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2026年1月20日 02:45

食品消費税「恒久的にゼロ」『中道』基本政策発表 安保法制“合憲”立憲は方針転換?

食品消費税「恒久的にゼロ」『中道』基本政策発表 安保法制“合憲”立憲は方針転換?
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立憲・公明の両党が結成した新党『中道改革連合』が、基本政策を発表しました。打ち出したのは“食料品の消費税ゼロ”でした。

立憲民主党 本庄知史政調会長
「しっかり財源を確保したうえで、食料品の消費税ゼロや社会保険料負担の低減を実行してまいります」
公明党 岡本三成政調会長
「恒久的にゼロにしていきたいと思っています」

この週末には、高市総理も選挙公約にすることを検討していると明らかになりました。

安住幹事長
立憲民主党 安住淳幹事長
「皮肉を交えて言うと、(新党を)気にしてくれていたんだなと」

ただ、安保法制をめぐり、隔たりのあった立憲・公明。発表した政策では「存立危機事態における自衛のための自衛権行使は合憲」としました。

立憲民主党 安住淳幹事長
「最終的な解を見いだすために、私どもと公明党で、あらん限りの英知を絞って、世界中の国際法や安全保障関連法を調べました。日本の防衛のためという定義がしっかりしてれば、お互いの解は解けるという結論に至ったということです」
安保法案成立

賛否両論が渦巻くなか、安保法制が成立した2015年。その翌年、立憲民主党のルーツ・民進党は、安保法制廃止を掲げて野党共闘を始めました。立憲民主党の結党後も選挙協力は続きましたが、実は、安全保障政策について、党の方針を見直すべく、去年から議論が重ねられていました。

共産党からは。

田村委員長
共産党 田村智子委員長
「政策の中身を見てみると、自民・公明、連立政権がやってきたこと。私たちは、自民党政治を終わらせようと呼びかけてきました。その軸がなくなってしまったもとで、選挙の協力なんて話にはならない」

一方で、立憲と同じ連合の支援を受けながら、独自路線を歩む国民民主党。

玉木代表
国民民主党 玉木雄一郎代表
「立憲は立憲。我々は、我々として歩んできたんですけれども、選挙が近づいて、急に、それまである種、政党の背骨のようなところを、他党の政策に合わせるような形で変えていくこと。正直、これまでの経緯を踏まえると、疑問を感じざるをえません」

こうした声に、新党はどう答えるのでしょうか。

逢坂選対委員長
立憲民主党 逢坂誠二選対委員長
「(Q.選挙区によっては、安全保障などへの考え方が近い野党と共闘してきた実績も。今回の選挙、戦い方は大きく変りそうですか)そんなに変わるとは思っていないです。安全保障については、私も非常に現実的な人間ですので、理念・理屈・理論を掲げていても、守れないのであれば十分ではありません。その点は、あんまり戦いがどうこうということは心配していないです。(Q.これまで掲げてきた政策からの路線変更ということで、選挙互助会なのではと、自民党幹事長からの指摘もありますが)路線変更だとは思っていなくて、違憲なところがあれば直すと言っていたわけですから、現状で違憲であるかどうかということを再点検して、『違憲ではない』ということであれば、いままでとは変わらないと思います」

公明側も、結束をアピール。

斉藤代表
公明党 斉藤鉄夫代表
「きのう、爆笑問題の太田光さんが『中道改革連合、暴走族の名前のようだね』と。野田さんと私、革ジャンを着て、暴走族のように全国を走り回り、多くの方の賛同を得たいと、決意をしているところです」

対する与党は、批判を強めています。

高市総理
高市総理
「立憲民主党は『憲法違反の部分がある』と言ってこられました。こうした点も選挙戦で議論してまいれたらと思っています」
日本維新の会 吉村洋文代表
「そもそも理念が一致しているのかなと。本当に一致しているのであれば、参議院も地方議会も、同じ政党にならないと。辻褄が合わないと思います」
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◆山本志門政治部長に聞きます。

高市総理が見直しに言及した“ 消費税率”について、各党の姿勢を見てみます。

消費税について

自民党ですが、高市総理は会見で『飲食料品は2年間、消費税の対象としない』ことの検討を加速すると表明しました。日本維新の会も連立政権合意書で、同じ政策を掲げています。基本政策を発表した中道改革連合も『食料品の消費税を恒久的にゼロにする』としています。そのほかの党は、去年の参院選の公約などを参考にしたものです。国民民主党は『時限的に一律5%』。れいわ新選組は『消費税を廃止』。共産党は『消費税を一律5% その後、廃止』。参政党は『段階的に廃止』。日本(にっぽん)保守党は『食料品の消費税を恒久的に0%』。社民党は『即時、食料品の消費税を0%』。チームみらいは『消費税減税に慎重』としています。

