「手助け、合理的な疑い残る」　菊地被告に逆転無罪

　1審で懲役5年の判決を受けたオウム真理教の元信者・菊地直子被告（43）に、東京高裁は逆転で無罪を言い渡しました。

　菊地被告は1995年、職員が大けがをした東京都庁郵便爆弾事件で、爆弾の原料である薬品を運んだとして、殺人未遂の幇助罪（ほうじょざい）などに問われました。1審は「薬品が人の殺傷に使われる危険性を認識していた」として懲役5年の判決を言い渡しました。弁護側は無罪を主張し、控訴していました。27日、東京高裁は「人を殺傷するテロ行為を行うと認識して手助けしたと認めるには合理的な疑いが残る」として、1審判決を取り消し、無罪を言い渡しました。菊地被告は何度も目元をぬぐっていました。