津波試算「覚えていない」 元社員の証言と食い違い[2018/10/19 11:50]

 東京電力の旧経営陣を巡る刑事裁判の被告人質問で、原発事故の3年前の会議で報告したとされる従来の想定を超える高さの津波の試算について、元副社長が「覚えていない」と答えました。

 東電の元副社長・武黒一郎被告(72)、そして、元会長・勝俣恒久被告(78)らは福島第一原発の事故を巡り、業務上過失致死傷の罪に問われています。これまでの裁判で、2008年2月の会議で原発に想定を上回る高さの津波が来るという計算結果を報告して津波対策の方針が了承されたという、当時、津波対策の幹部だった元社員の調書が明らかになっています。この点について弁護側から聞かれると、武黒被告は「会議で説明があったかは覚えていない」と答えました。さらに、「了承されたというのは強引」と話し、元社員の証言との食い違いが浮き彫りになりました。

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