政治

ABEMA TIMES

2026年2月2日 18:00

「右翼」=「街宣車」、「左翼」=「ヘルメット」は間違い? 「リベラル」と「革新」は同じ意味? ゼロから学ぶ「右」「左」

「右翼」=「街宣車」、「左翼」=「ヘルメット」は間違い? 「リベラル」と「革新」は同じ意味? ゼロから学ぶ「右」「左」
広告
1

 2月の衆院選を前に、立憲民主党と公明党が合流し、新党「中道改革連合」を結成した。野田佳彦共同代表は「右にも左にも傾かない」と語ったが、そもそも「右」「左」とは何か? 國學院大學の山本健太郎教授と共に考えた。

【映像】迫力がある「街宣車」(実際の様子)

 広辞苑には  右翼…保守派。また、国粋主義・ファシズムなどの立場  左翼…急進派・社会主義・共産主義などの立場  と記されている。

 加えて、「保守」「革新」「リベラル」については  保守…旧来の風習・伝統を重んじ、それを保存しようとすること  革新…旧来の組織・制度・慣習・方法などをかえて新しくすること。改新  リベラル…1:個人の自由、個性を重んずるさま。 2:自由主義者  と記載されている。

 この「保守」「革新」「リベラル」について山本教授は「右側=保守、左側=革新と捉えられると思うが、冷戦後に『革新』という言葉に『古いイメージ』を持たれがちになったため、左側の人たちは『リベラル』と自称するようになったようだ」と補足した。

 さらに保守(右側)やリベラル(左側)が「大切にするべきと考えていること」については「保守(右側)には昔からの伝統を大事にしていくという考え方があり、革新(左側)は社会をより良く変えていくことに力点を置く。もう一つ大事なのは、『国家と個人』について考えた時に、保守(右側)は国家が先にあり、人よりも国家。対して革新・リベラル(左側)は個人があってこその国家だと考えている」と説明。

 右翼と聞くと日の丸を車体に施した街宣車に乗って大音量を流すイメージを持っている人もいるだろう。なぜこのようなイメージが生まれたのか?

 山本教授は「一口に右翼と言っても実はかなり幅広いが、右翼と聞いた時に右側の中でも極端な考え方・行動を思い浮かべる人もいるのだろう。街宣車で走る人たちのことを『極右』と呼ぶとまた少し違う意味を持ってくるが、『右側の中ではかなり極端な人たち』という意味では『極右』に入るかもしれない。彼らはとりわけ古い伝統や昔ながらの日本を大切にするので、昔の軍国主義的な時代にノスタルジーを抱いて活動している」と話した。

 対して、左翼と聞くと、古くは成田闘争や学生運動など、ヘルメット姿で抗議をしているイメージも持つ人もいる。その背景は何か?

 山本教授は「先ほど『国家と個人について考えた時に個人を大事に考えるのが左派』と話した。成田闘争では、成田空港を新しく作るときに、建設予定地に存在した私有地である農地を空港建設という目的のために国が強制的に収用することに対して『個人・財産権をもっと大事にすべきだ』と武装闘争を含めて立ち上がった人たちがいた。過激で暴力的な抵抗も含む手段を選ばない人たちのことを一般的に『極左』と捉えている」と説明した。

 「左」と聞くと「労働組合」をイメージする人もいる。なぜ労働組合は左に分類されるだろうか?

「労働組合の場合は、『国家と個人の対立』で捉えるより『企業と個人』『企業と労働者』という形で捉えた方がいいだろう。企業あるいは経営者という人たちは、どちらかというと『持てる者』で、工場や賃金を決める権限を有し、今の社会秩序を形作っている人たちだ。対して労働者はその中で自分たちの権利を主張するために戦っていく。そのまとまりが労働組合で『既存の秩序に挑戦する側』という意味で『左』ということになる」

 「左側」と聞くと「社会主義を目指す政党」と思う人もいるかもしれないが、現在の日本の現状について山本教授は「冷戦が終わり、自由主義陣営が勝利を収めたことがはっきりした段階で、左側の人たちも社会主義を目指すべきという主張はあまり現実的ではなくなっている。その後、リベラルと自称するようになり、『個人と国家の中で個人をもっと大事にすべき』というように少しシフトしていった」と説明。

 ここまで「左」「右」に分けて振り返ってきたが、山本教授は「はっきりと分けること」について「いろいろな意味を含むので、人によって、世代によっても左右をどのように受け止めるのかは様々であるため注意が必要だ」と注意を促した。

(ニュース企画/ABEMA)

広告