政治

ABEMA TIMES

2026年2月25日 12:00

「選挙に落ちればただの人」強制退去まで4日、自腹に3往復の搬送…落選議員の“引っ越し事情”「急に無職になるのでお金は節約」

「選挙に落ちればただの人」強制退去まで4日、自腹に3往復の搬送…落選議員の“引っ越し事情”「急に無職になるのでお金は節約」
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 選挙に落ちればただの人──。永田町を去る落選議員の引っ越しを取材した。        

【映像】スカスカになった落選議員の部屋(実際の様子)

 かつては中曽根康弘総理が田中角栄元総理のロッキード有罪判決を受けて解散。田中判決解散と称された選挙は定数511で自民は250議席と惨敗。過半数には届かず、新自由クラブと連立を組むという自民党史上初の連立政権となり、自民党からは議席を失った36人が国会から去っていった。しかもその別れは準備期間を含めてわずか4日間しかない。問答無用の強制退去だ。

 2012年、当時の野田佳彦総理も突然解散を表明。「近いうち解散」と呼ばれた総選挙では、民主党は大敗。173議席を失い議員会館、宿舎から強制退去となった。

 その年に入れ替わるように議員になり、3年2か月で自ら去った宮崎謙介元衆院議員は「引っ越しは衆議院が手配してくれたと思いますが、費用は自腹でした。機密書類はシュレッダーで処分しました。忠誠心のない秘書なんかは、その手伝いをせずに就職活動に奔走したりします」と振り返る。

 パパ活辞職の宮沢博行元衆院議員は引っ越しではお金を節約したそうで「なにがなんでも復帰してやるという思いがありましたから。次に繋がるようにキレイに捨ててしまおうという思いだった」と回顧した。

 そんな中、どうしても捨てられなかったという思い出の品があるという。宮沢氏が初当選した2012年12月16日の日めくりカレンダー。額に入れて大事に飾っていたという。「支援者さんがくれて。もう干からびているでしょう?」。さらには、こんな思い出の品も。「市議会議員の時から使っている(虎の)トレードマーク。これを彫刻にして送ってくれた人がいた」「航空自衛隊のジャンパー。これが陸海空と揃っていますので、これは捨てられなかった」。

 今回、118議席を失った中道改革連合。安住淳氏、創設者の枝野幸男氏といった、名の知れたベテラン議員たちも問答無用で撤収を余儀なくされ、岡田克也氏は「残されたのはカエルだけです。カエルたくさん、まだいます」と自身のYouTubeチャンネルで片づけが進む自室を紹介した。当選19回、在職歴57年の小沢一郎氏にも容赦はなく、わずか4日以内で全てを片づけ、別れを告げた。

 宮沢氏は「私の場合は(引っ越しに)かなり時間をもらえたなという気がします」と明かすも「ちなみに何日?」という質問には「記憶にございません」と語った。

 たかくら引っ越しセンターの高倉弘樹代表は「100人以上が一気に違う業者に頼んだとすると、かなり混乱すると思う。大手の引っ越し業者だと思うんですけど、僕たちみたいに小さい業者だと大変」と説明。機密性の高いものを運ぶために、スタッフも厳選しているそうで「うちの従業員もそうなんですけど、SNSをあまりやっていないので。若い人ほど(機密情報を)あげちゃう傾向にあると思うので。言い方悪いですけど、ちょっと歳がいってる人を入れていると思う」と語った。

 中道から出馬し、落選した源馬謙太郎前衆議院議員は「(議員会館に)行くと、エレベーターまで養生してあって。次(の予算委員会)でやろうと準備してたものがあったりしたので、それも日の目を見ずに。しかも置いておいてもしょうがないので、廃棄しないといけない。本当にすごく切なかった」と語る。

 それでも出ていかねばならないため、秘書やボランティアの手を借りつつ、すべて自分たちの手で退去を行なったそう。「急に無職になるわけで、なるべくお金は節約しなきゃということで。家族と一緒に2台の大きめの車で3往復して、自分たちでやりました」。地元静岡まで 片道3時間半。それを3往復。その道中、脳裏に浮かんだのは2017年の初当選の日のことだ。

 2017年の衆院選、3度目の挑戦で初当選した源馬氏。「初めて(議員会館に)入った時は、まだ何も道具もないのにお祝いの胡蝶蘭が届いていたりして、晴れやかな雰囲気だった」。

 国会での質問回数や提案した法案の数などから、静岡県内でただ一人、2019年に三ツ星国会議員に選ばれたこともある。なぜ?を繰り返すも答えが出ない。出るのはため息だけか。「いま国会がまた始まりましたけど、その様子をテレビで見ている自分。今まではその場にいて、その場で聞けていたのがテレビで見ているというのはすごく切なく、悔しい思い」と胸中を吐露した。

 引っ越しは人生のターニングポイントだ。喜びもあれば悲しみもある。引っ越し業者は、他人の人生の岐路に立ち会い喜怒哀楽も一緒に運ぶ職業だ。

「基本的に僕は芸人さんの引っ越しが多いので、売れていく瞬間に立ち会えるのがすごくうれしい。例えば、ワンルームから急にタワーマンションに住む方もいるし。もちろんタワーマンションからワンルームに都落ちする方も。それが今回の選挙で落ちた方々に当てはまるのかもしれない。そこから這い上がる方もいるし、ぜひ頑張ってほしい」(高倉氏)

 ジャーナリストの青山和弘氏は「今回は大きく議席が動いたので、出て行く人、新しく入ってくる人でごった返している。議員が注目されるが、秘書やスタッフも一緒に辞める、首を切られる。その人たちも次の就職先も探さないといけない。議員はいろいろ再挑戦とかもあるけど、スタッフは本当にやることがなくなったり。中道の秘書だった人が、今度は自民党に移ったりというのもよくあるパターン。逆もあるけれど。非常に悲喜こもごもだ」と解説。

 加えて「今回はなんといっても中道の人たちが落選して、次チャレンジするといったら普通は候補予定者ということになってまたお金が党から出るが、あまりに数が多いし、あまりに母体が小さくなって、政党交付金も少なくなったので本当にお金がない。これをどうするのか、今小川代表は頭を痛めていると思う。支援しきれるのかというところだ」と、懐事情についても語った。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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