周恩来ゆかりの品が一堂に 国交正常化の立役者[2015/11/20 17:36]

 建国当初から30年近く中国の首相を務め、日中国交正常化に尽力した周恩来氏のゆかりの品の展覧会が東京・文京区の美術館で25日までの日程で始まりました。

 開幕式には、周恩来氏のおいにあたる周爾均氏ら親族が北京から来日したのを始め、自民党の二階俊博総務会長、公明党の山口那津男代表、民主党前代表の海江田万里氏ら日中関係に深く関わってきた与野党の政治家も参加しました。周恩来氏は、青年期に東京に留学した経験があり、その後、1949年の中華人民共和国建国に関わり、以来、1976年に亡くなるまで一貫して首相を務めました。1972年には、当時の日本の田中角栄総理大臣と交渉を行い、日中の国交正常化を実現させました。周恩来氏ゆかりの品を集めた展覧会「周恩来総理を偲ぶ回顧展」は、20日から25日までの日程で文京区後楽の日中友好会館美術館で行われています。会場には日本や中国、ロシアなどに秘蔵されていた建国前の1930年代に中国共産党で活動を始めたころの重要な歴史文書や、周恩来氏の親族らが提供した各国要人らとの会談の写真など門外不出の史料などが展示されています。また、田中角栄元総理や中曽根康弘元総理など、日本側の関係者の揮毫や当時の写真などが陳列されています。これらの展示品は1898年生まれの周恩来氏の生誕100年を記念して、中国で大型テレビ記録番組「百年恩来(周恩来百年)」を制作した時に収集されたものです。近年の日中関係の改善に伴い、今回、初めて公開が決まったものです。会場にはこのほか、周恩来氏のために作品を製作した著名な中国山水画の関山月、中国現代書道の瀋鵬らの作品も展示されています。

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