「僕が文ちゃんを愛していると云ふ事を」芥川の恋文[2019/02/26 11:57]

 芥川龍之介が後に妻となる塚本文への恋心をつづった2通の手紙が東京・北区の田端文士村記念館で初めて公開されました。

 「僕が文ちゃんを愛していると云ふ事(いうこと)を少しでも文ちゃんに知って貰へたら」。これは「羅生門」などで知られる芥川が結婚前に書いた手紙です。宛先は妻・文の叔父で親友の男性です。「文ちゃんの僕に対する心もちが少しでも僕にわかっていたら」。恋の不安を恐る恐る親友に明かす芥川の繊細さが伝わってきます。
 田端文士村記念館・種井丈研究員:「(芥川は)好きだと思った人に対してはすごく情熱的に自分の気持ちを告白する、そういった一面があったのかな。教科書では習わないような芥川の新しい一面が見られるのかな」
 この2年後に2人は結ばれ、芥川は9年後に自殺します。芥川が文本人に宛てた手紙は「一緒に燃やしてほしい」という文の遺言で、ほとんど残っていません。

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