「桃太郎」の鬼は悪者? 小6女児の自由研究が本に[2019/08/20 19:38]

 「桃太郎」に出てくる鬼は悪者なのか、なぜ桃太郎に退治されたのか。そんな素朴な疑問から小学生の女の子の自由研究は始まった。「鬼」の正体を調べ上げた彼女の研究は一冊の本として出版されることになった。

 鬼といえば、鬼は外。鬼退治だが、なぜ彼らは排除されて成敗されないといけないのか。なぜ桃太郎は鬼を退治しに行ったのか。考えたことがあっただろうか。千葉県袖ケ浦市の小学6年生・倉持よつばさん(12)。たまたま目にした本に触発され、それを去年の夏休みの自由研究のテーマにした。各地の図書館に通いに通い、調べに調べた成果はコンクールで最高賞に輝き、来月にとうとう一冊の本として出版されることに。
 よつばさんを刺激したのは先人の言葉だった。かの福沢諭吉は桃太郎を盗人ともいえる悪者と断罪。作家の池澤夏樹さんも桃太郎の鬼ケ島攻撃は侵略戦争の思想だと書いていたのだ。それでも鬼が悪者に決まってる。鬼が侵略してきたんでしょ。よつばさんも、すぐには既成概念を拭えない。しかし、江戸時代までさかのぼって桃太郎に関する古い文献を調べてみると、そこには鬼の悪事などは描かれておらず、鬼ケ島に向かう桃太郎のモチベーションについても力試しがしたい、宝を得たい、鬼退治に行きたいともっぱら桃太郎サイドの願望が語られるのみだったという。極め付きは明治期に発表された文部省唱歌。有名な童謡の「桃太郎」だが、後半をご存じだろうか。極めて好戦的で、鬼や鬼ケ島をせん滅して戦利品を奪うことを面白いと歌っているのだ。
 まるで大量破壊兵器があるはず。そんな予断に基づき、始めたイラク戦争のようだ。結局、鬼とは何者なのだろうか。
 桃太郎を研究した倉持よつばさん:「一人ひとりの心の中にいて、たまにその鬼が外に出てきて悪さをする。私の心の中にもいる」
 昔話の中に埋め込まれた人間の心理。よつばさんは、こう話します。
 桃太郎を研究した倉持よつばさん:「すべて本に答えが載っていました」

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