政治

ABEMA TIMES

2026年4月23日 07:00

築60年以上の“オンボロ議員宿舎”「代わって欲しいと言われる」国会議員に人気なワケ

築60年以上の“オンボロ議員宿舎”「代わって欲しいと言われる」国会議員に人気なワケ
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 国会議員に与えられる「特権」や「恩恵」に対し、国民の視線は常に厳しい。とりわけ、都心の一等地に格安で住める「議員宿舎」や、年間1億円にものぼると言われる議員1人あたりのコストは、しばしば批判の対象となる。しかし、その実態は世間のイメージ通りか。「ABEMA Prime」では、現役議員や専門家を交え、議員特権の是非と政治活動にまつわるカネの実情について議論が行われた。

【映像】昭和感漂う“オンボロ宿舎”

■老朽化した「青山宿舎」きれいで広い「赤坂宿舎」

老朽化した青山宿舎

 議論の契機となったのは、日本維新の会の住吉寛紀衆議院議員がSNSに投稿した、家賃2万円台の「青山議員宿舎」の画像だ。港区六本木の一等地にありながら、築年数は60年を超え、室内は和室や風呂など、どこか昭和を感じさせる佇まい。EXIT・りんたろー。も「これを見るまでは『税金で贅沢するな』ってちょっと怒っていたが、青山宿舎を見たら若手芸人の部屋みたい」と困惑した。

 この青山宿舎に10年以上住み続けている中道改革連合の衆議院議員・泉健太氏は、その実態を明かす。

 「この場所で家賃2万円台はものすごくありがたい。赤坂宿舎より多少、国会から遠いが、子育ての費用もあるし、政治活動の費用もある。なるべく自分が関係する出費は抑えて、政治活動にお金を回したい。夏はすぐに室温が40度くらいにもなるが、若手からは『代わってください』と言われるほどの人気物件だ。これがリニューアルして家賃が上がると、むしろ困る」。

 一方で、批判の的となっているのが「赤坂議員宿舎」だ。築19年で3LDK、約82平方メートルの広さがありながら、家賃は約12万4000円。周辺の民間相場が約53万5000円であることを考えれば、破格の条件だ。

 現在、この赤坂宿舎に住む日本維新の会の衆議院議員・青柳仁士氏は、宿舎の役割について説明した。「宿舎の位置づけとして、もともと住む場所ではなく、東京にいる時に滞在する場所。仮に選挙で落選すれば、4日以内に退去しなければいけない。だから家具などもいろいろ置いていたら大変だ」とし、さらに「赤坂の家賃50数万円を、私のリアルな手取りでは払えない」とも述べた。

 これには泉健太氏も「赤坂宿舎の失敗は、全部3LDKで作ってしまったこと。家族で住んでいる人はさほどいないので、300部屋ある中で1K、2DK、3LDKを100部屋ずつなどにしていれば、もう少し家賃を抑えられたという議員は結構いる」と付け加えた。

■私生活より政治活動費

国会議員1人にかかる費用

 議員は、生活環境に対する費用以上に、政治活動費を重視する。国会議員には、歳費やボーナス、さらに調査研究広報滞在費などが支給され、1人あたり年間1億円規模のコストがかかっているとの試算がある。しかし、現役議員たちは「それでも足りない」と口を揃える。

 泉健太氏は、政治活動に付随する経費について「チラシを作って全戸配布しようと思ったら、300万円ぐらいかかる。最近はネット広告にも金がかかる。(生活レベルは)徐々に居酒屋、普通の居酒屋率が増えていて、料亭に行く政治家がもう激減してると思う。自家用車も軽自動車だったり、どれぐらい政治活動に金をつぎ込むかで生活レベルはずいぶん変わる」。

 青柳氏も「結局、金をかけた方が選挙に強い。駅前の一等地に広い事務所を借りた方が、たくさんの人に見てもらえて知名度が上がる。チラシだって1回より2回、2回より4回の方がいいし、それだけ票が伸びる。結局は家賃を削ってでも、そちらに金を使いがちになる」と述べた。

 また議員1人に1億円かかるという試算にも「実際に議員が受け取っているのは歳費とボーナスだけ。あとは党に入ったり諸経費だったりだし、公設秘書の給与なんてそもそも自分には全然関係がない」と説明した。

 半世紀以上にわたり政界を取材してきたジャーナリストの泉宏は、かつての議員宿舎の様子、さらに「料亭政治」の終わりを振り返る。「最初の議員宿舎は木造で本当に汚かった。トイレも汲み取り式という時代。それはいくらなんでもということでだんだんと良くなった。私が今から50年以上前の政治記者になった時は、料亭地図も全部持っていて、誰が必ずここに行くというのがポイントだったが、今は料亭がもう激減した」。

 こうした「カネ」をめぐる現状は、政治参加への影響はどうなのか。EXIT・兼近大樹は、「今の選挙制度だと、結局は金を持っている人しか議員になれない。貧困層から成り上がった人も、金を持ってから(政治の世界に)入っているので、貧困層の気持ちと現状を理解しているかと言えば、そうではない。民主主義でいろいろな人がいていいというなら、『中卒の星』みたいな人がいても、本来ならいいはずなのに、社会全体がそれを許さない。ある程度、お金という信用を持っている人でないと政治家にはたどり着けない」と持論を展開していた。

 これについて泉健太氏は、「制度をがっつり変えるとしたら1つの選挙区、いわゆる総支部で1年間使える額の上限を規制する。5000万円以上は使えないなどにすれば公平となる」という私案を紹介。また与党として議員定数削減に取り組んでいる青柳氏は「政治活動に金がかかって、そこに金をかけるほど強くなる仕組みなので、これが妥当かわからないが、もう議員の数を減らすしかないと提案させてもらっている」と述べていた。 (『ABEMA Prime』より)

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