“HIV血液”すり抜け輸血 検査「仕組み」を解説[2013/11/26 16:50]

 HIV=エイズウイルスに感染し、献血した人の血液が安全検査をすり抜けて2人に輸血されていました。その後の検査で、1人は陽性であることが分かりました。

 日本赤十字社では、2003年に検査の「すり抜け」による輸血で患者がHIVに感染した事例を受けて、検査の精度を上げるため、それまで50人分の血液をまとめて調べていた検査方法を翌年から20人分に見直しました。それでも今回は見抜けなかったことから、厚生労働省では一人ずつ検査する方法も視野に検討しています。検査すり抜けの原因と考えられているのが「ウインドウピリオド(空白期間)」です。HIVの感染から約8週間は、ウイルスや抗体が微量のため、発見が非常に難しい期間とされています。こうした理由から、日本赤十字社では「検査目的の献血はお断りする」としていて、献血をする際に問診票で「エイズ検査を受けるための献血かどうか」を確認しています。ここで「はい」に記入すると、献血を断られます。また、HIVに感染していた場合でも、日本赤十字社から通知が来ることはありません。HIV検査を希望する人には、無料で受けられる最寄りの保健所などに行くことを勧めています。

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