(Q.与野党のほとんどが、消費税減税で足並みを揃えつつある。この現象は、どう見ていますか)

山本志門政治部長
「高市総理は会見で、食料品の消費税ゼロについて、『悲願でもあった』と語っていました。そうであったけども、現実に政権を担ううえで財源の問題、党内の調整、いろいろな現実に直面して封印していたわけなんです。 悲願という言葉にそういった思いがにじみ出ていると思います。そうしたなかで『中道』という新党が誕生して、食料品の税率ゼロを訴えてきた。そのほかも、ほとんどの党が消費税減税・廃止を訴えています。この流れに、自民党だけ乗り遅れるわけにはいかないと。これ“焦り”の裏返しの側面も透けて見えます」

(Q.微妙な言い方でしたよね)

山本志門政治部長
「かなり微妙だったと思います。決意を示したかといえば、『実現に向けて検討を加速する』と言っていまして、永田町用語でいえば、やるともやらないともハッキリしない、あいまいさも感じるんです。やはり“年5兆円”ともいわれる財源をハッキリしないと、国の財政不安をマーケットから突きつけられかねない。そういったことを政権内では、懸念しているからなんです。例えば、さらなる円安や長期金利上昇も予想されるなかで、さらなる物価高、そして、住宅ローンの金利上昇にもつながる可能性もあるだけに、 国民にとってみれば、食料品が安くなったとしても、全体的に見て、良くなった実感が乏しくなる可能性もあります。そういう状況になれば、消費税を減税する意味が全くなくなってしまうわけなんです。実際にできるかどうか、政権与党の責任として、逡巡しているような状況だといえます。各党が程度の差はあれ、同様の政策を掲げていますから、財源をどういうふうに示すのか、しっかり見ていかなければいけないと思います」

(Q.高市総理が示した勝敗ラインは“与党で過半数”と、かなり控えめな印象ですが、どうですか)

衆議院定数
山本志門政治部長
「そうだと思います。与党で過半数というのは、最も低い勝敗ラインだと思います。背景には、中道という新党ができたこと。公明票が完全に立憲に乗るかどうかという点については、いろいろ見方は分かれますが、自民党内には、危機感が強まってもいます。高市総理が言う“与党で過半数”のラインは、そうした空気感などを反映しているんだと思います。もし、与党で過半数というラインで、ギリギリで勝ったとしても、自民党内には『何のための解散なのか』と、これまでの不満が噴出してくる可能性もあります。選挙を通じて、政権のお墨付きを得たといえるかもしれませんが、予算案に協力的だった国民民主とも、現状、距離感が生まれています。『解散前より状況が後退したのでは』という批判も出かねません。これは、そのまま高市政権の体力の低下、政権基盤が弱体化にもつながる恐れがあります。まさに、“与党で過半数”というライン以上に、どこまで勝ち切らなければいけないか。高市総理の頭の中には、“自民党だけで過半数”。こういったことを意識されていると思います」

(Q.公明党と新党『中道』を結成した立憲民主党ですが、これまで安保法制には『違憲部分の廃止』を訴えてきました。それが今回の新党では“合憲”という言葉を明記しました。これは選挙にどんな影響を与えますか)

安全保障法制
山本志門政治部長
「立憲内のリベラル勢力の中には『安保法制には違憲部分がある』との主張があった一方で、執行部サイドは、政権政党になるためには、現実路線の政策に寄せたいという思いも強かったんです。今回、突然の解散となって、公明党との新党を急ピッチで整えなければいけないという過程のなかで、なし崩し的に主張を降ろしたということは否めないと思います。強くこだわっていたベテラン議員も『このままでは、高市総理の一人勝ちを許すことになる。急ごしらえだが、真ん中に大きな塊を作らなければいけなかった』と説明しています。そういう意味では、これまでのこだわりというものは、何だったのか。ここは疑問に感じざるを得ません」

(Q.新党『中道』が一大勢力となって、将来的な政界再編の原動力になっていく可能性はありますか)

山本志門政治部長
「保守を掲げる与党に対して、いわゆる『中道』の広く受け皿になる可能性もあると思います。まず、念頭においているのは、国民民主です。現在は、新党とは距離をとっていますが、仮に今後、国民民主が合流することになれば、中道がより勢力を広げることになると思います。 加えて、自民党のリベラル勢力、例えば、石破元総理。こういった塊も、今後、巻き込んでいきたい考えです。ただ、すべては、選挙の結果次第だと思います。結果を踏まえ、少数政党が、どちらにつくのか、つかないのか。駆け引きが活発化することも予想されますので、選挙後も構図が固まるまでは、さまざまな動きが出てくると思います」
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