衆院選で「政権交代」を掲げ、野党結集の旗印として誕生した中道改革連合。しかし、蓋を開けてみれば比例で約1000万票を得ながらも、立憲民主党出身の候補者123人が落選するなど、大きく議席を減らす惨敗に終わった。「ABEMA Prime」では、この荒波に飲み込まれた3人の落選議員を招き、大敗の分析と党のいびつな現状、そして再生への道筋について議論を交わした。
【映像】中道はどうするべき?「戻るべき」が最多 世論調査の結果
■見えなかったビジョンと「批判」の代償

なぜ中道は大敗したのか、その要因について東京30区から立候補した五十嵐衣里氏は、党のアイデンティティ不足を挙げた。「中道が何をしたいのか、政権を取ればどういう政策をして、私たちの生活の何がどう変わるのかを、今回の衆議院選挙では私たちも理解しきれないまま選挙に突入した」と述べ、当事者である候補者たちですら戸惑う中での戦いだったことを告白した。
また、自民党が女性初総理となった高市総理を強く打ち出した中、中道は野田・斉藤の共同代表2人を中心に勝負に出た。「今回の敗因は、いろいろなところで書かれているが、どちらがより今後の日本をよくしてくれるかというイメージで、高市さんが選ばれた。今回、中道でも30代、40代の当選者は多かった。現役世代の議員が活動していることを見せたいと言ってきたが、それも党内で意見が一致しなかった」と悔やんだ。
党のイメージを作る「見せ方」にも課題がある。国会での振る舞いも支持を遠ざける一因となったとの指摘が出た。神奈川18区の宗野創氏は、ワイドショーでの切り取りを意識した質問構成があることを認めつつ、「どこに向けて何を発信するかが変わってきている自覚が必要」と語り、発信のあり方を変える必要性を説いた。
これに対し、愛知10区の藤原規真氏はより辛辣な分析を見せる。国会で「閣僚によるWBCの試合観戦」や「高市総理によるカタログギフト配布」を追及したことに、「批判することは大事だが、政策に対する批判であるべき」「『WBCに行った者、手挙げろ』というのも…。議席数が減って、質疑の時間も限られている中で何に時間を使うか、もっと厳格に考えて質疑に臨むべきだ」と疑問を呈した。
■「元に戻すべき」という世論への葛藤

選挙後の世論調査では、約47%が「立憲・公明に戻すべき」と回答しており、党の存在意義が厳しく問われている。この逆風に対し、五十嵐氏は安易に元の党に戻ることは、「『選挙互助会』だと言われたことを証明してしまうことになる」と主張。投票用紙に「中道」と書いた有権者への背信行為になると指摘した。宗野氏も同様に、「始まったからにはしっかりと手前をやるということだと思う」と、一度決めた道を歩む責任を強調している。
一方で、執行部の姿勢に不信感を抱く藤原氏は、野田氏(当時共同代表)が結党時に参議院や自治体議員も合流すると広言していたことを引き合いに出し、「1回やってみて失敗したから引き返すというのは論外」とし、「ほとぼりが冷めるまで、来年6月まで放っておくとか、これは有権者を二重の意味で愚弄する」と断じた。
党の再生に向けたアプローチにおいても、3人の歩む道は対照的だ。五十嵐氏と宗野氏は、党内に留まり「中から変える」道を選択した。宗野氏は、「(当選した議員より)落選した人間の方が多い。ということは、落選者が動いた方がおそらく組織変革ができるという仮説のもとに動いている」と語った。具体的には「ポラリス」というコミュニティを通じて落選議員同士のビジョン共有を図っており、五十嵐氏も「しっかり中から変えるということができればいいなと思っている」と意欲を見せた。
対照的に、藤原氏はすでに離党を決めている。既存のどの政党に戻るつもりもなく、すでに自身の政治団体を立ち上げた。党員を置き去りにした結党手続きの不備などを指摘し、「完全に壊れてしまった草の根をもう1回再生する。その思いで、無所属で活動を続ける」と、ゼロから再建させる覚悟を示した。
■中道改革連合が歩むべき「再生の条件」

今後、中道改革連合がいかにあるべきかという問いに対し、3人はそれぞれの展望を語った。五十嵐氏は、中道として何をやるのかという政策議論を徹底し、「1期生の議員をちゃんと前に出して、みなさんと同じ現役世代の議員が議会の中で活動していることを見せたい」と、現役世代の感覚を反映させた組織への刷新を求めた。宗野氏は、日本企業の弱点にも通じるトップダウン型の古い体質を打破し、「変化を恐れない福祉国家。組織のあり方からして、いわゆる旧立憲民主党の時の組織の弱点は、社会変革になかなかアジャストできないこと」と、柔軟な組織への脱皮が必要だと訴えた。
そして藤原氏は、政治とカネの問題を厳しく批判してきた立場を貫くべきだとしている。党が苦しくなったところでクラウドファンディングなどの集金に走る姿勢を「情けない」と一蹴し、「立憲民主党は2024年、パーティー全面禁止する法案まで出している。そのぐらい『政治とカネ』になると俄然張り切る政党だった。それが自分たちの事情が厳しくなると途端にパーティーをやると、これはちょっと筋通らないだろう」と批判していた。 (『ABEMA Prime』より)