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ABEMA NEWS

2026年9月23日 15:00

【解説】「国政同様に左派勢力が飲み込まれた」沖縄県知事選、古謝氏が圧勝のワケは?“オール沖縄”衰退の背景

【解説】「国政同様に左派勢力が飲み込まれた」沖縄県知事選、古謝氏が圧勝のワケは?“オール沖縄”衰退の背景
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 沖縄県知事選では、現職の玉城デニー氏を抑えて、前那覇市副市長の古謝玄太氏が圧勝した。玉城氏は「オール沖縄」と呼ばれる勢力からの支援を受けていたが、どうして失速したのか。その背景をジャーナリストの青山和弘氏が解説する。

【映像】10秒でわかる「オール沖縄」

事前の「玉城優位」を大きく覆す

 青山氏は、結果を振り返り「玉城氏は2期8年やっていて、3選を目指した。3選はちょうど脂がのった時期で、5選、6選となると多選批判が出る。66歳という年齢も脂がのっており、普通なら玉城氏が強い。実際に事前調査では『玉城氏が割と強いのでは』となっていた」という。

 一方の古謝氏については「新人で、なんといっても42歳。沖縄がアメリカの占領から本土に復帰した時は、まだ生まれていない。玉城氏より2世代ぐらい若い新時代の方。なんといっても『辺野古を容認して経済を復活させよう』『誰かのせいにして今を諦めるのはもうやめましょう』。国のせいにして生活を諦めるのはやめようと訴えた」と語る。

 玉城陣営も「今回は経済が大事だと認識していたため、7つの政策の柱に、あえて辺野古を入れなかった」のだというが、「ただ終盤情勢が厳しくなり、古謝氏有利になる中で、最後は『沖縄県民の意識を守ろう』と、国との対決姿勢を少しにじませた」のだそうだ。

 ふたを開けると「約42万票対約27万票と、びっくりするほど差がついた」結果が出た。「最初は玉城氏が強いと見られていたが、14万票も差がつくという圧勝。古謝氏への勢いがどんどん増していき、最後に勢いがさらに強まり、投票終了の午後8時ちょうどに当選確実となった」。

オール沖縄誕生の背景には「県民の夢」が

 そもそも、玉城氏を支援してきた“オール沖縄”とは、どのような組織なのか。「2013年に、左右のイデオロギーではなく『沖縄のアイデンティティー』で集った。国に基地を押しつけられ、普天間は返還しても、また辺野古に基地を作る。それは許せないから、沖縄県全体で一緒にやろうと、辺野古反対の一点で大同団結した」。

 座組みとしては「保守・革新のみならず、経済界、市民団体とも手を組む画期的なグループだった。もともと自民党の県議だった翁長雄志元知事がリーダーシップを取ったことで実現した」と振り返る。

 オール沖縄の結集前には「1995年に米兵による少女暴行事件が起き、2009年に民主党政権が生まれた。その時、鳩山由紀夫総理は『最低でも県外』。普天間基地からの移設は、日本国内は仕方ないが、沖縄でない場所に作ると言った。それで沖縄県民は『基地がなくなるのか』と夢を見た」といった経緯があった。

裁判で連敗、予算も減り…

 しかし、「2012年に安倍政権になり、当時の仲井真弘多知事が『やはり辺野古だ』となった。その時に県民は『バカにするなと。政権交代があったとしても、県外に行くとぬか喜びさせて元に戻すのか』となり、オール沖縄が一気に盛り上がった」のだという。

 そして、「保守派でさえ『そんなことは許されないだろう。なんでそんなに振り回されるのか』と、翁長氏のリーダーシップもあり、勢力が増した。しかし2018年に翁長氏が死去し、玉城氏がその後の知事選で勝つが、そこから辺野古埋め立てを取り消す裁判でどんどん負けていった。いくら『反対』と言っても、辺野古の建設は続く。そんな中で経済界が離れ、選挙で負けて、各地の首長が自民党側にひっくり返っていく」と衰退の一途をたどる。

 加えて、「沖縄に対する振興予算も減っていった。野党の県政が続くと、自民党政権は沖縄に予算をさほど付けなくなる。そうした状況下で経済が苦しくなり、財界にも市民にも『経済が大事』との声が高まり、今回まさに経済が争点になった」と説明する。

 政策以外の部分でも「世代交代して、戦争を知る世代が少なくなっていく。また、SNSの発展の中で、イデオロギーの対立、リベラルが退潮している。国政でも中道改革連合が分裂し、いわゆる“左の勢力”が小さくなっている流れに、沖縄も飲み込まれた部分がある」と分析した。

高市総理が“沖縄入り”しなかった理由

 基地問題については「そうは言っても、『経済だけで良く、辺野古はもうどうでもいい』となったわけでもなく、まだ反対も多い。」としつつ、「やはり戦中の沖縄戦の悲惨な歴史を抱えているおじいちゃん、おばあちゃん、遺跡や遺構も多い中で、決して平和主義を捨てたわけではないと思う。それは“保守”の中にも根付いているが、ただ優先順位が変わってきた」と読み解く。

 では新知事となる古謝氏は、今後どうするのか。「今回、自民・維新の与党や、国民民主党、参政党などの応援も得たが、とにかく高市政権は力を入れていた。ただ高市早苗総理は、あえて応援に行かなかった。国の一生懸命さが見えすぎると、沖縄県民の反発心もある。そんな中で行かなかったが力を入れたことは間違いない」。

 当選後さっそく古謝氏は、総理と面会したが、これは「国とのパイプを強くして予算をつけてもらうのが、古謝氏の役割。それを見せに行った」とした。

沖縄ならではの経済的背景

 具体的な変化については「予算を一定程度増やしても、それで暮らしがどこまで良くなるのかは、沖縄の問題や地元の財界、情勢によっても変わってくる。例えば今、急激に円安が進む中、沖縄の物価も高くなるなどの影響もあるだろうが、これまでよりは良くなるかもしれない」と見通す。「一方で、基地建設などが進むことが、将来的な沖縄にとっていいかどうかは、まだまだ見ていかなければいけない」。

 経済基盤に関しては「沖縄には“基地経済”があった。米軍基地は雇用を生み、県産品も納入したりする。だが今は、観光の方が大きい。基地に雇ってもらうのではなく、観光などを発展させていく」といった方向性にシフトしていると明かす。

 また、「沖縄は大企業が少ないため、全国的に見て、失業率は少し高く、給料も安い。そうしたものを、どう育てるのか。ただ地域的には、アジアに一番近い。普天間の跡地利用も含めて、どう発展の道筋を付けられるか、古謝氏の実力が試される」と語る。

 そして最後に、今回の知事選を「やはり沖縄自体の雰囲気も大きく変わってきた。経済の問題もそうだが、今回SNSの力も大きかった。国政にも影響しているが、そうした時代の流れが、平和や護憲を軸にした、沖縄の『戦後レジーム』を押し流した結果なのではないか」と総括した。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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