賃金格差 個別の趣旨で判断 最高裁[2018/06/02 05:54]

 正社員と非正規社員との賃金の格差について争われた2件の裁判で、最高裁判所は労働契約法が禁ずる格差にあたるかについては個別の労働条件に着目すべきだとする初めての判断を示しました。

 静岡県の物流会社の男性契約社員は、正社員と同じ手当の支払いを求めて会社を訴えていました。1日の判決で最高裁判所は会社側の上告を棄却し、通勤手当や無事故手当、給食手当などを支払うよう会社に命じた二審の判決が確定しました。また、運輸会社の定年後、再雇用された嘱託社員3人が再雇用で賃金が引き下げられたのは不当だと訴えた裁判で、最高裁判所は3人の訴えを退けた二審判決の一部を見直し、「精勤手当」については会社に支払いを命じました。2件の裁判では賃金の違いが労働契約法の禁じる「不合理な格差」にあたるかが争われ、最高裁判所は“個別の労働条件に着目して判断すべき”だという初めての判断を示しました。

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