衆院選大勝を受け改めてスタートを切った高市政権。“責任ある積極財政”に意欲を見せているが、この是非をめぐり、元大蔵官僚と元経済企画庁官僚が『ABEMA Prime』で激論を交わした。
【映像】元大蔵官僚「『気合いだ!気合いだ!』と言ってるようなもん」“責任ある積極財政”を激しく批判する瞬間
■ 株高と円安

日経平均株価が史上初めて5万8000円を超える大幅な上昇を見せたが、慶応義塾大学大学院の教授、元大蔵官僚の小幡績氏は「高市氏の勝利期待で株が上がったことは間違いない。株式市場だけ見れば高市氏でいいのかなという感じはする。ただ、為替については、世界的に見れば円は最弱だ」と語る。
元経済企画庁官僚、金子洋一氏は「高市氏は積極財政をやると言っている。企業の来年の利益見通しが良くなると市場が判断した結果であり、株価が上がるのは当然だ」。
円安については、「国内の稼働率が上がるため、インフレにならない限りは好ましい」と主張したが、小幡氏は「小泉政権時も円安で景気回復と言われたが、エネルギーや食料価格が高騰し、国民は実質的に貧しくなっていた。円安は外から買うものが高くつくため、基本的には欲しいものが買えなくなる」と反論。
金子氏は「1パーセントの円安で物価が上がるのはわずか0.02パーセントというモデルもある」といい、為替の影響は限定的だとした。
■ 「責任ある積極財政は『気合いだ、気合いだ』と言ってるようなもん」

高市氏が掲げる「責任ある積極財政」では、17の戦略分野への投資による成長を想定している。金子氏は「AI、半導体、宇宙といった重点産業に投資し、中国やアメリカとの競争に負けないようにすべきだ」との考えを示す。
対して、小幡氏は「期待感があると言われるが、学んでいない。これまでもずっと財政を出してきたが、成功例は一度もない」と指摘する。
さらに、「責任ある積極財政は『気合いだ、気合いだ』と言っているようなもので、ラベリング自体は気合いを入れているだけだ。私は財務省出身だから緊縮財政派だと思われるが、ラベルはどちらでもいい。良い財政支出をしてくれるならしてほしいが、できないんだったらやめておけ。今まで良い財政支出というものを見たことがない」と厳しく批判した。
■ 1300兆円の借金…今後の対策は?

日本の国債残高が約1342兆円に達している現状について、小幡氏は「1300兆円もの借金をして、一体何が残ったのか。それだけの資金を民間に投資していればもっとマシだったはずだ。政府の投資能力には期待できない」とコメント。
金子氏は「その支出がなければ現状はもっとひどかった。財政支出には減税も含まれる。政府が配るのを減らしてでも、国民の手元にお金を残すべきだ」と主張した。今後の対策としては「財政政策としては減税だ。我々の手元にお金を残すことが絶対に必要だ。また、日銀の利上げにも反対だ」。
一方、小幡氏は「経済成長を無理に追うのではなく、どんな逆境でもたくましく生きていける人間を育てるために教育投資をすべきだ。小中の義務教育に1兆円を投じれば社会はガラッと変わる」との見方を示した。
(『ABEMA Prime』より)