高速実験炉「常陽」 申請に問題あり審査保留[2017/04/25 22:33]

 原子力規制委員会は、茨城県大洗町にある高速実験炉「常陽」の再稼働の前提となる初の審査会合を開きましたが、「申請に問題がある」として初回から審査を保留しました。

 常陽は核燃料サイクルで高速増殖炉「もんじゅ」の前の段階に位置付けられた施設で、原子力機構は廃炉が決まったもんじゅに代わり、再稼働を目指しています。初回の審査会合では、常陽の熱出力が14万キロワットであるのに、10万キロワットに出力を抑える理由について質問が集中しました。これに対し、機構側は出力が10万キロワットを超えると避難計画を作るエリアが半径5キロから30キロに拡大するため、エリアが拡大すれば対応に時間がかかるとして、早期の再稼働を優先したことを明らかにしました。避難計画の策定より実験を優先するかのような機構側の発言は今後、波紋を広げる可能性もあります。原子力規制委員会は重大事故対策も不十分だとし、初回の審査を保留しました。

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