電通過労死で検察審査会 当時の上司「不起訴相当」[2018/07/27 18:25]

 「電通」の新入社員の女性が過労死した事件を巡り、当時の上司を不起訴とした処分は不当だとする遺族の申し立てに対し、東京第一検察審査会は「不起訴は相当である」とする判断を示しました。

 電通の新入社員だった高橋まつりさん(当時24)の過労自殺を巡っては、法人としての電通は労働基準法違反の罪で起訴されて罰金刑が確定しましたが、まつりさんの直属の上司は起訴されませんでした。母親の幸美さんは、不起訴処分は不当だとして検察審査会に審査を申し立てていました。検察審査会は27日に「不起訴は相当である」とする議決を公表しました。議決の理由について、違法な長時間労働が全社的に行われていたことについて触れ、「会社という組織のなかで個人ができる対策は限られていた」と指摘しました。そのうえで「親族の心情は察するに余りあるが、不起訴処分の裁定を覆すに足りる理由はない」としました。幸美さんは議決の公表後、「結論は残念です」「娘のような不幸な事態を二度と起こさないように社員の労働時間の管理と健康に働ける環境を整えることは、会社経営者とすべての管理職に責任があることを認識してもらいたいと思います」とのコメントを出しました。

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