政治

ABEMA TIMES

2026年8月28日 07:30

「得票率に議席配分を近づける」サンラグ式とは?「順位付き投票」も検討中 識者「1票の格差がひどい。参院の選挙区をすべてなくすくらいの提案を」

「得票率に議席配分を近づける」サンラグ式とは?「順位付き投票」も検討中 識者「1票の格差がひどい。参院の選挙区をすべてなくすくらいの提案を」
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 衆議院比例代表の定数削減をめぐる与野党協議の中で、新たな議席配分方式が浮上している。現行の「ドント式」に代わる「サンラグ式」の導入で、チームみらいが提案し、自民党の鈴木馨祐座長が示した座長案に盛り込まれた。

【映像】サンラグ方式とは?議席決定の方法

 現行のドント式は、各政党の得票数を1、2、3と自然数で割り、商の大きい順に議席を配分する方式だ。一方、サンラグ式は得票数を1、3、5と奇数で割っていく。チームみらいによれば、サンラグ式では大政党の2議席目以降が出にくくなるため、大政党に偏りがちな議席配分が緩和され、中小政党にも議席が回りやすくなるという。『ABEMA Prime』ではチームみらい国会対策委員長・峰島侑也氏と横浜市立大学名誉教授・和田淳一郎氏を招き、今後の選挙制度はどうあるべきかを考えた。

■「得票率に応じた議席配分に近づける」チームみらいの主張

サンラグ式だったら

 峰島氏はサンラグ式の狙いについて、「目指しているのは、得票率に応じた議席配分にできるだけ近づけること。票が30%入った政党は、議席数も30%程度であるべきだと多くの人が思うはずだが、ドント式はそうなっていない。大政党には得票率よりも高い議席保有率が与えられる。サンラグ式にすることでそれを是正していこうという提案だ」と説明する。

 チームみらいが今年の衆議院選挙の得票数で試算した結果によると、ドント式とサンラグ式の比較では、自民党が14議席減、国民民主党が1議席減となる一方、れいわ新選組は6議席増、日本保守党は4議席増となるなど中小政党で増加が目立つ。峰島氏は「得票率と議席占有率のズレの平均がドント式では2.3ポイントなのに対し、サンラグ式では0.7ポイントと大幅に縮まる。これは数学的にも証明されており、より民意を反映した仕組みだと言えると思っている」と語る。

 和田氏はサンラグ式について得票率に応じた議席配分に近づける方法として評価 し「比例に近づける方法としてはかなりいい、ほぼ最善に近い方式だ」とした上で、懸念点を示す。「ドント式では政党が分裂しても有利にはならないが、サンラグ式では2つに分裂した政党の議席合計が元の政党より増える可能性が生じる。分裂の誘因があり、小党分裂に向かう危険性がある。“ワンイシュー政党”のような小政党が過大な影響力を持つ恐れもある」と述べる。

 それより重要だとして和田氏が指摘するのが、比例ブロックの問題だ。「四国は4県合わせても横浜市より人口が少ない。中国地方も5県あるが、神奈川県より人口が少ない」とした上で、定数が多くなるほど比例性が高まると説明。「定数があまり小さな比例ブロックを作っても」と、現在のブロック分けに疑問を呈した。 近畿大学 情報学研究所 所長 夏野剛氏も「比例の11ブロックを単一ブロックにした方が民意を反映する。それをチームみらいが言うならすごく共感できる」と語る。

 また、1票の格差について、2ちゃんねる創設者・ひろゆき氏が「島根と東京でかなり違う問題など、もっと大きな問題がある。それをそのままにして選挙システムの細かいところだけ変えようとしているのは、チームみらいへの失望を生んでいるのではないか」と指摘すると、峰島氏は1票の格差の重要性を認めつつ、「死票の問題も非常に深刻だ。日本では約半数が死票になってしまっており、特に与党がほぼ固定されている日本では、自民党以外の支持者が長期にわたり自分の票が死票であり続けている状況が投票率低下につながっている」と説明した。

■「サンラグ式だけでは不十分」順位付け投票という提案

順位付け投票

 多党化が進む中での国家運営についてパックン氏が「小さな政党がたくさんいる中で、“連立野党”対“連立与党”の対戦は政権交代につながるのか」と問うと、峰島氏は役割分担の考え方を示す。「比例は民意を包含していく場、小選挙区は政権を決める場として、それぞれ異なる役割を持たせるべきだ。大政党がハブとなり、時々のニーズに応じた小規模政党が政策協力や連立を組みながら政策を進めていく政治があっていいのではないか」と述べる。

 ひろゆき氏は「小さい党がたくさんできると、自民党に気に入られて席をもらいたいがためにひたすら媚びるという構造が生まれるだけで、自民党が間違っていると言えるような大きな対抗勢力が生まれなくなる」と懸念を示した。パックン氏も「サンラグ式は悪くないアイディアだが、国を動かすほどの説得力が今の提案にあるかどうかは疑問だ。自民党自身がリベラル自民、保守自民などに分かれて議席を増やし、連立を組むという対策を取ってくることも考えられる」と語る。

 こうした批判に対し峰島氏は、チームみらいがサンラグ式だけでなく、小選挙区では「順位付き投票」を掲げていると説明。 「今、野党が多党化しすぎていて票がすごく割れちゃっている。それをグッと仕組みで結集させることができる。選挙区調整とかしなくていい」とした上で、有権者が本当に支持したい候補者に投票することで「特に2番目の政党がすごく強くなる」と説明。「本当の政権選択ができるような選挙を作っていこうっていうのが僕らの主張の根幹」と語った。

 和田氏は持論も展開した。「順位付き投票はすごく重要だ。参院の選挙区は1票の不平等もひどい。選挙区をすべてなくして参院は比例中心に、衆院は小選挙区で順位付き投票による二大政党化を図る。それくらいラディカルなことをやるべきで、議席を減らしたいなら参院の選挙区を全部なくすくらいのことを、チームみらいは主張すべきではないか」と提言した。 (『ABEMA Prime』より)

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