2月8日に行われる衆院選に向けて27日に公示され、いよいよ“超短期決戦”とも呼ばれる戦後最短、16日間の選挙戦がスタートした。人口増加率が全国で2位となり多子高齢化が進んでいる東京15区(江東区)からは与野党から合わせて6人の候補者が出た。生活に直結する消費税の減税、社会保険料の削減、さらに増加し続ける子どもの自殺などに対してどう向き合うのか。「ABEMA Prime」の討論会で、各候補者たちがそれぞれの政策を訴えた。
前職で、今回3期目の当選を目指す中道改革連合・酒井なつみ氏。がんや不妊治療の経験をしたことから政界を志し、1児の母でもある。今回は立憲民主党と公明党による新党・中道改革連合からの公認で出馬した。当選した際の目標には「政権交代して厚生労働大臣に」と記した。
「今回の選挙で政権交代の大きなうねりを作っていく。(大臣になって)まず何をやるかと言われれば高額療養費制度の抑制に力を尽くしたい。まずは命に関わらない治療から改革すべき。多額に医療費がかかった場合、入院や手術や抗がん剤、がんや難病など命に関わる治療の断念は家計の破綻が懸念される。改革順序を変えて他のところから手を付けることを検討していきたい。区分調整も必要だ」。
立憲民主党時代の支持者だけでなく、今回は公明党からの支援も受け再選を目指す。これには「野党第1党の立憲民主党に所属していたが、やはり野党でまとまって政権交代を目指してきたからこそ、大きな塊となって今回、衆議院の過半数を超える236人の候補者を擁立できた。先日も応援演説に(公明党に)来ていただいたり、街の中でも公明党の支持者が声をかけてくださった。とても温かい」とも述べた。
日本維新の会・三次ゆりか氏は、前江東区議で衆院選は初挑戦。シングルマザー時代に起業した経験もあり、元参院議員の音喜多駿氏の妻でもある。産後うつを経験、孤独な育児に悩んだことから政治の扉を叩き、3期10年、江東区議を務めてきた。当選した際の目標を「社会保険料を下げる」とした。
「社会保険料を下げるために、具体的には高齢者医療制度の窓口負担を3割にしたい。プラスアルファ、ドラッグストアで買える薬(OTC類似薬)は、ドラッグストアで買ってもらえるようにしたい。今、高市政権になって自民党と維新が連立して少しだけ進んでいるが、もっと前に進めたい。(価格は)民間になれば競争原理が生まれる。各製薬会社の方々に頑張っていただいて、競争原理が働けば(医師からの処方ではなく)OTC類似薬を買っていただけるようになる」。
日本では医師から処方されたものより、薬局で購入する方が3倍や5倍高いといった指摘もある中、アメリカのOTCの類似薬は全体的に安い。この状況には「アメリカとは社会保障制度が全然違うため、医療にかからないためにしっかりセルフメディケーションをしている。窓口負担を上げることによって、みなさんのそういう行動変容も生まれる」と加えた。
国民民主党・深見さあや氏は、11年間会社を経営していたところから、今回の選挙で初めて政界に飛び込もうとしている。2児の母でもあり、企業経営してきた現場感を大切に、よりよい政策を作りたいと意欲を見せる。当選した際の目標は「社会保険料改革」だ。
「中小企業、零細企業が賃上げするときの社会保険料を、賃上げ分の中からその負担を4分の1に下げることを掲げたい。賃上げをしたいけれどもできない中小企業の方々が多い。資金繰りが難しい企業のための政策だ。また減税もしたいが、今騒がれてる食料品の消費税0%、もしくは非課税・免税には反対。消費税は一律5%にして景気を活性化させてから元に戻すなど、経済対策をいろいろやって財源は確保したい」。
初めて経験する選挙戦については「今、自分の身近にある問題を1票では変えられないと思った。一番、自分の政策に合う党が国民民主党で、そこから声をかけてもらったのは何かの縁。すごく未熟だと分かっているが、何かを変えられればと出馬した。みなさん、国民民主党の御旗のおかげかすごく温かい。私みたいに未熟で、政治家になるにはたくさんの学びが必要な者にも、有権者の方からいろいろ教えていただける」と語った。
前回、小選挙区では敗れるも比例で復活、初当選を果たした自民党・大空こうき氏。学生時代からいじめ、ヤングケアラー、自死、貧困などに悩む人々の相談支援窓口を作り、現在の政治活動も引き続きこれらの問題を軸に行っている。当選した際の目標にも、同じく「こどもの自殺対策」と書いた。
「相談支援の中心にやっていくのが自殺対策。亡くなった方の8割から9割ぐらいは未遂の経験があるので、未遂者支援を重点的にしたい。残念ながら、子どもの自殺者数は過去最多に更新されてしまった。コロナ禍前の2019年が339人。2020年が499人。ひとまず今後5年間で、コロナ禍前の数字に戻すのが最低限の目標だ。子どもの自殺イコールいじめと思われがちだが、いじめを原因とする自殺は全体の1%。年間10件もないくらいだが、失恋は40件以上ある。学校の中で問題が起きたら教育委員会が会見を開いたり大事になるが、家庭問題には危機感はあっても行政が立ち入れなかった。ある程度、法的拘束力のある第三者機関というのは地域に必要だと思う」。
実際、家庭に介入するとなれば警察権にも近い法律を作る必要もあるが、その指摘には「今、日本の児童相談所は保護と支援という機能が1つの機関に混在されていて、まずこれを切り分けるということが重要だ。どちらかというと保護の機関というよりも、支援の機関を手厚くしていきたい。既存の保護機関について、それが不足だという立場を私はあまり取らない。家庭に介入はできないが、支援ということになればいろいろなやり方がある。家庭の状況の解像度を上げることも可能だ」とした。
新党である減税日本・ゆうこく連合から立候補した吉野としあき氏は、政治団体・日本誠真会の党首。歯科医師で、精神科病院の理事長、一般病院の理事長、老人ホームの経営などにも携わってきた。当選した際の目標は「食で病気と介護を減らす!!」だ。
「食を正すことでがん患者、糖尿病患者を治す。介護も同じ。病気の成れの果てが介護だ。アメリカのマクガバン・レポートがいい例で、アメリカは1977年から取り組み、15年ほどでがんが減りだした。日本版のマクガバン・レポートを作り、ガイドラインやルールを作る。法律でいえば、一番簡単なのはイギリスが最近作ったもの。朝5時から21時30分まで清涼飲料水、ジャンクフード、お菓子の広告を禁止した。子どもも見なければ食べない」。
小麦(=グルテン)を減らすことによるがんの減少についても触れると「大腸がんは、一番グルテンに感受性が高いがん。これを止めてといったら、製麺会社の社長が『ふざけるな。俺らの商売を壊すのか』と言ってきたが、大腸がんが治り、人工肛門が外せた。米とか大豆、とうもろこしの麺を作れば売り上げも上がるし、ここはブルーオーシャン。10年、20年ぐらい前からヨーロッパやアメリカではだんだん当たり前になっているが、日本は全然入ってきてない。病気が増えているから社会保障費が増えていて、私たちは貧しくなっている」と添えていた。
討論会に欠席した参政党・鈴木かな氏は、医療クリニックの職員。主な政策には「移民受け入れに反対・議員定数削減に反対・日本人ファーストの政治」などを掲げている。
(『ABEMA Prime』より)