55年前の五輪チケット販売 手間暇かけて申し込み[2019/08/13 20:03]

 来年8月に行われる東京パラリンピックの観戦チケットの価格や販売方法が13日午後に発表されました。人気が集まる開会式のチケットはオリンピックに比べるとお手頃のようです。

 来年の開会式のチケット価格をもう一度おさらいをしていきます。まず、オリンピックですが、1万2000円から30万円そしてパラリンピックが8000円から15万円とややお値段が張るかなという印象があるかと思います。高いものはちょっと難しいかなという気がしますが、それに対して前回1964年の時、東京オリンピックの開会式のチケットはいくらだったのか。当時の価格で500円から8000円。これが今の価値に直すとどうなるのか。参考になるのは当時の大卒初任給。男性の場合、約1万9800円。ちなみに今の大卒初任給が21万円ですから、10倍ちょっとすればいいという計算。となりますと、今の価値では開会式が5300円から8万4800円相当。比べると半額以下。やっぱり初めてのオリンピックということでやや手頃だったのかなという印象なんです。
 当時のチケット、かなり人気だったということが分かる映像があります。当時の「五輪へまっしぐら」という映像。なんの競技のチケットか分からないんですが、列ができていた。人気だったということです。こういったチケットはどうやって販売されていたのか、当時の組織委員会報告書などを見てみますと、主に開会式の場合と競技用のチケットの場合、2種類あったそうなんですが、まず開会式の場合、どうやって買えばよかったのか。
 実は競技チケットの方が並んでの先着順。開会式は往復はがきだったんです。開会式のチケットが欲しい場合にはこれを送って、そうすると、今度は抽選番号がそこに印刷されて戻ってきます。その番号を持ったうえで大抽選会。数字が一致すると見事にチケットをゲット。
 ちなみに当時のチケット国内向け販売が3万200枚あったということなんですが、それに対する応募が262万枚、倍率約87倍だったということなんですね。そして、一方の競技チケットの場合は先着順とお知らせしましたが、大混雑する可能性があったので警視庁から事前に「整理券を配ってくれ」と言われたんですが、それでも大行列。何か囲んだりしてます。実はここに色んな物がありました。寝具や石油ストーブを持ち込んでマージャンやトランプをする人。
 ちなみにこんな騒動もありました。列に割り込んで警察が出動。混乱も一部あったようで、当時は最大で3000人が徹夜をしたということです。時期がその時にも当時、色々あったようなんですが、この時には着込んだりしながら耐えられるぐらいだったんです。ちなみに来年のチケットは追加抽選の申し込みが行われていますが、秋には2次抽選が行われます。そこでは1次よりも枚数は少ないんですが、まだ開会式なども一部残っているということです。

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