衆議院選挙も終わりました。自民党が大勝しまして三分の二以上の議席を獲得するという結果になりました。
でもその裏では今心配されていることもあるんです。予算編成の遅れです。今回はそのあたりを解説してまいります。
予算が決まらないと私たちが大迷惑?
2月のこの時期に本来なら開かれているはずの国会、皆さん覚えていますか?そう、「通常国会」です。通常国会とは毎年必ずこの時期に開かれ、会期は150日、主に予算について話し合われます。その年の4月から翌年3月までのお金の使い道を決めるんですね。
ちなみに国会の種類は通常国会とあと2つあります。1つは「臨時国会」。通常国会が終わった後、何か話し合いたいことができた時に開かれます。そしてもう1つが「特別国会」です。これは総選挙の後などに首班指名、総理大臣を決めるときに開かれる国会です。今回は特別国会で新しい総理大臣を選んだあと、そのまま予算などの審議に入ることになっています。
1月から2月というのは大切な国会の時期ですが、今年は解散総選挙がありました。そのため予算についての話し合いがまだ行われておらず、現状来年度予算成立の見通しが立っていないんです。このままでは3月いっぱいに間に合わず、ゴールデンウィークくらいになってしまうのでは、と言われているんです。
では予算が決まらないと一体どんな影響があるのでしょうか。
まずは国家公務員の給料が支払われません。霞が関の官僚はもちろん、検察官や警察官の一部、自衛隊員などの給料が払われなくなってしまいます。もちろん国発注の工事も止まってしまいます。国道の修理がされないかもしれません。
高市総理が解散直前の12月に補正予算を作ったからそれで何とかなるのでは?そう思う人もいるかもしれませんね。でもそもそも補正予算とは通常の予算を補うために作られるもの。例えば災害被害などへの対応ですね。つまりその年度の予算として作られるものなので、その年度の内に使わなければなりません。つまり12月に決まった補正予算は今年の3月いっぱいまでしか使うことはできないんです。
新しい政策は予算成立しないとできない?
では4月以降、予算が決まるまでのつなぎはどうすればいいのでしょうか。そんな時に登場するのが暫定予算です。これは国家公務員の給料や年金に必要なお金など、どうしても必要なものについてとりあえず使えるようにしよう、というその名の通り暫定的な予算です。でもこれはあくまで最低限。暫定予算ではできないことが多いんです。
実は暫定予算では新しく始める政策には基本使うことができません。というのも新しく始める事にはそれに伴う法律を作る必要があるためです。つまりこれまでニュースで色々報じられてきた、物価高対策のために〇〇しますよ、ということも実施に遅れが出る、そんな可能性が高くなっているんです。
例えば年収の壁の引き上げもそうです。所得税がかかる最低金額を160万円から178万円に引き上げます、と報じられましたが、この実施もいつからになるのかまだわかりません。その他にも自動車税の環境性能割廃止、とうもろこしやチーズなど、輸入品の関税を下げる特例措置の延長、軽油の暫定税率の廃止など私たちの生活が楽になるはずの政策実施が遅れてしまいそうなんです。ただ、いくつかある新しい政策の中で、私立高校の授業料と公立小学校の給食費無償化については、あまりにも影響が大きくなることから高市総理は4月からの実施を目指して急ピッチで対応をする、と言っています。こちらは間に合うかもしれません。こうしてみてみると、予算というのは実は私たちの生活に大きくかかわっているんですね。
ちなみに過去にもこの時期に選挙をして予算成立がずれ込んだことがありました。1990年、海部総理の時代です。
この時は予算が成立したのが6月、それまでの間は10兆円の暫定予算にさらに暫定予算の補正予算で乗り切りました。50日間予算ナシだったわけですが、この時日本はバブルで好景気。私たちの生活も潤っていたことから国民にあまり影響はなかったと言われています。
今回自民党は選挙で大勝しました。その結果国会運営は楽になっています。これまで予算委員会の委員長は野党の議員でした。でもこれからは自民党の議員が務めます。そんなことがあってはいけませんが、やろうと思えば強行採決もできるなど、委員長の権限は大きいのです。結果、審議の時間が短くなって早く法律や予算が決まる可能性はあります。でも私たちの生活に予算は直結します。しっかりと議論してもらいたいですし、私たちもしっかりと見ていく必要がある、というわけです。
(池上彰のニュースそうだったのか?2月14日OAより)
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