「居合道」の昇段システムとそこに巣食う金銭問題[2018/08/17 16:57]

 「居合道」は「腰の刀を抜いて敵を制するための武術」として編み出されたものです。室町時代が起源ということで歴史のある武術です。その居合道の最高段位は八段です。初段は、13歳以上で一級を取得している人から挑戦することができます。ただ、八段に挑戦する条件として、基本的には最短でも初段の取得から31年もの時間が必要となります。全日本剣道連盟によりますと、八段は今年、134人が受けて合格したのはわずか3人。合格率は2.2%でした。また、段位とは別に「範士」「教士」「錬士」という称号もあって、錬士は六段から挑戦できますが、最高位の範士は八段の取得後、8年を経過しないと挑戦することができません。さらに、地方連盟らの推薦も必要となります。今回、明らかになった問題は、「範士の取得に際して全日本剣道連盟の委員から650万円の金銭を要求された」という告発状が提出されました。連盟側が調査した結果、証拠を確認することはできませんでした。結局、連盟はこの金銭授受については認めていません。一方で、この告発とは別の八段の審査については、元委員長などが金銭を受け取っていたことが判明し、関与した8人が処分されていたことが分かりました。

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