全国の自治体では人口減少による人手不足が深刻化しています。
2040年に団塊ジュニアが65歳以上となり、現役世代が現在の8割まで減少するというデータもあります。
縮みゆく日本の今後や各党の政策についても見ていきます。
■働き手の減少 2040年に『8がけ社会』 暮らしは激変!?
日本の人口です。
総人口は2011年以降、14年連続で減少しており、2024年は1億2380万人でした。
約100年後の2120年には、現在の約4割に当たる、約4973万人になると推計されています。
生産活動を中心となって支える生産年齢人口は、2024年は約7400万人でした。
しかし、団塊ジュニアが65歳以上の高齢者となる2040年には、約6200万人になると推計されており、現在の約8割にまで減少するとされています。
労働力不足や経済の縮小などが懸念されます。
また、高齢化も進み、高齢化率は2024年で29.3%でしたが、団塊ジュニアが高齢者となる2040年には34.8%に達する見込みです。
「2040年の『8がけ社会』には高齢化がさらに進みつつ、働き手が急減し、医療や福祉、買い物や移動に支障が生じる。人口はその後も長期的に減り続け、国の形は大きく変わる」
2040年、私たちの生活はどうなるのでしょうか。
2040年、現役世代が8割にまで減少した場合に想定される生活の変化です。
まずは輸送です。
ドライバーの減少により、荷物が届けられない地域が発生します。
『荷物が届くかどうか』が人が住める条件になり、日本の4分の1の地域が事実上居住できなくなります。
次に交通です。
メンテナンスが必要な道路の78%しか修繕されなくなり、地方の生活道路は穴だらけとなってしまいます。
続いて医療です。
病院などの施設はありますが、医師や看護師といった医療スタッフがいない状態になり、常に診察待ちの行列や救急車の搬送受け入れ待ちの列ができるような事態となってしまいます。
介護では、介護スタッフの欠員が常態化します。
その結果、高齢者や家族が対応せざるを得ない状態になり、介護する側の生活が破綻してしまいます。
■人手不足 行政・医療 すでに危機的地域も 人材“奪い合い”
将来、労働力の不足が予想される場所です。
シミュレーションによると、東京以外のすべての道府県で労働力不足になるといいます。
すでに地方では労働力不足が進んでいます。
まずは地方公務員の専門職です。
大分県の国東市では、土木に関する専門知識を持った職員や建築士が不足しています。
一般事務として採用された職員が道路や橋などの点検や工事の発注、進捗管理などの業務を行っているということです。
「マンパワー不足で計画に遅れが出ることも」あると話しています。
土木の専門職の人数を見てみると、1996年には地方公共団体に約19万人の土木の専門職員がいましたが、その後は右肩下がりで減少。
2023年にはピーク時から約28%減の約14万人にまで減っています。
人手不足で地域医療も崩壊寸前です。
秋田県では外科医を志す医師が減っているといいます。
さらに県内の医療機関では医師の高齢化により、外科の縮小も進んでいます。
結果、肝臓がんや膵臓がんの手術は2か月以上待たなくてはいけない状態になっているといいます。
「手術を待っている間に転移し手術ができなくなる人も複数いる」ということです。
未来の医療の担い手不足にも拍車がかかっています。
新潟県佐渡市にある佐渡看護専門学校は、受験生の減少などにより経営が悪化。
現在新入生の募集を停止しており、2028年3月末をもって閉校となります。
「地域の看護人材の育成を担っていたのが途絶えてしまう。何とか打破したいがどうしたらよいか分からない」
「災害対応に不可欠な公務員の確保が困難な自治体も出てきている。制度や予算があっても人手不足で行き詰まる事例が全国で広がっている」
企業でも人手不足が深刻となっています。
人手不足で倒産した民間企業の数です。
2025年1年間で人手不足が原因で倒産した企業は427件。
これは3年連続過去最多となっています。
人材の奪い合いも起きています。
三重県津市の工務店に務めている男性です。
この方は10年間働いた介護業界から現在の職業に転職しました。
介護業界にいたときの年収は300万円台でしたが、今は倍近くの年収になったといいます。
この方は営業先で介護職員をみつけると、
「うちの会社に来ないか?」とスカウトしているということです。
「医療・介護・土木・交通など生活の根幹を支える技術職の奪い合いが起きている。生活を支える担い手が減ることで日本全体が地盤沈下を起こしかねない」
■人口減“適応”カギは『賢く縮む』 道路廃止 施設集約 集住も
『8がけ社会』に向けて、『スマートシュリンク(賢く縮む)』という考え方が注目されています。
スマートシュリンクとは、人口減少を前提に、地域の行政や公共サービスのあり方を見直し、住民の生活の質を維持・向上させながら集約し、効率化する考え方です。
