東京・新宿区議の渡辺やすし氏が、自身のXに高級寿司店での食事について投稿し、SNS上で物議を醸している。
【映像】炎上した新宿区議「夫婦で寿司18万円」の真意を語る(外食写真付き)
「五年前は二人で10万円だったけど、鮨バブルと物価高騰で、訪れるたびに値段があがり、二人18万円に。二年で4万円くらいあがった」
この投稿に対しては「政治家がこんな無駄遣いしていいのか」「庶民感覚と離れすぎ、金持ちアピールするな」といった批判が噴出した一方で、「ただの妬み」「自分のお金なんだから贅沢するのも自由」といった擁護の声も相次いだ。
『ABEMA Prime』では渡辺氏らとともに、「政治家のお金の使い方」について考えた。
■「申し訳ないことをしたとは全く思っていない」

渡辺氏は、自身に寄せられる声について「炎上してるが、私のXの運用としては通常運転」だと説明する。「議員になる10年ほど前から、グルメを紹介する投稿をXで続けてきた。今回のような7万円、10万円のお店もあれば、1000円の定食屋やそば屋も紹介している」と話し、議員当選後もスタイルを変えずに発信してきたと明かした。
炎上については「投票してくださった2633人の新宿区民に対して、申し訳ないことをしたとは全く思っていない」と断言する。「1つは完全に自費であること。政務活動費も政治資金も使っておらず、私と妻の給料から払っている。区民に追加の財政的負担は発生していない」。
もう1つは品位の問題だとし、「特権を使って無理やり予約したわけでも、下品な食べ方をしたわけでもない。品位という点でも問題ないと思っている」と語り、「この投稿に対して後悔していない」と言い切った。
■「嫌いなのであれば投票しなければいい話」港区議が擁護する理由

この投稿に擁護の姿勢を示すのが、東京・港区議の新藤加菜氏だ。「前提として、公費は使っておらず、自身の財布で好きなものを食べている。私費での食事に対して、議員だからという理由だけでバッシングされるのはおかしい」と話す。
そのうえで「政治家としての政策実現能力と、おいしい寿司を食べているという行為自体には全く関連性がない。嫌いなのであれば投票しなければいい話だ」と語った。
擁護に回った動機については、「いろんな立場や価値観を持った有権者がいる。議員が必ずしも清貧であるべきだとか、庶民的なものしか食べてはいけないという話ではない」と述べた。
さらに、国会議員と地方議員で制度が異なる点にも触れた。「区議会議員は空港での特別待遇もグリーン車もない。政務活動費も月15万円程度で、領収書の添付が義務付けられており、飲食に出せる自治体は基本的にない。批判している方の中には、飲食政治を税金でしているという思い込みで混同している人がいる気がする」と指摘した。
■「政治家の見られ方には二面性がある」大井氏の分析

政治学者の大井赤亥氏は、「自腹で何を食べようが基本的に自由」としたうえで、政治家が置かれる構造を分析する。「政治家の見られ方には二面性がある。『先生』と持ち上げられ、パーティーでもチヤホヤされる一方で、お手つきやスキャンダルが出るとボロクソに言われる」。
若い世代が抱く政治家のイメージについては、「国会で居眠りをしている、新幹線グリーン車乗り放題、選挙になったら街宣車を回して迷惑な存在、というものになっている。何かお手つきがあったときにボロクソ言われるという経過があったのではないか」と述べた。
そのうえで「政治家も人間なので、品行方正・質素倹約みたいなことだけでも息苦しい。一定程度人間味を出す必要もある」と理解を示す一方、「渡辺氏のケースとは異なるが『飲み食い政治』といって、料亭や赤坂周辺で物事が決まっていくというのは別の側面としてあり、これには是正が必要だ」とも語った。
渡辺氏は、炎上してもなお前向きだ。「『新宿区議の給料は、寿司を食っても食わなくても約1100万円だ』と言い続けたら、議員の待遇が広く知れ渡った。地方議会選挙の投票率を上げていかなければいけない。私の得票が増えるかどうかは別として、プラスだったのではないか」と話した。
(『ABEMA Prime』より)