8日に投開票された衆議院選挙は、解散から投開票まで16日という超短期決戦でした。高市旋風に翻弄(ほんろう)される戦いの現場を追いました。
1万5000キロ駆け足「投票を」
465議席を巡る戦後最短の戦い。歴史に残る高市自民の圧勝劇。現場では何が起きていたのでしょうか?
36年ぶり、異例の2月選挙となった今回の衆院選。選挙ポスターが雪で覆われ、見えなくなっています。
候補者も有権者も寒さに震えました。
「新しい流れに挑戦したい」(1日)
演説会場へ向かう有権者の足も鈍らせます。北海道岩見沢市、先月27日の最低気温はマイナス11.6℃。防寒対策が大事です。
「スキー用。しかも革、すごいでしょ」
この人の熱気は、決して冷めることはありませんでした。
3日、埼玉県所沢駅前の演説会場は、1階も2階も人だかりができていました。行く先々で「高市フィーバー」の熱気が充満します。
高市早苗総理大臣が12日間の選挙戦で応援に訪れたのは、全国23都道府県、47会場。距離にして、1万5000キロ以上にも及びます。
6日、栃木県那須塩原の演説会場では…。
「(Q.なんでここに来た?)高市さんを見に来ました。お父さんから聞きました」
演説を聞きに来た人(70代)
「(警備員が)芸能人より多いねと。人気あるねと。笑っちゃった」
演説のたびに、高市総理が有権者に呼びかけていたことがあります。
近くの投票所を取材すると、総理の演説を聞いた後、その足で投票に来た人がいました。
「土日は少し天気が荒れそうなので、きょう来ました」
期日前投票した人は2700万人を超え、過去最多となりました。総理の演説中には、こんな場面もありました。
会場の近くに緊急車両が停車し、高市総理はマイクの使用を一時中断しました。
「中道です」必死の訴え
一方の中道改革連合。新しい政党を立ち上げたのが衆院選公示のわずか11日前です。とにかくまずは「名前」を知ってもらうこと。
「中道改革連合、略して『中道』。『中道』で結構でございます」(先月27日)
もはや、候補者の名前よりも、訴えたいのは「党名」です。
「この人(比例候補)の名前は中道です!」
「この人の名前は中道です!」
公式アカウントでは、2人の代表や幹部たちを「2爺」や「5爺」と名付けて発信しました。
「(Q.『5爺』って呼ばれてるんですよ)俺も!?」
7日、中道の演説会場で活動していた人に、今回の合流への思いを聞いてみました。
参政も異変に戸惑い
今回も「台風の目」となるはずでした。
「今回の選挙を使って、日本の政治を変える地殻変動を起こす」(先月31日)
去年夏の参院選で躍進した参政党の神谷代表の“熱さ”は変わりません。しかし、本人は“ある異変”を感じていました。
前回は参政党を主に扱っていた投稿者たちが、高市フィーバーを受けて動画の題材を変えた可能性もあるとの見方も出ています。
神谷代表は、理由をこう分析します。
国民は分単位で応援強行
「追い風」が感じられないのは、国民民主党も同じです。
選挙戦の最終日、国民民主党の玉木雄一郎代表は、1日で15分ずつ都内20の選挙区を回るという作戦に出ました。
いつもは来た人と握手して会話するのが恒例ですが、もう次の場所へ移動するようです。あっという間でした。車が出発しました。池袋駅での滞在時間は15分2秒でした。
SNSでは「玉木さんは3人いる」、そんな“都市伝説”めいた投稿まで見られました。
マイクが使えなくなった午後8時以降も、投票の呼びかけが認められている午後11時59分まで、生配信で訴えを続けました。
躍進のチームみらい
今回、衆議院選挙に初挑戦となるチームみらいは、大躍進となりました。安野貴博党首が注目を集める一方で、党を支える当選者の顔ぶれも気になります。
東京ブロックで当選した高山聡史幹事長は6日、こう話していました。
支持を集めた理由の一つが「消費税減税」をやらないという現実路線を貫いたところです。今後も「反減税」で戦っていくのでしょうか?
「消費減税することで、むしろ物価高が進行するリスクが高いと思っているので議論したい」
今回、チームみらいは「別の壁」とも戦っていました。もし比例代表で議席を獲得しても、選挙区で10%以上の得票がなければ、比例復活できないのです。
最後の演説 埋め尽くす人
選挙戦最終日の7日、都内でも気温が2℃まで下がった夜、多くの人が歩いて向かっていた先は、高市総理の演説会場です。
高市総理の演説に静かに、熱心に耳を傾ける人たちが二子玉川の公園を埋め尽くしていました。
そして、自民党だけで3分の2以上という歴史的な大勝を飾りました。
中道はというと、改選前の勢力の3分の1以下に終わりました。
国民は1議席の積み増しにとどまり、参政党も議席を伸ばしましたが、去年と比べると勢いがありませんでした。
衆院選初挑戦のみらいは11議席を得ましたが、思いもよらぬ事態が起こりました。比例近畿ブロックでは重複立候補者の小選挙区での得票が足りず、議席を譲りました。
「非常に重い責任」高市氏
歴史的な圧勝で解散のかけに勝利した高市総理。しかし、報道各社のインタビューには厳しい表情で答えました。
(2026年2月9日放送分より)


