「地域や行政、サービスの縮小・消滅は避けられない。縮小するかしないかではなく、どのように『賢く縮む』か」がポイントとしています。
スマートシュリンク(賢く縮む)、秋田県の取り組みです。
秋田県では県道の一部を廃止しました。
2014年、管理が行き届かず、車が通行できなくなっていた県道10路線、約50キロを通行止めにしています。
さらに2025年度、県道189路線(2764キロ)のうち、新たに県道66路線(463キロ)を廃止検討モデル路線に選びました。
背景には、維持管理費の重さがあります。
点検や補修など、通常の維持管理費が年20億円、冬場の除雪費用は70億円にもなります。
続いて、岡山県美咲町の取り組みです。
美咲町は、
▼人口:約1万2000人
▼2005年に3つの町が合併してできました。
▼合併から20年で、人口は4000人減っています。
3つの町だったときのハコモノ(公共施設)は、今後40年間の維持管理費が年平均11億円。
町の財政を維持するには、半分にする必要がありました。
そこでまず、庁舎から公衆トイレまで、町が管理する施設の維持管理コストを算出。
集約化と再配置の計画を練ったうえで庁舎(町役場)、保健センター、町営の温泉施設など、83棟を解体したり、民間に売却したりしました。
解体費用は、総額20億円超に上りました。
一挙に解体したうえで、機能を集約しました。
老朽化していた庁舎を建て替え、その隣に図書館や公民館、保健センターなどが入る生涯学習センターを建設。
さらにその隣に買い物ができる物産センター、体育館も設けました。
結果、図書館の利用者数は4倍、公民館の利用者数は7倍、物産センターの売り上げは、3割増となりました。
「住民と合意形成を構築するのは、大変難しい。施設が解体されるのは、心情的にもつらいのはわかるが、そのまま残しておくと、後々大変なことになると説明会などで根気よく丁寧に説得を試みた」と話しています。
スマートシュリンク、続いて富山市の取り組みです。
居住誘導 (集住/特定の場所に人々が集まり住む)です。
2005年から、もともとあった公共交通網を生かし、まずは、電車やバスなどの公共交通の利便性を高め、市の中心部と公共交通沿線への居住を推進しています。
イラストで見ると、赤色のJR富山駅がある市の中心部と、黄色とオレンジの電車・バスの沿線、これを公共交通沿線居住推進地区として、ここに住むことを推進しています。
居住を推進する地域に住んでもらうために、様々な支援を行なっています。
▼中心部に住宅を取得し、居住した人に50万円、
居住推進地区に住宅を取得し、居住した人に30万円の補助。
▼中心部の外から中心部への賃貸物件へ転居した人には、家賃補助月1万円(3年間)があります。
居住誘導の効果です。
居住推進地域に住む市民の割合を見ると、
取り組みを始めた2005年が28%、
20年経った2025年が40%超となっています。
「おおむね目標達成できている。今後20年の目標は、40%を維持」と話しています。
世論調査です。
『さらなる人手不足が予想される中で、『社会サービスが低下すること』への受け入れについて』
受け入れるしかない 50%、
そうは思わない 46%、
と割れています。
「人手不足はこれからが本番。今まで通りを前提とせず、何を残し、何をあきらめ、どんな未来を作っていくか、皆で合意を作っていくことが求められる」
■縮みゆく日本 人口減少に打つ手は?各党の主張
『人口減少』問題について、各党の主張です。
「全世代が生きがいを持ち、 未来に希望を抱けるよう、強い経済をつくり、若者の所得を上げて、少子化対策を推進」
「食料品の消費税ゼロや賃上げ、 教育・子育て負担軽減などで安心して子どもを産み育てられる環境をつくる」
「現役世代の社会保障負担を減らして、子育てをしやすい環境をつくる」
「経済的理由で結婚や出産を諦めないよう、 児童手当の拡充や所得制限撤廃などで『もっと』手取りを増やす」
「子育ての重い経済的負担軽減や 物価高騰に負けない賃上げなど、生きにくい社会を変える」
「地域の産品を国が買い支え、収入と雇用を増やす。 最低賃金は一律1500円に引き上げ」
「消費税をなくすことで、 経済の好循環を生み、結婚や出産に繋がる社会をつくる」
「子ども1人につき、10万円ほどの給付金を出し、出生率を回復。さらに減税で経済を回していく」
「国民の負担を下げて、経済成長を取り戻し、所得を上げる。労働力は、働きたい人が働けるよう規制緩和」
「子どもを持ちたい人を社会が支える。誰もが働きやすい職場をつくり、労働参加率を高める」
「抜本的な経済支援として、こどもの数に応じて所得税率を下げる『子育て減税』を導入し、子育てを社会全体で支える」
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年2月3日放送分より)

















