衆院選をめぐっては、インターネットで各党の政策や候補者の情報を得ている人も増えています。
SNSなどには、生成AIで作られた動画も拡散されています。
選挙とSNSの関係について、見ていきます。
■生成AIで街頭インタ風動画 特定候補を応援 拡散の影響
生成AIの技術が進化し、選挙や政治に関する動画が増えています。
“街頭インタビュー風”のAI動画です。
1月に投稿され拡散したのは、特定の候補者支持を訴える5人の“街頭インタビュー風“の動画です。
YouTubeに『AI 動画』として投稿された後、Xに転載され、拡散しました。
1月末時点で約80万回再生されています。
『B級のAI動画を出してるチャンネルやで。肩の力抜いて、のんびり楽しんでってな。ここに出てくる動画はな、みんなAIの動画を使うて作っとるんよ』とあります。
つまり、こちらの動画はすべて生成AIで作られていて、こういった発言をしたおばあちゃんたちは実在しません。
しかし、コメント欄には、
「訴えが心に響きます」
「おじいちゃん おばあちゃんにも伝わり始めた。良かった!」など動画を“本物”だと受け止めるコメントが多くありました。
■生成AI動画の進化&拡散 「世論の誘導 誰でも簡単に」
生成AIの進化を番組で検証しました。
AIに指示した内容です。
『添付画像の男性をスーツ姿にして、
●衆議院選挙のため
●渋谷の交差点で
●選挙カーの上に乗り
●街頭演説をしている様子
の動画を作って』と指示しました。
約2分半で動画が出来上がりました。
よく見ると、ところどころに不明な言語がありますが、一見すると実際の映像のようにも見えます。
「生成AIの進化により視聴回数を稼ぐ、あるいは世論を誘導するということを誰でも簡単にできるようになったというところが大きなポイント」
「この1〜2年でいよいよ『人間の目で見分けるにはもう無理』という世界がやってくるかもしれない。ただし、少なくとも現行の法律でAIによって映像や画像を作ることそのものを罪に問うような法律はない」
■衆院選×SNS 勝敗のカギに ショート動画の影響 偽情報も
衆院選への影響です。
SNSを投票の参考にしたかどうか、という調査です。
2025年7月の参院選での出口調査では、
「参考にした」「ある程度した」が 46.9%。
「参考にしなかった」「あまりしなかった」が50%でした。
「今回の衆院選は“真冬の短期決戦”。雪で選挙カーの利用が難しく、寒さで街頭演説を聞く機会が減るなど、SNSや動画サイトの利用が増える可能性が大きい」
今回の衆院選関連の動画視聴回数は、公示から6日間で約9億8000万回。
前回衆院選(2024年10月)は、12日間で2億7000万回だったので、すでに3倍以上、最終的には10倍となる勢いです。
再生回数上位100本を分析した選挙ドットコムの調査によると、最も多く再生されていたのが高市総理の動画でした。(2月3日時点で8000万回以上)
再生回数が多い動画の特徴は、短時間で支持を訴えるショート動画です。
毎日ショート動画を見ている人は、
10代が7割以上、
20代が約6割、
と若い世代が多くなっています。
偽・誤情報に注意が必要です。
例えば、
『日本政府が、YouTube などの利用にマイナンバーカード登録の義務化を発表した』(偽・誤情報)
など、実際に拡散された15のニセ情報をどう判断したか、山口さんが調査したところ、
「正しいと思う」が 51.5%、と半数以上が信じていました。
多くの人がデマを見抜けませんでした。
今回の衆院選でも、日本ファクトチェックセンターによると、1月中旬から衆院選関連の真偽不明情報が増加しています。
実際にSNSに投稿された、ニセの情報です。
1月19日に投稿され、SNSで拡散されている画像です。
中道改革連合のロゴが、中国の中革連のものにそっくりではないか、と指摘されましたが、
これも誤りです。
1月16日の新党発表後に作られた偽のロゴで、中国に『中革連』という公的な団体は 存在しません。
中道改革連合は、
「一切関係ありません」と公式SNSで注意喚起しています。
こちらは2月4日までに約670万回表示されています。
「選挙前になると故意に偽情報を作り、政治的、経済的な利益を得ようと大量に投稿する人が現れる。さらに、その情報が真実だと思い込んで『自分の政党は素晴らしい、相手はひどい』と信じ込んで、尾ひれをつけて情報を大量に流してしまう」
■生成AI動画 偽情報で増える被害 海外では規制強化も
海外では、規制を強化しています。
イタリアです。
2025年9月、AI動画での被害増加を受け、EUで初めてAI規制法を制定しました。
『ディープフェイク』と言われるAI技術を使った偽映像を拡散し、被害を与えた場合、1年から5年の禁固刑です。
14歳未満によるAI利用も規制し、利用には保護者の同意が必要です。
首相も被害にあっています。
2022年、イタリアのメローニ首相が選挙活動中にディープフェイク動画がネット上に掲載され、数百万人が閲覧。
2024年、メローニ首相が投稿した男性2人に対し、約1900万円の賠償を求めました。
アメリカです。
2023年、バイデン政権でAIに関する大統領令を発令。
生成AI開発に安全性テストの報告やAIとわかる透かしを入れるなど、規制を強化しました。
しかし、2025年1月、トランプ大統領が、アメリカのAI優位性を維持・強化するため、バイデン政権の大統領令を撤回しています。
■投票先どうする?考え近い政党 マッチングでサポート
投票をサポートしてくれるサービスがあります。
『JAPAN CHOICE(ジャパン チョイス)』です。
開発責任者は、コメンテーターの結城東輝さんです。
●投票のための情報がそろう『10分で政治を知り、投票先を決めることが出来る』プラットフォームです。
●2017年の開設以来、過去6回の選挙で、延べ600万人以上が利用しています。
例えば、どの政党を選べばいいか、わからない場合です。
『投票ナビ』というアイコンをタップすると、いくつかの質問に答えるだけで自身の考えに近い政党をマッチングしてくれます。
「どの政党を選べばいいのかわらかない」という人にオススメです。
政策の違いがわからない場合です。
『政策を比較する』というアイコンをタップすると、各政党が打ち出す政策や公約の違いが一目でわかるようにビジュアル化されています。
気になる争点42項目を確認できます。
ジャパンチョイスの他にも政党を比較するサービスはありますので、いろいろを試して、より考えの近い政党を見つける参考にしてください。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2026年2月5日放送分より)












