SF作家、起業家、ソフトエンジニアといった多彩な顔を持つ安野貴博氏。今夏に行われた参議院選挙の比例区で当選、参議院議員になった。2024年に出馬した都知事選のころから、AIを活用した選挙戦が注目され、国会議員になった今でも「テクノロジー通じて未来を考える」をこと軸に、多忙な日々を過ごしている。「ABEMA Prime」では、そんな安野氏の日々に密着した。
■永田町に持ち込まれた新風

2025年12月、臨時国会会期中の参議院議員会館。安野氏の事務所は、他の議員の部屋にはない特徴を備えていた。自身の執務室には土足厳禁の緑のスペースが広がり、打ち合わせの部屋にはホワイトボードやディスプレイが並ぶ。「ディスプレイを見ながら、みんなでしゃべったりオンラインの大規模な会議をやったり。ホワイトボードでいろいろ書きながらやったり。スタートアップ(企業)的な空間を永田町に持ち込もうコンセプト」と、雰囲気づくりから始めている。
朝早くからミーティングをこなし、正午を過ぎてもランチの時間は取れない。巨大なクッションに座りながら、パソコンを手にオンラインミーティングを続ける。 そこで議論されているのは、自身がリリースした「みらい議会」についてだ。
「これは国会でどんな法案が検討されているのか、分かりやすく伝えるためのプラットフォーム。法改正のポイントは、いい意見、反対意見、賛成意見、それぞれどういうものが出ているのか。そしてチームみらいのスタンス、賛成なのか反対なのかをまとめている」。
党の代表として国会、委員会では質問に立つことも出てきた。所属する総務委員会で質問に立つことになったが、今回、「チームみらい」に与えられた質疑の持ち時間はわずか10分。この短い時間をいかに有効に使うか、チーム全員で考え抜く。
「国会議員の仕事は、質疑に立ち、何か質問によって物事を動かすっていうのが役割、できること。きちんと与えられた10分をいかに上手く使って世の中前進させていくか」。
また、デジタル技術の活用だけでなく、それに関わる人間への配慮も忘れない。週明けの委員会に向けた「質問通告」について方針を設けている。
「質問通告が遅くなってしまうことによって、省庁の方の残業であるとか、そこに負荷が集中してしまうことが起きる。営業日2日前の5時、そこまでには送るようにしようと思っている」。
ある日行われた「AIと民主主義に関する勉強会」。与野党が、党派を超えて中堅、若手議員が集まるもので、安野氏が平将明前デジタル大臣に持ちかけて発足したものだ。デジタル技術を活用して国会運営を効率化できないかなどがテーマで、ここでも安野氏は影響力を発揮している。
メンバーの一人である立憲民主党・中谷一馬衆議院議員も一目置く。「極めて心強い。超党派、みなさんとのコミュニケーションをチームみらいの方は大事にしている。みんなと深くコミュニケーションを取りながら、建設的な議論ができる環境が整っている」。
■激動のスケジュールと、変わらぬ信念

安野氏の日常は、まさに分刻みだ。超党派の勉強会に向かうために走って移動し、夜はYouTubeの撮影やテレビ収録が控える。「1日中休みという日はほとんどない」という。なぜそこまで働けるのか。
「(働くことが)割と楽しいタイプ。スタートアップをやっていた時も当然忙しかったし、昔働いてた時も別に休みもあるようでないみたいなものがずっと続いていた。そこはそんなに変わっていない」。
職種は変わっても多忙さは変わらない。その中で、テクノロジーを使って何かに挑もうとする姿勢も変わらない。
「あまり職業のラベルで、このラベルをこうしたいというものはないが、その一方でずっとやってきていることは、テクノロジーを通じて何らかの問題解決すること。ソフトウェアエンジニアもそうだし、起業家としても、実はSF作家としてもやってきたこともそんな変わっていない。テクノロジー通じて未来を考えること自体はそんなに変わらずやっていく」。
ある日、総務委員会での質疑を終えた安野氏は、事務所に戻るとコンビニのカップラーメンをすすりながら、すぐさま次の打ち合わせや来客対応に追われていた。その後、自らの質疑を自ら実況解説するYouTube動画の撮影を開始する。そこまでして、政治家は多忙な日々を送ってまで務めるものなのか。
「我々は基本的に有権者からの評価が成績表。本当にどれだけ成果を出してるのかは有権者の方の判断。真摯にどういう風に捉えられてるのかは見ながら頑張っていきたいなと思いますね。2026年もたぶん、結構激動の年だと思う。それは世界情勢もそうだし、AIの進歩もリアル経済にヒットしてくる。その中でチームみらいができることも間違いなくたくさんある。そこを全力でやりたい」。 (『ABEMA Prime』より)
