国際情勢が混乱する中、衆議院選挙の争点の一つとなっている日本の外交について見ていきます。
■カナダ首相“トランプ批判”「中堅国は結束を」 世界が称賛
カナダのカーニー首相の演説に称賛が広がっています。
「『強者はしたいことをして、弱者はそれを耐え忍ぶ』各国は波風を立てずにやっていくために同調する傾向が強くなっている。迎合することによって安全を買おうとしている」
「“ルールに基づく国際秩序”が部分的に虚構だと知っていた。強大な国は都合の良いときに自らをルールの適用外にする。国際法がどれほど厳格に適用されるかは被害者が誰かによって異なる」
カーニー首相の演説は全体を通して、直接的な名指しはありませんが“トランプ批判”でした。
中堅国同士の連携を呼びかけ、会場は総立ちで拍手となりました。
他国の反応です。世界が称賛しています。
「素晴らしい演説だった。世界秩序の変化と新たなバランスについて深い分析だった」
「我が国も同じ演説をすべきだ。他の中堅国と協力して蛮行に立ち向かうということだ」
トランプ大統領の反応です。
「カナダはアメリカのおかげで存続できていることを忘れるな」としています。
「北極圏の主権問題ではグリーンランドとデンマークを断固として支持し、グリーンランドの未来を決定する独自の権利を全面的に支持する」と発言。
トランプ大統領は、グリーンランド領有に反対する8カ国に追加関税の意向を示していました。
「根本的に容認できない。われわれは威圧より敬意、蛮行より法の支配を望む」
「同盟国に関税を課して分断し、さらに追加関税で脅かすのは筋が通らない」
サッカー・ワールドカップに影響が出る可能性があります。
トランプ大統領の政策に反発し、ワールドカップをボイコットする動きがあります。
ドイツはサッカー連盟の副会長が ワールドカップのボイコットを検討すべきとの考えを示しました。
オランダは オランダ代表にボイコットするように求める嘆願書に15万2000人の署名が集まりました。
■欧州首脳ら続々訪中 中国に急接近 背景に“トランプリスク”
ヨーロッパの首脳らが中国に急接近しています。
1月29日、英中首脳会談が行われました。
イギリス首相が中国を訪問するのは8年ぶりで、大企業のトップらを同行させていて、経済分野の協力強化で一致しました。
「『中国にはチャンスがあり、中国との交流が必然の選択だ』と明言してくれたことを称賛する」
「中国は国際舞台における重要なプレーヤーで、より洗練された関係を築くことが必須となっている」と述べました。
首脳会談で、イギリス人が中国に訪れた際、30日以内のビザ免除を検討することで合意しました。
「英中両国の関係強化は国益にかなうもの。何といっても中国には商機があふれている。世界情勢がどうあろうと、足元では生活費の高騰が国民の最も重要な問題」
ヨーロッパの首脳らが相次いで中国を訪れています。
2025年12月には、フランス・マクロン大統領が、1月には、アイルランド・マーティン首相、カナダ・カーニー首相、フィンランド・オルポ首相が、相次ぎ中国を訪れました。
2月には、ドイツのメルツ首相が中国を訪れる予定です。
トランプ大統領です。
「イギリス首相が訪中し中国とのビジネスに乗り出しているが」と質問されると、トランプ大統領は、
「とても危険な行動だ。カナダの場合はさらに危険だ。中国を“解決策”として見ない方がいい」と述べました。
なぜヨーロッパの首脳らが、続々と訪中するのでしょうか。
「中国が大きな市場だという経済目的が大きい。さらに、トランプ大統領の関税政策が加速化していることもある。中国としては対米関係をにらんでも棚からボタ餅で歓迎だろう」
■高市総理「台湾有事」発言で悪化する日中関係 今後は?
