さんに聞きました。
「全体的に大きく改善している。ファックスもメールでのやりとりが増え、オンラインレクも増えた」

(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年12月15日放送分より)

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