戦没者遺骨 焼骨せず持ち帰り「選択肢に」[2019/08/02 23:58]

 厚生労働省の有識者会議は、海外に残された戦没者の遺骨の身元を特定するために現地で焼かずにすべて国内に持ち帰ることを「選択肢」としたうえで、遺族感情に配慮しながら慎重に進めるべきだとの意見を取りまとめました。

 厚労省はこれまで海外で収集した戦没者の遺骨について、一部をDNA鑑定のために持ち帰る以外は現地で焼いた後に日本に持ち帰っていました。しかし、現地で焼骨すると「DNAの抽出が今後、一切できなくなる」と一部の遺族や専門家から懸念の声がありました。厚労省の有識者会議は2日、DNA鑑定の技術の進歩を踏まえ、今後は焼骨せずにすべて持ち帰ることも「選択肢となる」としました。一方で、DNA鑑定の有効性に懐疑的な遺族もいることから、遺族感情に配慮しながら慎重に進めるべきだとの意見を取りまとめ、厚労省に提言しました。そのうえで、遺骨を持ち帰る手段や衛生面での対策などについての具体的な検討も厚労省に求めています。

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