悪化する日中関係についてです。
「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケースである」と発言。
この発言以降、中国は、
・日本への渡航自粛の呼び掛け
・日本産水産物の輸入停止
・レアアースなどの輸出規制
などの措置を行っていて、日中関係は悪化しています。
「(台湾で)大変なことが起きた時に、私たちは台湾にいる日本人や米国人を救いに行かなければいけない。そこで共同行動をとる場合もある。共同で行動を取っているアメリカ軍が攻撃を受けた時に日本が何にもせずに逃げ帰ると日米同盟が潰れる」と発言しました。
「歴史上も法的にも日本側に口を出す資格は一切ない。対立をあおり、再軍備を進め、 戦後国際秩序に挑戦しようとする右翼勢力の野心を露呈した」と批判しました。
中国の大手航空会社3社は、日本行きの航空券を無料キャンセルできる期間を10月まで半年以上延長しました。
中国側の対抗措置が長期化する形となっています。
2025年12月のANN世論調査です。
高市総理の発言に中国が反発を強めているが、これまでの日本政府の対応は?という質問に対して、
評価するが、57%、評価しないが、29%でした。
「日本にとって第一の貿易パートナーが中国。先方は色々な圧力をかけてくるが、過剰反応しないことが大事。また、対中依存度を官民ともに見直すよい機会にする」
■米中接近の可能性?トランプ氏 強硬外交 日本の立場は
トランプ大統領は1月3日、ベネズエラに大規模な軍事攻撃をしました。
「ベネズエラにおける民主主義の回復及び情勢の安定化に向けた外交努力を進めて参ります」とコメント。
アメリカに対する評価を避けた形です。
高市総理は春に訪米を調整中です。
トランプ政権が、国賓待遇とする方向で検討しています。
国賓とは、政府が最も手厚い待遇で招待する外国の賓客です。
国王や大統領ら国家元首、またはそれに準ずる人が対象です。
トランプ大統領は、中国との関係について、2025年10月に米中首脳会談をした後、SNS で、
「G2(ジーツー)会談」と表現しました。
G2会談とは、オバマ政権時代に民間の研究者などが
『米中2カ国で世界を取り仕切り、牽引する』という意味で使用していた言葉です。
アメリカ大統領自身が使用するのは異例です。
2025年11月、「存立危機事態」発言の後に、高市総理とトランプ大統領は電話会談しました。
アメリカメディアは当局者の話として、
『トランプ大統領が高市総理に対して台湾に関する発言のトーンを和らげ、中国を刺激しないように求めた』と報じています。
日本政府は、
「そのような事実はない」と否定しています。
外交安保政策について、日本政府は長らく日米同盟を外交安全政策の機軸としてきましたが、
外務省幹部は、
「米国の関与を前提とした外交の土台が揺らぎつつある」としています。
「日本にとって安全保障の同盟国はアメリカしかいない。経済的にも地政学的にも日米は互いに“脱アメリカ”は難しい。米中関係が近づいても“べったり”にはならないだろうが、急展開の可能性を考えて常にウォッチしなければならない」
■衆院選 争点『日本の外交』 各党の主張は
『外交・安全保障』について、各党の主張です。
「日米同盟を基軸に 『自由で開かれたインド太平洋』を力強く推進」
「中国に対する懸念への毅然とした対応と国益確保を両立させる戦略的互恵関係の構築」
「中国は経済面において互恵的関係の構築に向けて対話を重ねる」
「日米同盟を堅持・強化しつつも、アメリカに過度に依存し過ぎている日本の防衛体制を見直す」
「“アメリカいいなり”外交から自主的平和的外交に切り替える」
「アメリカの命令で動くのではなく経済成長と平和外交で国民経済を豊かにする」
公約は未発表。
ゆうこく連合としては、
「反グローバリズムの旗を掲げ、真の独立国にふさわしい主権外交」
「『グローバリズム全体主義』に対抗して『自由社会を守る国民国家』を実現させる
「自由、民主主義、法の支配という価値を共有する国々との外交を深化」
「憲法9条に基づく平和外交を推進。アメリカによるベネズエラ侵略に断固抗議」
「先進的なAI産業と活用環境を創出し外交カードとして活用する」
と各党が主張しています。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年2月2日放送分より)

















