戦争から平和の時代生き抜く 昭和天皇実録が公表[2014/09/09 05:53]

 昭和天皇の生涯を記録した「昭和天皇実録」が公表されました。戦争から平和の時代へと激動の昭和を生きた天皇の姿が、1万2000ページ余りにわたって記されています。

 実録は、未公開の側近の日誌などをもとに、25年掛けて編纂(へんさん)されました。これまで明らかになっていなかった軍部の暴走に苦悩する姿や、戦争終結を決める御前会議の様子も記されています。象徴天皇として生きた戦後は国内外の要人との面会や地方訪問などの公務のほか、87歳の崩御までの生涯が詳細に記録されています。専門家からは、歴史的価値を評価する一方、記述が不十分との指摘も出ています。
 作家・保阪正康氏:「私たちに改めて昭和天皇の存在意義を考えさせるきっかけにはなりますね。昭和天皇の姿を100年先、200年先の私たちのまだ見ない子孫に伝える本」
 明治学院大・原武史教授:「都合の悪いところはなるべく採らない。編集方針というか、そのなかで一つの像を作り出そうとしている跡が伺えるので、そこに一つの無理がある」
 実録は11月まで宮内庁で閲覧することができ、その後は順次、出版される予定です。

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