高市早苗総理大臣は通常国会召集日となる23日、衆議院を解散する。各党の安全保障政策が注目されている。
中立結党で安保論争に変化
まずは、安全保障政策に関して見ていく。
第2次安倍政権時に「存立危機事態」と政府が認定すれば、自衛隊が集団的自衛権、つまり他国が武力攻撃を受けた際、攻撃を受けていない第三国が共同で防衛にあたる権利を行使できるとした。
立憲民主党はこれまでどの部分か明示はしていないが、安保法制の「違憲部分の廃止」を訴えてきた。
それが、立憲と公明が連携した新党「中道改革連合」の結党にあたり、基本政策に「存立危機事態における自国防衛のための自衛権行使は合憲」と明記された。朝日新聞はこの動きについて、立憲は公明との歩調を合わせるために立場を転換したと伝えている。
なぜ方針転換をしたのかについて、立憲の野田佳彦前代表はこれまでの安保関連法の運用で「違憲部分は発生しなかった」と主張している。
非核三原則の見直しも視野に?
こうした中、自民党の公約では「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の日本の外交・防衛などの戦略的指針などが明記されている安保関連3文書を前倒しで改定することが盛り込まれた。
では、前倒ししてまで何を変えるのだろうか。
自民党の選挙公約を見てみると、防衛装備移転三原則の運用指針の5類型を撤廃とある。5類型とは、武器輸出を救難・輸送・警戒・監視・掃海の目的に限定する運用指針。
では「5類型」を撤廃するとどうなるのか。
朝日新聞によると、殺傷能力の高い武器輸出が無制限に広がるとの懸念も大きいという。
さらに、3文書改定に伴い議論となっているのが非核三原則の見直し。自民の選挙公約に明記はないが、高市総理は、総理就任前から非核三原則の「持ち込ませず」に懐疑的な立場をとっていて、見直しを持論としている。総理になった後は、議論の現状を説明するにとどめ、明言はしていない。
一方、中道は基本政策に非核三原則の堅持を明記していて、ここが対立軸になるとみられる。
各党の安保政策
各党の安全保障に関する政策をまとめた。
自民と連立を組む日本維新の会は、「戦略3文書を前倒しで改定」としている。
国民民主党は、「日米同盟を堅持・強化しつつ、日本の防衛体制を見直し」としている。
れいわ新選組は、「日米地位協定の改定、『安保3文書』は廃止・撤回」としている。
共産党は、「非核三原則の放棄を許さず、核兵器禁止条約への参加求める」としている。
参政党は、「侵略と攻撃を断固許さない『先手防衛』」としている。
日本保守党は、「憲法9条を改正し、自衛のための実力組織保持明記」としている。
社民党は、「敵基地攻撃能力の保有など断固反対」としている。
チームみらいは、「防衛力は安全保障環境の変化に合わせて適切に変動させる」としている。
自民、外国人ルールの適正化検討
続いて、外国人政策に関して見ていく。
去年の訪日外国人客数は、過去最多の年間約4270万人。在留外国人の数も過去最多の約395万人。この10年で約1.8倍増加と日本に来る外国人は増え続けている。
こうした中、自民党は外国人政策本部を立ち上げ、去年11月に初会合を開いた。また同じ月に高市総理は「一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に、国民が不安や不公平を感じる状況が生じている」とし、ルールや制度の適正化を検討するとした。
では、何をどう変えようとしているのか。
外国人の日本語習得支援などの拡充として、日本語や日本の制度・ルールなどを学習するプログラムの創設。そして、外国人児童が日本語や学習習慣を学べる「プレスクール(仮)」の整備などを自民党は21日に発表した公約に入れている。
文部科学省の調査では、外国人労働者らが通える日本語教室がない地域は全自治体の38.2%に及んでいるという。この地域に住む外国人は約17万人に及び、日本語を学ぶ環境の整備が急務となっている。
また、外国人の土地取得などに関する法的ルールの見直しも検討。去年上半期に、東京23区で新築マンションを取得した人のうち、海外に住所がある人は3.5%で、2024年の1年間と比較して倍増している。
自民党の公約では、外国人による土地取得を巡っては、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロへの対策として実質的な所有者を確認する仕組みを検討するという。国籍情報を含む土地関連台帳のデータベース化や所有者が不明な離島の国有化を目指すことなどが盛り込まれている。
労働者としての重要性増す
一方、労働力としての外国人が必要なのも事実で、生産年齢人口(15〜64歳)の推移を見ると、右肩下がりで今後も減少が続く見込みとなっている。
需要と供給予測のデータを見ると、2040年には外国人労働者が97万人不足するという予測もある。
先月、経団連は「すでに外国人は日本の経済社会を支える一員。外国人材を戦略的に誘致していくことができるかが、日本の成長力や社会の活力を大きく左右する」と指摘している。
各党の外国人政策
各党の外国人政策をまとめた。
維新は、「在留外国人の人口比率に上限を設けることなどを検討」としている。
中道は、番組が問い合わせたところ、「22日の公約発表をご覧ください」という返答だった。
国民は、「外国人土地取得規制法の制定」としている。
れいわは、「外国人の包括的な権利を規定する法律を制定」としている。
共産は、「外国人の人権を保障するため入管法の抜本的改正を求める」としている。
参政は、「移民受け入れより国民の就労と所得上昇を推進」としている。
保守は、「移民政策の抜本的見直し」としている。
社民は、「定住外国人に地方参政権を」としている。
みらいは、「外国人労働者の受け入れ数に一定の制限、受け入れや共生のための教育に力を入れる」としている。
解散から16日後に投開票
選挙日程を確認する。
主な政治日程を見てみると、23日に冒頭解散をしてから、2月8日の投開票まで16日間と戦後最短の選挙期間。16日間で、政策など周知できるのかという懸念も出ている。
(2026年1月22日放送分より)













