【震災5年】忘れない…列島各地で追悼の祈り[2016/03/11 17:53]

 東日本大震災の発生から節目となる5年を迎え、午後2時46分、それぞれの場所で黙祷(もくとう)が行われました。宮城県南三陸町から渡辺宜嗣アナウンサーが報告です。

 (渡辺宜嗣アナウンサー報告)
 南三陸に夜が近付いています。東日本大震災の発生から5年。午後2時46分、被災地で、全国で追悼の祈りが捧げられました。大津波で約7万本といわれる松林が流され、そのなかで唯一、耐え残った岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」。同じ岩手県内にあって、かつて「万里の長城」と称された宮古市田老の巨大防潮堤では、破壊された防潮堤の上で黙祷を捧げる人々の姿がありました。福島第一原発から約7キロの浪江町請戸漁港では、原発事故で避難指示が出たため、震災翌日から行方不明者の捜索ができなかった場所です。11日午前、改めて一斉捜索が行われ、その後、捜索にあたった警察官による祈りが捧げられました。東京の国立劇場では、政府が主催する犠牲者の追悼式が行われました。天皇皇后両陛下、安倍総理大臣、遺族の方々が参列。午後2時46分に合わせて黙祷し、犠牲者を悼みました。そして、天皇陛下がおことばを述べられました。被災地で、そして全国で捧げられた祈りは、犠牲になった方々に届いたはずです。消し去ることのできない、あの日の記憶です。「地震大国」日本で暮らす私たちにとって、決して他人事ではありません。失われた尊い命に報いるためにも、私たちは今、改めて何に備えなければならないのか、何をしなければならないのか。避難を余儀なくされた原発問題も同じです。立ち止まって、もう一度、自らに問い直してみる。3月11日は日本と日本人にとって、本当に大切な一日です。

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