高市政権の受け皿となるべく、結集を目指して議論を進めてきた立憲民主党、中道改革連合、公明党の野党3党だったが、最終的に合流断念を発表した。中道改革連合は、結党からわずか7カ月余りで空中分解・分裂する事態に追い込まれている。 合流をめぐっては各党の思惑や地方組織の反発が交錯し、統一会派による連携へと舵を切る形となった。衆院選で苦杯をなめた議員や専門家は、この「結党7カ月でのご破談」をどう捉えているのか? 『ABEMA Prime』でその背景と今後について議論した。
■落選した2人の前衆院議員が語る率直な思い

前回の衆院選で、中道改革連合からは236人が立候補したものの187人が落選し、その落選率は8割に上った。
現在も中道として活動している青柳陽一郎前衆院議員は、今回の分裂について「国民から全く理解を得られずに惨敗し、さらにその後、せっかく結党した政党が7カ月で分裂していくことに責任を感じている。全国でも1000万票以上の方が『中道改革連合』と書いてくださった。期待して投票してくださった方に、本当に申し訳ないというのが率直なところだ」と謝罪した。
また、自らの責任について、青柳氏は「選挙の前に中道改革連合が結党されることが全議員を対象にした会で了承された。私は立憲民主党に離党届を出し、自らの意思で入党して戦ったので、他責にすることはできない。私は選挙執行部の一翼も担ってきた。自身の力不足と今回の試みが国民の理解を得られなかったことを反省しなければいけない」と語り、全国で150人以上の落選議員が厳しい活動を強いられている現状を明かした。
一方、中道を離れて現在は無所属で活動している吉田晴美前衆院議員は、「7カ月での分裂はとても残念。結党した段階で、国民の皆さんの理解が厳しかったのではないか。有権者からは『なぜ同じ党なのか? 別々の党で選挙協力できなかったのか?』『同じ党なら一つのものを目指さなければいけないのに、いろいろな齟齬が出てきている』と指摘された。この結果に自分自身の力のなさを感じるし、これを学びに変えなければいけない」と振り返った。
さらに、中道を離れた理由について、吉田氏は「自分の中で政策などは変わっていないのに『変わったのでは?』と言われ、その説明や言い訳から入る選挙になってしまった。時間が経つにつれて皇室典範の立場などで政策の違いが出てきたとき、自分の中でけじめをつけなければならないと感じた。まっさらになって原点からやり直したい思いだった」と明かした。
■「(左+右)÷2=中道」では続かない

この7カ月間、中道の動きを追ってきた大阪経済大准教授の秦正樹氏は、合流できなかった最大の壁について「一番は選挙であれだけ大敗したことだ。大敗した政党にわざわざ合流する政党はいない。前回の衆院選前、立憲が148議席、公明が24議席であったため、どれだけ負けても中道で百数十議席ほど確保できていれば合流の話が見えていただろう」と分析する。
その上で、秦氏は議員たちの政策態度をデータ分析した結果として、「旧立憲系の人と旧公明系の人の考え方は全く違っている。どちらかというと、『みんなが集まって中道』ではなく『(左+右)÷2=真ん中』という状態になっており、継続はほとんど不可能で分裂は予想通りだった」と指摘した。
これに対し、青柳氏は「立憲も公明も内政はリベラルな政策が多く、再分配や生活者・労働者を重視する点で広い意味では一致している。外交安全保障やエネルギー政策では違いがあるが、政権を目指す全国規模の政党として“幅”があってしかるべきだ。政策的な立ち位置に違和感はそこまでなかった」と反論。しかし、「選挙で支持を得られなかったために、その後がついてこなかったのは事実だ」と認めた。
また、合流断念の大きな要因となった地方組織の反発について、青柳氏は「来年4月の統一地方選挙では、立憲と公明がそれぞれの政党で戦うことが合流協議の前にあらかじめ決まっていた。それなのになぜ8月末を期限に合流を急いだのか疑問だ。国会対応の都合で、法案の賛否による違いを防ぎ、同じ採決態度にするために同じ党にしようと決めたのではないか」と、合流プロセスの不自然さを指摘した。
吉田氏も、有権者から「この先どうなるか分からない党」という声が多く寄せられたことを振り返り、「公明と立憲が一緒になって、『どうしてもこれをやりたい』と明確なメッセージが伝わっていなかった。福祉や教育の分野では同じ党かと思うくらい政策が重なっているものがあり、教育の分野を一緒に進めたい思いはあったが、短期間でそれを伝えきれず、『選挙のため』と思われても仕方のない状況だった」と語った。
■空中分解した中道、3党と議員たちの今後の行方

今後の野党3党のあり方について、秦氏は「今回の分党は非常に良かった。立憲、公明という、支持者がしっかりと理解できる範囲内でまずやるべきだ。今すぐ選挙があるとは思わないが、もし総選挙があれば、別々の政党でありながら共通の公約を出すなどのやり方は十分あり得る。別れてそれぞれやるのは合理的で重要な選択肢だ」との見解を示した。
それでは、落選した元議員たちは今後どのように身を処していくのか。
青柳氏は、今後の中道改革連合のあり方について 「衆議院の中道が分党になるのか離党になるのか、2つになるのかいくつになるのかもまだ決まっていない。ただ、小川淳也代表が言っているように、今の衆議院の49人は統一会派を組んで国会対応することを最優先する。参議院とどうするかは少し時間がかかるだろう」と語る。
さらに、身の置き方については「今形がどうなるか分からないので、自信を持ってこうしますと言えない情けない状況にある」と正直な迷いを吐露しつつも、「自民党や維新に対抗する大きな中道改革勢力を再結集する思いや、旗は捨てていない」と語った。
一方の吉田氏は、「自分が思っている目指す未来や国づくりが明確に一致することが大事だ。分党などでバラバラになるとしても、お互いに反目してはいけない。立憲と公明が政策実現のために協力する姿を見せることが必要だ」と主張。また、「私がかつて代表代行を務めた立憲民主党には今でもすごくシンパシーはある。ただ、立憲民主党もこのままではいけない。2月の総選挙でいろいろな常識が崩れたので、一度その常識を忘れてもう一回作り上げなければならない」と訴えた。
(『ABEMA Prime』より)