政治

ABEMA TIMES

2025年12月25日 07:00

高市総理が他党党首らを“翻弄”…「真の敵」は身内にあり?安倍元総理の教訓と核保有発言の波紋

高市総理が他党党首らを“翻弄”…「真の敵」は身内にあり?安倍元総理の教訓と核保有発言の波紋
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 日本初の女性宰相が、変幻自在に他党の党首たちを転がしているかのようだ。         

【映像】維新カラーの服装でアピールした高市総理(実際の映像)

 12月18日、その2日前に経済対策をうたった補正予算を成立させた高市早苗総理は、国民民主党の玉木雄一郎代表と向き合っていた。国民民主党が訴えてきた「年収の壁」178万円への引き上げで合意したと報じられた。

 そのわずか2日前の16日、国会内で向き合った相手は日本維新の会の吉村洋文代表。維新のイメージカラーである緑色がかったジャケット姿で、高市総理は吉村氏に「イヤリングも緑色よ」とアピールしたという。しかも総理官邸ではなく、総理自ら国会内の維新の控室に足を運ぶという誠意を見せた。しかし、議員定数の削減など維新の看板政策には「ゼロ回答」だった。

 総裁選で熾烈な権力争いを制したあと、長年のパートナー公明党が「電撃離婚」。圧倒的な少数与党に陥った。そんな高市氏に抱きつき、一気に総理大臣に押し上げたのは他ならぬ維新だった。連立交渉はわずか2週間弱。26年前の自民と公明の連立交渉は、その準備に1年近くを費やしたと言われる。それに比べると超スピード結婚だった。

 「与党入りして政策実現を」そんな狙いから与党入りした維新は看板政策を先送りされたあげく、反対していたはずの防衛増税では自民税調に迫られ、賛成に転じた。維新の幹部は「看板政策を先送りされて、防衛増税では賛成に回る。何のための連立政権入りだったのか。与党は辛いよ」と肩を落とす。大阪府議団などの大阪組はもっと辛辣だ。「うちの国会議員は子どもの使いか。何も約束守ってもらえないなら連立離脱かましてさっさと野党に戻ればいい」。

 吉村代表は大阪府知事という立場で国会議員に首切りを迫る定数削減を訴えても、自民のベテランたちには通じない。「なんでお前に言われないといけないんだ。国会関係ないやん」(自民党議員の大臣経験者)

 しかし、いまのところ高支持率をキープする高市総理から離れることもできず、まさに踏まれてもついていく「下駄の雪」になりつつある。

 そんな状況を見極めたのか、国民民主党に急接近した。年収の壁で「一緒に関所を超えましょう」と呼びかけてきた玉木代表にほぼ満額回答した形を見せた。そんな中、玉木代表は自身のYouTubeチャンネルで「ついに三党合意コンプリート!」とはしゃいでみせた。

 確かに、額面では178万円だ。石破政権ではいわゆる「103万円の壁」を見直し、控除の拡充によって条件付きで最大160万円相当まで非課税となる仕組みを導入。しかし同時に所得制限を5段階に区切ったことで、最大の恩恵が受けられるのは年収200万円以下の層に限られ、対象はごく一部にとどまるとされた。それが今回の合意で665万円以下までなら満額178万円分を控除されるため、政府は給与所得者の8割をカバーすると説明する。

 財務省内には「(自民は)ベタ折れだ。他にもガソリン暫定税率の廃止、高等教育無償化、公立小学校の給食費無償化など、さすがにこれだけ大盤振る舞いばかり続けていたら、いつマーケットから財政に警告が出されても不思議ではない」という意見がある。ただ、財源は6500億円と「大盤振る舞い」にしてはそれほど巨額でもない。当初は178万円にまで引き上げたら、財源は7兆円とも8兆円ともいう試算があったほどだ。7〜8兆円ならば国税収の10分の1に迫る超大型減税だが、結果は6500億円だった。

 これは、同じ178万円でも裏があった。所得税を中心に控除を拡充する一方で、住民税の制度は大きく見直さないことで、名目上は178万円に相当する水準となったが、税収の影響は一定程度に抑えられた。

 財務省幹部は「まさに肉を切らせて骨を断つって感じだな。6500億円なら想定内だ」とつぶやく。今回の年収の壁の合意は2年間の時限措置であるため、減税には恒久財源も必要ではない。むしろ玉木代表が「政権との協力は新たなステージに入る」と言って、来年度予算への賛成もほぼ確約したことが、参院で6議席足りない少数与党の高市総理にとっては、とてつもなく大きい。

 野党分断にも成功し、来年の予算案への賛成まで国民民主と握った高市総理が次に見据えるのは、来年春以降に噂される衆院解散だろう。果たして、それまで今の支持率は保てるのか。

 戦後、最長政権にして高市総理が尊敬する安倍晋三元総理は生前、「自民党の総理・総裁が倒されるとしたら、それは野党ではない。自民党内部の権力闘争だ」という趣旨の発言をしていた。

 18日、「日本も核保有をするべきだ」という政府高官のオフレコ発言が飛び出した。安倍官邸は失言をした大臣や副大臣はすぐに更迭した。危機管理を担った菅官房長官が、メディアなどで報じられるダメージを最小限にするために、ささいに見えるような発言でも失言とあれば、素早い決断で更迭してダメージの最小化をはかった。高市総理は、予想される荒波をどう操縦するのか。

 「一寸先は闇」の永田町。本当の脅威や問題は外部にはない。まさに「敵は身内にあり」という1年が幕を開ける。

(『ABEMA的なニュースショー』より)

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